国内最大規模のバルテュス展
没後初となる大回顧展が開催
ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家バルテュス。没後初の大回顧展「バルテュス展」が7月5日(土)より京都市美術館にて開催。世界中から集う40点以上の油彩画に加えて、素描や愛用品など100点以上を紹介する。
1908年、パリに生まれ、美術史家の父と画家の母を持つバルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ)は、美術学校へは通わず、20世紀美術の流派のどれにも属することなく、独特な具象絵画の世界を築き上げていった。1934年にパリで開かれた最初のスキャンダラスな個展以降、扇情的なポーズを取る少女というモチーフゆえに批判や誤解にもさらされたバルテュスだが、フランス文化大臣アンドレ・マルローの依頼によりローマの「アカデミー・ド・フランス」館長を務めるなど着実に地位を築き、1983年のパリのポンピドゥー・センターでの回顧展で国際的な名声を獲得する。
幼い頃より日本や中国といった東洋文化に親しみ、また1962年の初来日以降、節子夫人という伴侶を得て殊に日本との関わりが深くなったバルテュスは、1991年に第3回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した。彼が描く時が止まったように静謐な風景画や、曰く「この上なく完璧な美の象徴」である少女のいる室内画など、神秘的で緊張感に満ちたバルテュス独特の世界観は、多くの人々に愛され続けている。
本展では、世界の名だたる美術館のコレクションのみならず、公開されることの少ない個人蔵の作品も含め、国内ではほとんど見ることのできないバルテュス作品が並ぶ。また彼のアトリエを世界で初めて再現し、知られざる創造と思考の空間を明らかにする。絵画や愛用品も含め約100点以上におよぶ展示でその魅力と真骨頂を紹介、2001年の没後初となる国内最大規模の大回顧展だ。
バルテュス展
発売中 Pコード:766-154
▼7月5日(土)~9月7日(日)
京都市美術館
前売先行ペア1000円(1名分) 一般1300円 高校・大学生800円 小・中学生400円
当日一般1500円 高校・大学生1000円 小・中学生500円
※9:00~17:00。入館は閉館の30分前まで。月曜休館(ただし7/21は開館)。障害者手帳等をご提示の方、小学生未満は無料。
ハローダイヤル
050-5542-8600
(2014年5月22日更新)
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バルテュス《鏡の中のアリス》1933年 油彩、カンヴァス 162.3x112cm ポンピドゥー・センター © Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Philippe Migeat / distributed by AMF
バルテュス《夢見るテレーズ》1938年 油彩、カンヴァス 150x130cm メトロポリタン美術館 Jacques and Natasha Gelman Collection, 1998 (1999.363.2). Photo: Malcolm Varon. © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
バルテュス《地中海の猫》1949年 油彩、カンヴァス 127x185cm 個人蔵
バルテュス《読書するカティア》1968-76年 カゼイン、テンペラ、カンヴァス 179x211cm 個人蔵 Photo: Steve Zane