現代美術のキーワード、
ノスタルジーとファンタジー
日本の現代美術家10組による「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展が、5月27日(火)より国立国際美術館 にて開催。
生まれ育った故郷を懐かしんだり、古き良き時代を思い返したりする心情を表す郷愁=ノスタルジー。思い出の中の風景は、自身の感情に影響され、時には現実から離れ、空想の世界へと飛躍していく。この空想の世界をファンタジーと捉えたとき、ノスタルジーとファンタジーはともに誰もが抱く心のありようとも言える。芸術家もまた例外ではなく、彼らの創作活動の多くにファンタジーの世界が広がっており、その源泉が、ノスタルジックなイメージから紡ぎ出されることも少なくない。
現代アートの重要な創作源として、この2つのキーワードに注目したのが本展だ。ここでは、ノスタルジーに固執する人間の意識の本性と向き合いながら、それを独自のイメージの世界へと昇華させた作品の数々を取り上げる。未知の表現を目指す現代アートと過去を指向するノスタルジーという心情は正反対にも思われるが、現代という時代はこの2つを結びつけていることも、多くの作品が示唆している。
出品作家は、橋爪彩、横尾忠則、柄澤齊、淀川テクニック、須藤由希子、山本桂輔、棚田康司、小西紀行、北辻良央、小橋陽介の10組。本展で紹介する、世代も作風も異なる作家たちの個性的な表現活動は、一見、脈絡のない個人的領域に属するものにも見えるが、ノスタルジーとファンタジーという視点を設定するとき、それらに共通する一つの世界像が見えてくるだろう。
ノスタルジー&ファンタジー
現代美術の想像力とその源泉
▼5月27日(火)~9月15日(月・祝)
国立国際美術館
一般900円 大学生500円
※10:00~17:00 ※金曜日は~19:00(入場は閉館30分前まで)。休館日:月曜日(7/21・8/11・9/15は開館、7/22は休館)。高校生以下、18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名は無料。
国立国際美術館
06-6447-4680
(2014年5月14日更新)
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橋爪彩《Chloris》2011年 個人蔵 courtesy of imura art gallery 撮影:加藤健
柄澤齊《決壊》2011年 国立国際美術館蔵
小西紀行《無題》2007 年 齊藤洋久氏蔵 courtesy of ARATANIURANO 撮影:木奥惠三