映画をめぐる美術とは?
作家の多様な実践を紹介
国際的に活躍する美術家13名のフィルム、写真、ヴィデオ、インスタレーション等の作品により、映画をめぐる美術家の多様な実践を紹介する展覧会『映画をめぐる美術 -マルセル・プロータースから始める』が、京都国立近代美術館にて9月7日(土)より開催される。
このマルセル・ブロータースとは、詩人として出発したベルギー出身の芸術家。言語とイメージの関係を扱ったオブジェや写真・短編映画の制作、また公開書簡や出版などの著述活動、さらに美術を取り巻く権威や制度を批判的に検証する虚構性に満ちたプロジェクトなど、幅広い創作活動を展開し、戦後美術の転換期に大きな足跡を残した人物だ。
映画を重要な表現方法のひとつであり考察対象としたブロータースは、映画を「書く」ための方法として位置づけ「読む」という視点を改めて強調した。時にユーモアを交えながら言語とイメージの関係を根源的に問うブロータースの実践は、後進の世代の美術家たちに大きな影響を与えて続けており、特に写真やヴィデオ、インスタレーションの手法を用いた表現が急増した1990年代以降の美術動向を理解する上でも、有効な手がかりになると言えるだろう。
本展では、ブロータースによる映画に関するテクストやプロジェクトを参照軸とし、そこから引き出される5つのテーマ「Still / Moving」「音声と字幕」「アーカイヴ」「参照・引用」「映画のある場」に即して、国際的に活躍する美術家13名の作品により、映画をめぐる美術家の多様な実践を紹介する。なお、開催初日の9月7日(土)には出品作家による「連続アーティスト・トーク」も行われる。詳細はオフィシャルサイトにて。
映画をめぐる美術 -マルセル・プロータースから始める
発売中 Pコード:765-775
▼9月7日(土)~10月27日(日)
京都国立近代美術館
前売一般700円 大学生350円
当日一般850円 大学生450円
※9:30~17:00、金曜日と9/7・10/26は20:00閉館。最終入館は閉館30分前まで。休館日は月曜日。但し、9/16・9/23・10/14は開館し、9/17・9/24・10/15は休館。高校生以下、心身に障がいのある方と付添者1名は無料(入館の際に証明できるものをご提示ください)。本料金でコレクション展もご覧いただけます。
075-761-4111
(2013年8月31日更新)
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