幕末まで続いた「京狩野」芸術。
その初の本格的な大回顧展が開催!
安土桃山時代~江戸時代初期の狩野派の絵師、狩野山楽・山雪の初の本格的な大回顧展「狩野山楽・山雪」が、2013年3月30日(土)~5月12日(日)、京都国立博物館にて開催される。
山楽・山雪の画系は、狩野永徳を祖とする江戸に展開した“江戸狩野”に対し、“京狩野”と呼ばれる。その基礎を固めたのが初代の山楽と二代の山雪だ。彼らは桃山・江戸初期という激動の時代に、存亡の危機に瀕しながらも豊臣・徳川氏の仕事を獲得して生き抜き、魅力的な絵画を残してきた。特に山雪の個性的な絵画は、今日においても非常に新鮮で刺激的なもの。まさに18世紀の伊藤若冲・曾我蕭白らの先駆けであり、今最も再評価されるべき画家とも言える。きわめて高度な技術に支えられた彼らの絵画は、ずらりと並ぶ華やかな大画面作品からも、その造形の確かさと力強さを体感できるはずだ。
なお山楽作品を一堂にするのは実に42年ぶり、山雪作品を一堂にするのは27年ぶりで、この両者の大回顧展は初の開催となる。本展では重要文化財13件、新発見8件、初公開6件を含む80余件の作品を展示。狩野山楽・山雪研究の最前線を示す、非常に貴重な展覧会だ。またアメリカとアイルランドから里帰りする大作が4件あり、うち2件は初の凱旋となる。なかでもミネアポリス美術館蔵の「群仙図襖」(初里帰り)とメトロポリタン美術館蔵の「老梅図襖」は、本展最大の魅力のひとつ。かつて表裏をなしていた襖絵が、海を渡って以来はじめて故郷・京都で50年ぶりの再会を果たすこととなる。会場では同一ケース内に展示し、元の状態に復して観ることができる。
こうした海外所蔵作品はもちろんのこと、国内においても脆弱な日本絵画は、展示期間が限定されているため、現地へ赴いても必ず見ることができるとは限らないもの。これほどの大規模で山楽・山雪の作品を展覧することは非常に貴重な機会となる。しかも京都1会場のみの開催だけに、ぜひともその精緻で迫力ある作品群を目の当たりにして欲しい。
特別展覧会「狩野山楽・山雪」
▼2013年3月30日(土)~5月12日(日)
※前期3月30日~4月21日/後期4月23日~5月12日
※会期中一部の作品を展示替え致します。
京都国立博物館
前売 一般1200円 高大生700円 小中生300円
当日 一般1400円 高大生900円 小中生500円
※9:30~18:00、金曜日は20:00閉館。最終入場は閉館30分前まで。休館日は月曜日。ただし、4/29・5/6は開館、4/30は閉館。未就学児童は無料。
テレホンサービス
075-525-2473
(2012年12月18日更新)
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重要文化財 龍虎図屏風(右隻)狩野山楽筆 京都・妙心寺蔵
重要文化財 車争図屏風 狩野山楽筆 東京国立博物館蔵
重要文化財 雪汀水禽図屏風(右隻)狩野山雪筆
群仙図襖 狩野山雪筆 アメリカ・ミネアポリス美術館蔵 Minneapolis Institute of Arts, The Putnam Dana McMillan Fund, 67.37.1-.4