温かくキュートな色彩とデザイン
染色家・芹沢銈介の作品世界
日本の伝統的な型染を基に芸術性の高い染色を創始した作家、芹沢銈介(1895-1984)の展覧会「宗廣コレクション 芹沢銈介展」が、4月7日(土)より京都文化博物館にて開催。
静岡市の呉服屋に生まれ、少年の頃から画才を発揮していた芹沢は、長じて染色の制作を始める。その後、柳宗悦(1889-1961)の提唱する民芸の思想と出会い、沖縄の染物・紅型(びんがた)の色づかいに大きな衝撃を受け、自らの作風を確立する。
34歳で本格的に染色家としてデビューする以前は図案家=デザイナーとして活動していたこともあり、染色への取り組みにおいても、カレンダー、うちわ、グリーティングカード、包装紙、マッチのラベルといった、それまで型染で作られたことのない日用品に至るまで積極的に制作している。また、鉄製の看板や軒灯、花筵や緞通といった敷物類、藁細工や樺細工、ステンドグラス、美術館の設計(大原美術館工芸館・東洋館)など、染色以外のデザインの分野でも、幅広い仕事を手掛けている。
鮮やかな色彩と深い精神性をそなえた芹沢の仕事は「型染」という言葉では括り切れないもので、1956年重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定にあたっては「型絵染」という新しい分野が考案されたほどだ。その作風はいまなお新鮮で、圧倒的な存在感を放っている。
そんな芹沢銈介の作品世界に深く惚れ込み、芹沢のデザインの本質を表す作品を収集してきた、郡上紬の制作者である宗廣陽助。宗廣は芹沢の工房に足を運び、時には自身の織った生地を運んで作品を依頼したという。本展では、宗廣のコレクションから、屏風、反物、のれん、染め絵などの代表作ほか、ガラス絵、素描など160点を紹介。生涯を通じて明快かつ温和な作風を貫き、国内外の多くの人々に愛されたその作品を体感して欲しい。
特別展「宗廣コレクション 芹沢銈介展」
発売中 Pコード:765-002
▼4月7日(土)~6月3日(日)
京都文化博物館
当日一般1000円 大高生700円 中小生400円
※10:00~18:00、金曜日は19:30閉室。最終入室は閉室30分前まで。休館日は月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
※販売期間中はチケットぴあ店頭での直接販売および通常電話0570(02)9999にて予約受付。インターネット販売はなし。
京都文化博物館
075-222-0888
(2012年4月12日更新)
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