西川美和監督が松たか子と阿部サダヲを迎えて描く
スリリングで衝撃的なラブストーリー
『夢売るふたり』試写会に15組30名様をご招待！

　『ゆれる』『ディア・ドクター』で数々の映画賞を総なめにした西川美和監督が、かねてから温めていた“結婚詐欺”をモチーフにした企画を実現。『ヴィヨンの妻～桜桃とタンポポ～』や『告白』などで圧倒的な存在感を発揮してきた松たか子を主演に迎えた、監督自身初めてとなる女性が主人公の作品に挑んだ注目作だ。松たか子演じる主人公とともに結婚詐欺を繰り返す夫を阿部サダヲが演じ、夫婦の結婚詐欺に巻き込まれていく女性たちを、田中麗奈や木村多江、鈴木砂羽らが演じている。

　東京の下町で小さいながらも繁昌している小料理店を営んでいた夫婦が、火災によって全財産を失ってしまう。自分たちの店を出すという夢を諦めきれないふたりは、再出発の資金を稼ぐために結婚詐欺を決意する。ところが妻が計画を立て、夫が実行役をこなすその詐欺は、夫婦の間や騙した女性たちの間にも思わぬさざ波を立て始め…。

　西川美和が監督と脚本を務め、松たか子と阿部サダヲが夫婦に扮し、自分たちの店を出すという夢のために結婚詐欺を働く。映画ファンなら、監督の名前とキャスト、そしてあらすじを聞いただけで興味を持つことは間違いないはず。当初は、同じ場所を目指して突き進んでいたはずなのに、いつしか女性を騙し続ける夫と、夫に女性を騙し続けさせる妻の歯車が狂い始めてしまう。本来は赤の他人である夫婦という男女の感情の機微を、西川美和がつぶさにすくい取り、描ききっている。人並みの生活や人並みの幸せを求め、純粋そうな、絶対に人を騙すことなんて有り得ない男に騙されてしまう女性たちの気持ちも、自らが言い出したこととはいえ、女性を騙し続ける夫に複雑な感情を抱く妻の気持ちも、痛々しいほどにリアルに生々しく女性の心情を浮かび上がらせた西川美和の手腕に脱帽してしまうスリリングで衝撃的なラブストーリーだ。