アカデミー賞で脚色賞を受賞した
ジョージ・クルーニー主演による家族の絆の物語
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　『アバウト・シュミット』や『サイドウェイ』などで知られる名匠アレクサンダー・ペイン監督が、ジョージ・クルーニーを主演に迎えて撮りあげた5年ぶりの最新作。ハワイで家族と幸福に暮らしていた男が、突然妻が事故で昏睡状態に陥ったことを機に、妻の秘密を知り、自身の家族の人生と過去、そして未来を見つめなおしていく姿を時に軽妙に、時にシリアスに映し出している。良質な作品世界とキャストらの高い演技力が評価され、ゴールデングローブ賞では、ドラマ部門の作品賞と主演男優賞を受賞、アカデミー賞でも脚色賞を受賞している感動作だ。

　オアフ島で暮らすマットは、愛する妻とふたりの娘の囲まれて幸福な日々を送っていた。しかしある日、ボートの事故によって妻のエリザベスが昏睡状態に陥ってしまう。そして、妻には恋人がいたことや妻が離婚を考えていたことまでもが明るみになり、しかも娘までもがそれを知っていたことを知る。また、カメハメハ大王の血を引く先祖から受け継いだ広大な土地の行方に対する決断も迫られていたのだった…。

　『オーシャンズ』シリーズでのオシャレでかっこいい窃盗犯や、現在公開中の『スーパー・チューズデー ～正義を売った日～』での大統領候補役など、ジョージ・クルーニーといえば、スーツの似合うセクシーな男性というイメージが強いはず。しかし、本作で彼が挑むのは妻の浮気にも気付かず、家族のことを考えているつもりになっていたことに気付かされる、冴えない中年男。そんなジョージ・クルーニー演じる父親が、予想外の現実に直面し、家族や人生について真正面からぶつかって考え、行動にうつしていく姿には、どうしても感動を覚えてしまう。また、雄大なハワイの自然の象徴である澄み切った海や森林の映像に心癒されることで、当たり前だと感じていた故郷や自然の大切さ、本当に大事なことを言葉にする大切さなど、人生において大切なことが、じんわりと胸に沁みる感動作に仕上がっている。