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花組トップスター・永久輝せあ、
念願の『エリザベート』で魅せる新たなトート像

1996年に宝塚歌劇で日本初演を果たし、今年で30周年を迎えたミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』が、8年ぶりに花組により再演される。本作は、19世紀末に実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后エリザベートの生涯を、黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いた物語。その独創的なストーリーと美しい旋律で彩られたミュージカル・ナンバーが多くの人を魅了し続ける、宝塚歌劇でも人気の一作だ。今作に向けての想いを、トップスター・永久輝(とわき)せあに聞いた。

『エリザベート』は、宝塚音楽学校を受験するきっかけにもなった作品だという永久輝。本作への出演は念願だった。「私にとって、高校生の冬頃に映像で拝見してから、タカラヅカにより深くハマって受験を決意したというぐらいの作品です。一度は『エリザベート』に出てみたいとずっと思っていましたので、今回花組で上演することが決まって素直にうれしかったです。ファン時代、何回もこの作品を観て楽曲を口ずさんでいたのですが、今、毎日その音楽の中に身を置いていることを、とても幸せに感じています」。

開幕を前に9月17日には宝塚大劇場で「前夜祭」が開催され、永久輝をはじめとする花組生が実際の衣裳をまとい、代表的なナンバーを披露した。「とても緊張しました。まだ役の全貌が見えていない中、少しでも役として成立した姿をお見せしたいという気持ちで臨んだのですが、お客様の熱量がすごくて、その集中力にこちらが引きずり込まれるような感覚がありました。初日より前にお客様にお見せできたということは、自分の中で糧になったかなと思っています」。

11番目のトートとして。役へのアプローチ

上演されるたび、歴代のトップスターたちが自身の個性を活かしながら作り上げてきたトート像。今回、永久輝はどう演じるのだろうか。「宝塚版では11番目のトートなのですが、歴代の方々の演じられるトートを拝見しても、それぞれに魅力があって。トート役に限らず、演じられる方の個性によって見え方も違えば雰囲気も変わる。その面白さが、作品の魅力のひとつでもあると思います。私の場合、演出の小池(修一郎)先生からは、少し繊細な部分や神秘的なイメージを感じるから、ひんやりした感じや、少しウェットな感じを意識しながら手をつかったり、目線を動かしたり、存在してみたらいいかもしれないねというアドバイスをいただきました」。

皇后エリザベートに強く惹かれ、彼女がトートの愛を受け入れるまで追いかけ続ける。トートを演じるにあたり、意識していることを尋ねた。「"死"という存在ですが、この作品においてはひとつの"キャラクター"であると捉えようと思っています。本当の"死"という概念を表現するわけではなく、エリザベートという女性に対してあるべき姿、恋をして過ちを犯すというところにもキャラクターとしての人間的な感情をすごく感じますので、"死"だからといって人間ではない、というわけではないのかなと。また、行き着くところは"愛"だと思っていて。"死"というものがエリザベートにとっては安らぎの場所、温かいものであるというところを表現できたらと思っています。ただ、最初から温かいものではなく、タブーを犯したり、人を誘惑したり、葛藤して傷ついたりと、トート自身も変化しながら辿り着く先がその温かい"愛"であればいいなと思っています」。

稽古場では、花組生全員が情熱を持って稽古に臨んでいると話す。「まず膨大な量のナンバーを歌いこなし、その上、セリフと動きがついて、お芝居にして気持ちも動かして。その中でしっかりとそれぞれのナンバーの音楽的な面白さ、リズム感、音楽の良さを伝えていくとなると、下級生までやるべき課題がたくさんある状態です。みんな意気込んでお稽古しているなと感じますので、花組生全員がこの作品をどう捉えて、どうチャレンジしていくか、私があまり方向性を示さずとも、みんなで作り上げていけたら。お客様には今の花組が作る『エリザベート』をぜひ楽しみにお待ちいただければと思っています」。

取材・文/黒石悦子




(2026年10月15日更新)


宝塚歌劇花組 宝塚大劇場公演
三井住友VISAカード ミュージカル
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』

©宝塚歌劇 Photographer/渞 忠之

▼10月17日(土)~11月22日(日)
宝塚大劇場
SS席-14000円 S+席-10500円 S席-8000円 A席-5500円 B席-3500円 
[出演]永久輝せあ/星空美咲/他
※3歳以上は有料。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売致します。興行主の同意のない有償譲渡は禁止されています。
[問]宝塚歌劇インフォメーションセンター■0570-00-5100

公式サイト
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2026/elisabeth/index.html