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ホーム > インタビュー&レポート > 「このタイミングでしか上演できない作品」 三浦大輔が作・演出を手掛ける最新作は、 “令和”を生きる40代の男女3人が居酒屋で繰り広げる会話劇 三浦とキャスト3人にインタビュー

「このタイミングでしか上演できない作品」
三浦大輔が作・演出を手掛ける最新作は、
“令和”を生きる40代の男女3人が居酒屋で繰り広げる会話劇
三浦とキャスト3人にインタビュー

三浦大輔の最新作『僕らの時代じゃない』が10月8日(木)に東京(紀伊國屋ホール)で開幕し、11月には愛知(穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール)、そして京都(京都劇場)で上演される。高校の同級生である40代の3人の男女による居酒屋を舞台としたワンシチュエーションの会話劇となる本作。キャストの森田剛、鈴木杏、峯田和伸と三浦が本作への思いを語ってくれた。

――三浦さんと峯田さんは何度かご一緒されていますが、森田さんと鈴木さんは初の三浦作品への出演になりますが、稽古が始まって印象はいかがですか?

三浦 3人の良い意味でデコボコしたバランスがとてもいいと思っています。書き始める前にお会いして、いろいろお話をしたので、その時の僕の印象は大いに取り入れたところはありますし、普段、活動している中でのイメージと重ねて書いた感じです。

森田 (三浦は)すごく丁寧な方ですね。みんなで共有して...というのをやってくれるし、三浦さんにもこの作品にもすごくエネルギーがあって、グッと引き戻すような力を感じます。

鈴木 最初はどういう感じで稽古が進むのかな? どんな方なのかな? と緊張していたのですが、「はじめまして」と思えないくらいリラックスして、共有できることをたくさん共有して、役者と一緒に並走しながらつくってくださるタイプの演出家さんなのかなという印象があり、安心感があるし、何かあってもすぐ聞きやすい、風通しの良い稽古場です。

峯田 僕は三浦さんとはこれまで3回やっていますが、今回は5年ぶりくらいで久しぶりなので三浦さんの稽古場に入って、独特の緊張感と「帰ってきたな」という感じがしています。

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――20年ぶりに再会する、高校時代はさして仲が良かったわけでもない同級生という3人ですが、関係性を構築するために特に意識してやっていることなどは?

鈴木 特に何もしてないですね。三浦さんも含めてみんなでご飯に行ったりはあったけど...この状況が、一蓮托生するしかないので(笑)、自然とそうなっていっている感じです。

峯田 4人ともタバコを吸うんですよ。1日に4~5回休憩があるんですけど、そこでちょっと話して...という感じですかね?

三浦 そこで話したら、飲みに行かなくてもいいくらいで。

鈴木 そうそう、意外とコミュニケーション取れるという(笑)。

森田 あんまり(意識して関係性を構築する)必要がないというか、三浦さんのセリフをぶつけて、それを受けて...というので、関係が築けているような気がしますね。

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――物語が展開する居酒屋という空間に関して、どのようなところに魅力を?

三浦 ひと言で言うなら「コンプラがない空間」ですね。何を話しても、誰にも自分の発言を干渉されない空間、という捉え方で居酒屋を選んだところがあって、「この舞台上で繰り広げられる会話には、コンプラはありません」という空間です。特に3人の関係性が、20年会っていなくて、あまり仲良くもなかったという関係で。その先の関係性を考えることなく話しているという状況なので、逆に言いたいことを言い合える空間ということで。SNSで発言する場と対照的な場という感覚――(居酒屋は)生身の人間と対話する空間であり、(SNSの)発言をしたら、いろいろ他人から干渉される空間と対比して「居酒屋」を捉えたというのはあります。

――キャストのお三方は、最近「僕らの時代じゃない」、自身が「時代と乖離している」と感じたことはありますか?

森田 喫煙所に行くと、若い方もたくさんいて、そういう時、「あぁ、いづらいな」と思って...(苦笑)。

鈴木 ちょっと肩身せまいんですよね(笑)。

森田 それくらいですかね?

鈴木 普段、友人とかも年上だったりするので、そこで時代間のギャップはないけど、たまに若い方のギャル語とか聞くと「そんな言葉があるんだ!」と思わされて、「ギャル語辞典がほしいな」と思っていたところです(笑)。言葉の使い方が全然違うからすごく興味深いなと思って。

峯田 僕は、人前に立って歌ったりすることを始めた20代の頃からずっと、「(時代に)そっぽ向かれてるな」という感覚があります。そこはいまも変わらないですね。

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――キャストのみなさんはそれぞれ初共演ですが、お互いの印象についてお聞かせください。

峯田 森田さんはお互いにお酒を飲まないという共通点もあるし、性格的な部分もあると思うんですけど、あまりたくさん話さなくても、勝手にわかり合えている感覚があるんです。それが今回、すごく嬉しいです。「この人、どういう人なんだろうな?」と知りたい部分もあるんですけど、知らない方がいい感じだなという感じです。鈴木さんは、役柄も含めて、最初はちょっとシャッターを下ろしているんですけど、(劇中で)だんだんお酒も入って開いていって、そこで鈴木さんがバーッと言ってくれるんです。僕も遠慮なくバーッと言える、それがすごく気持ちいいです。くすぐられます。

鈴木 (笑)。おふたりとも、ただそこにいるだけで醸している生き物としての面白さを圧倒的に持っているなと思って見ています。その種類が微妙に違うんですけど、峯田さんは、存在してセリフを言っているだけで説得力がものすごくあるし、森田さんは、場の求心力というか、引っ張っていってくれる力がものすごくあって、頼りになるおふたりだなと思って稽古しているところです。

森田 おふたりとは会う前から楽しみにしていて、会ってからも楽しいです。余計なこと考えないで、いまをとにかく楽しむ――ふたりを信じて、自分も信じてもらって最後まで行きたいという気持ちでいます。

――森田さんと峯田さんは、同世代ですが、もし同級生だったら、仲良くなれていたと思いますか?

森田 いま、この歳で会えたというのが...。

峯田 そこですね(笑)。

森田 あると思います。(10代だったら)違ったと思いますね。

――自主映画を撮りつつ、フリーターとして暮らす菅原(森田)、俳優の夢をあきらめて一人で子どもを育てながら暮らす里美(鈴木)、プロのミュージシャンを目指すもバンドが解散し、東京を離れて実家に戻り、会社員をしている今井(峯田)の3人による会話劇というのは説明されていますが、もう少し詳しくどんな役柄、ストーリーなのかを教えていただけますか?

森田 僕は自主映画の監督で...って、それくらいしか言えない(苦笑)。自分の事情や相手の事情を事細かく全部、本番中にしゃべっていて、そこの突っつき合いをしているので...。

三浦 もうちょっとお伝えしたいんですけど、もう一歩踏み出すとネタバレになっちゃうんですね(苦笑)。なんで3人が集まったか? というところからもうネタバレなので(笑)。

――では、役柄に関して共感を抱く部分はありますか?

峯田 良くも悪くもSNSが普及して、そこに対する憂いみたいなものは、ずっと持っているんですね、僕は。現代というのは便利なところもあるし、でもそれによって「どうなんだろうな、これ?」と同時に思ったりするけど、(自身が演じる)今井はそこにちゃんと葛藤していて、セリフを読んでいても、自分が思っていることが書いてあって「自分なのか? 今井なのか?」って錯覚を起こすこともあります。

鈴木 「一生懸命、生きてるよな...」という感じはすごくよくわかるし、いまの自分にはあまりないんですけど、(里美は)「何者かでなきゃいけないんじゃないか?」とか、「社会と自分」みたいなことをしっかりと捉えていて、役者を目指していて、諦めた人だから「何者かになりたい」という欲求がある人なんだなと感じていて。そこに関しては共感できるところです。

森田 何でしょうね? わかんないなぁ......。でも、三浦さんの言葉を言っていると「こういうこと、思っていたのかも、俺」みたいなことはいっぱいあるし、何が本当で何が嘘かわかんないなということも、今、いっぱいあるから。だからこそ、居酒屋で面と向かって言いたいことを言えて、本当の話ができる3人がいいなと思いながら、やっています。

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――最後に三浦さんから、作品を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

三浦 このタイミングでしか上演できない台本だと思います。内容的に再演もたぶんできないし、このタイミングじゃなきゃ、この感覚が味わえないという自負があります。演劇は、終わったらなくなっちゃうので、逃さずに来てもらいたいと心から思っています。

取材・文/黒豆直樹




(2026年10月 7日更新)


『僕らの時代じゃない』

【東京公演】
チケット発売中 Pコード:544-692
▼10月8日(木)~27日(火)
紀伊國屋ホール
全席指定-11000円 
※公演スケジュールは公式サイトをご確認ください。

【愛知公演】
チケット発売中 Pコード:545-189
▼11月7日(土)12:00/17:00
▼11月8日(日)12:00
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
全席指定-11500円

Pick Up!!

【京都公演】

10月11日(日)一般発売 Pコード:544-832
▼11月14日(土)13:00/18:00
▼11月15日(日)13:00
▼11月16日(月)13:00
京都劇場
全席指定-11000円 

[作・演出]三浦大輔
[出演]森田剛/鈴木杏/峯田和伸
※未就学児童は入場不可。ひざ上での鑑賞不可。営利目的の転売禁止。車いす席をご利用のお客様はチケットをご購入の上、事前にお問い合わせ先にご連絡ください。公演中止の場合を除き、チケットの払い戻しはいたしません。やむを得ない事情により出演者が変更になる場合もございます。出演者の変更による払い戻しは致しません。2枚でご購入されたお客様は、状況によっては連席でご案内できない場合がございます。予めご了承ください。チケットご購入の際には、ご自身の体調や環境をふまえご判断くださいますようお願いいたします。ご来場前に必ずオフィシャルサイトにて最新の情報をご確認ください。
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