ホーム > インタビュー&レポート > 宙組公演『黒蜥蜴』で桜木みなとが挑む、 危うく美しい名探偵・明智小五郎
5月23日(土)より、宝塚歌劇団宙組によるミュージカル・ロマン『黒蜥蜴』、スパーキング・イルミネイト『Diamond IMPULSE』が幕を開ける。
江戸川乱歩原作、三島由紀夫戯曲による名作を、生田大和が潤色・演出する『黒蜥蜴』。宙組トップスターの桜木みなとが演じるのは、名探偵・明智小五郎だ。美しき女賊・黒蜥蜴と対峙する中で、敵同士のはずのふたりがどこか惹かれ合っていく。その危うくロマンチックな関係性が、物語の大きな見どころとなる。
「明智小五郎さんが活躍するシリーズの中でも唯一、敵対する相手と恋に落ちて、危うくなりかけるというところが、『黒蜥蜴』の大きな魅力だと思います」と桜木。追う者と追われる者という関係でありながら、ふたりの間には対決では終わらない空気が流れる。
「春乃さくら演じる黒蜥蜴と、私の演じる明智がどう駆け引きを繰り広げていくか。その緊張感や美学を追求する姿を出せると、この作品の魅力がさらに深まると思い、今は必死に作っております。明智はとても知的で、普段あまり使わないような台詞で会話劇が進むのですが、その言葉へのこだわり、犯罪や謎解きに対しての好奇心や解決に至る過程への美学は常人離れしていると感じています」。
簡単に共感できないからこそ、明智は面白いと続ける。「今一番、模索しているところでもありますが、そうしたところが魅力だと思うので、そこを早く自分のものにしたいなと思っております」。
スーツ姿にも注目を。「男役としては、スーツの着こなしは大切」と桜木。ただし『黒蜥蜴』で目指すのは端正な姿だけではない。「パッと見たときに、かっこよく見せつつも、明智のくせ者である感じも出したいなと思います」。
役作りにあたって、東京・池袋の旧江戸川乱歩邸にも足を運んだ。「江戸川乱歩さんの生涯をたどり、お人柄にも触れさせていただきました。彼が作り上げた世界を、ルーツからたどれたことは、糧になる時間でした」。
過去にはさまざまなキャスト・演出で繰り返し上演され、宝塚歌劇では2007年に花組が挑戦した戯曲『黒蜥蜴』。今回の宙組公演では、宝塚歌劇ならではのロマンティシズムと、スケール感溢れる大胆な潤色で上演する。「今回は演出家の生田先生の独特な世界観もエッセンスとして加えてくださっているので、とてもロマンチックで、耽美な世界が繰り広げられるのではないかなと思っています。舞台セットにもご注目ください」。
第2幕のショー『Diamond IMPULSE』のテーマは「ダイヤモンドの輝き」。桜木は、作・演出の竹田悠一郎から「とにかくギラギラしてください」と言われたと語る。「今回、初舞台生も出るのですが、彼女たちはキラキラ担当。私たちはギラギラ担当ということで(笑)、輝きを出していきたいと思っております。振りにもダイヤモンドにちなんだものが散りばめられていますので、そういった部分もお楽しみいただければ嬉しいです」。
今作で初舞台を踏む112期生。稽古初日の彼女たちの姿が印象的だったと言う。「目をキラキラさせて、決まったばかりの芸名を一生懸命、自己紹介している姿や、規律正しい初々しさを肌で感じて、未来がすごく楽しみだなと思いました」。自身の初舞台の思い出を尋ねると、「初日にお客様の前で初めてパフォーマンスをして、拍手をいただいた時の感動が本当に忘れられません」と振り返る。客席からの拍手により、稽古の苦労が報われ、舞台で表現する喜びを教えてくれたという。
桜木は今の宙組を「一色にならない、さまざまな色の豊かな組」と表現する。ミステリアスな芝居、ダイヤモンドの輝きをまとったショーで、最新の宙組を堪能してほしい。
取材・文/岩本
(2026年5月22日更新)
▼5月23日(土)~7月5日(日)
宝塚大劇場
SS席-14000円 S+席-10500円 S席-8000円 A席-5500円 B席-3500円
[出演]桜木みなと/春乃さくら/他
※3歳以上は有料。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売致します。興行主の同意のない有償譲渡は禁止されています。
[問]宝塚歌劇インフォメーションセンター■0570-00-5100
公式サイト
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