ホーム > インタビュー&レポート > Sword Worksが名作『王子と乞食』の舞台を古代中国に置き換えた 『真贋之玉座』を上演
『真贋之玉座』の物語の印象を尋ねると、平宅は"変化"をめぐる複雑な人間のありようを挙げた。「前半と後半ではメインになる役が変わり、変われない人と、変わっていける人がメインになっていきます。人に何かを与えられて変われる人は、すごく変わると思うんですよ。でも、変わりたくても変われない人もいます。どっちがいいというわけではないですよね。変わったからといっていい方向に進むとは限らない。よくない方向に進むこともあるし、変わらないことが大事だったりすることもある。その中で、変わっていかなければいけない世の中というのもある。このジレンマのぶつけ合いを、会話で聞かせることもあれば、剣を交えて見せることもあります。そういうところを見ていただければ面白いかなと思います」。

立ち回りの場面では、殺陣師としてどういった指導をしているのだろうか。「対峙している相手との関係や、単純に敵同士の戦いなどもありますが、実際それだけではない展開もあります。例えば、もともと友達同士だったけど、違う国で育って、再会して、戦うことになって、相手を殺さなきゃいけない。そういう時に、殺したくないという思いを剣に交えてほしいとか、立ち回りをつける時にまず話します。殺陣では会話を交わしませんが、心の中でお互いに会話をしていると思ってほしいと伝えています」。
取材時はまだ本読み前のため、本公演の詳細は決まっていないが、キャストをどう配置するか思案を巡らせているという。「立ち回りでそれを考えるのが面白いですね。キャスティングされても、"このポジションは意外だった"と言う人もいます」。俳優の個性や奥深さなどを物語のなかでどう配置するのか。その見立てを楽しんでいるようだ。

また、殺陣の理想形をこう話す。「立ち回りが一手で終わることです。音もない緊迫感を保ったまま一刀で終わる。それはめちゃくちゃ難しいと思います。お客さんもその空気に飲まれていったらどうだろうなと思います。そういう緊張感がある殺陣が理想かもしれないですね」。
ソードワークスがプロダクションとして立ち上がって7年。この間、プロデュース公演も行ってきたが、Sword Works Presentsと銘打った本公演は初めてとなる。「ソードワークスという団体を知ってくれている人はいっぱいいて、"(ソードワークスで)公演はやらないの?"と言われてきました。今回、満を持してソードワークスの公演を打ちます! 期待値はめちゃくちゃ上がっていると思います」と平宅、気を引き締めた。
古代中国を舞台にしたスケール感たっぷりのエンタメ活劇『真贋之玉座』。ダイナミックな立ち回りはもちろん、芝居とアクションの両面でどんな熱を帯びて立ち上がるのか。華やかな活劇の面白さと人間ドラマの厚みを味わえる舞台になりそうだ。
取材・文:岩本
撮影:山田雄太
(2026年4月30日更新)