インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 大部屋役者たちが繰り広げる 人情満載チャンバラアクションエンターテイメント 『NUKIDO ~外から見るか芯から見るか~』 大阪公演が間もなく上演

大部屋役者たちが繰り広げる
人情満載チャンバラアクションエンターテイメント
『NUKIDO ~外から見るか芯から見るか~』
大阪公演が間もなく上演

チャンバラエンターテイメントOREGA PRESENTS 2026『NUKIDO ~外から見るか芯から見るか~』が東京、福岡、愛知公演を経て、3月14日、15日に大阪公演(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)を迎える。

福島カツシゲが作・演出を手がけ、2020年の冬にコロナ禍のさなかに上演され、好評を博した劇団プレステージ公演「浅草チャンバラ・メリーゴーランド」を、キャストを一新してスケールアップして上演する本作。

物語の舞台となるのは、とある撮影所。かつての時代劇全盛期には、毎日のように複数の時代劇が制作されていたが、いまは現代劇の撮影も行いつつ、なんとか存続している。作品にとって、華のある有名スターの存在はもちろん重要だが、本作が取り上げるのは、"仕出し"とも呼ばれる名もなき大部屋役者たち。時代劇における斬られ役や悪代官に町人、さらには現代劇の登場人物まで、彼らは求められれば、あらゆる役どころをこなし、撮影所で制作されるあらゆる作品を支えている。役名もセリフもないことが当たり前であり、金銭的にも恵まれているとは言えないが、それでも愛する時代劇のために身を捧げ、奮闘する彼らの日常が描き出されていく。

NUKID_2.jpg

そんなある日、「時代劇を勉強させてほしい」という新人俳優・リアル(立花裕大)が、見習いとして大部屋にやってくる。もっぱらトイレ掃除を任されるが、嫌な顔ひとつせずに真面目にせっせとトイレを磨き、たまに見せてもらう先輩俳優たちの殺陣に感動するリアル。そんな中、不朽の名作と言われる名作時代劇が新春特番としてリメイクされることが決定し、大部屋役者たちも「少しでいいから出たい!」とわき立つ。だが、剣の達人でもある野武士の主人公を演じることになったのは、ロクに刀を握ったこともない素人同然のリアルだった...!

「顔が良いだけのアイドルに何ができるのか?」、「時代劇をなめるな!」と、イケメンありきのゴリ押しキャスティングに怒りを覚える先輩の大部屋役者たち。リアルは、持ち前の"超"がつくほどの真面目さと素直さで、手のひらがボロボロになるまで刀を振り続けるが、いかんせん、撮影まで時間がない! だが、そんなリアルの姿に、先輩俳優たちは少しずつ心を動かされ......。

NUKID_5.jpg

主人公・リアルの成長物語として楽しめるのはもちろんだが、やはり本作の見どころは、一般の人間が知らない撮影所の日常を鮮やかに描き出している点。最近では、同じく撮影所を舞台にし、時代劇への愛情と撮影所(とそこで働く人々)へのリスペクトを描いたコメディ映画『侍タイムスリッパー』が低予算ながら大ヒットを記録し、話題を呼んだが、本作はタイムスリップという"飛び道具"なしで、大部屋に集う役者たちのドラマをコミカルに描き出す。

常に筋トレに勤しみ、時代劇を愛するがゆえに頑なに現代劇への出演を拒むマサを演じるのは笹森裕貴。経験不足の新人の抜擢に誰よりも反発し、リアルに対して厳しく当たるマサだが、そこには単なる嫉妬ややっかみだけではなく、自身が人生を懸けた時代劇への愛情、プライドがある。熱い思いを抱えたマサを笹森が好演している。

そのほか、借金取りに追われながらも高価な模造刀に金を注ぎ込むなど、若いながらも時代劇に魅せられたケンボー(石橋弘毅)、かつては自身も大部屋役者だったが、スタッフに転身し、助監督として日々の撮影に奔走するイッチャン(我膳導)、同じくかつては斬られ役を志すも、女性であるがゆえに叶わず、それでも時代劇を愛し、スタッフとして役者たちを支えるサヨさん(飯島直子)、そして、名もなき斬られ役であっても役作りを怠らず日々、鍛錬を続ける殺陣の第一人者・タニさん(村田雄浩)など、撮影所に集う個性豊かな面々の群像劇として楽しめる。

NUKID_4.jpg

そして、真面目すぎるほど真面目で、真っすぐなリアルを立花が見事に体現! 大部屋の先輩俳優たちの心情、己の経験不足、実力不足を痛いほど自覚しつつ、それでも自分にやれることをやるしかないと刀を振り続けるリアルの姿は観る者の胸を打ち、応援したくなる。一方で、先輩俳優たちのやるせない思いもよくわかる。撮影開始までに少しでも上達を...とリアルはタニさんに教えを請うのだが「殺陣は人に教わるものではなく、見て覚えるもの」とすげなく断られてしまう...。だが、どこが悪いのか? どう頑張ったらよいのかもわからない者はいったいどうすればいいのか――? 周囲の人々をも巻き込んでの、こうしたやりとりは、会社などでの自身の経験と置き換えて、しみじみと「わかる...」とうなずいてしまう人も多いだろう。リアルの気持ちに心を寄せる人もいれば、タニさんの心情に共感を覚えるという人も多いのでは? 

タイトルの「NUKIDO」とは、殺陣の技のひとつである「抜き胴」のこと。一歩間違えれば相手を大ケガさせてしまう大技だが、果たしてリアルと大部屋の俳優たちは、呼吸を合わせて抜き胴を決めることができるのか――? 

主人公を多くの敵が取り囲む、時代劇の花形とも言える大立ち回り。まさに副題の通り、輪の外側から見るか? それとも輪の中心(芯)から見るかで、見える景色は全く変わってくる。周囲の人たちの絡みが、芯の華麗さやカッコよさをより引き立てる。圧巻のクライマックスの殺陣は、そんな大切なことを教えてくれる。チャンバラへの愛が詰まった胸アツの舞台となっている。

『NUKIDO ~外から見るか芯から見るか~』大阪公演は3月14日、15日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。

取材・文/くろずなおき
撮影:渡部孝弘




(2026年3月10日更新)


OREGA PRESENTS 2026『NUKIDO ~外から見るか芯から見るか~』

チケット発売中 Pコード:537-881
▼3月14日(土)13:00/17:00
▼3月15日(日)13:00
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
全席指定-10000円 50歳以上プログラム付引換券-10000円 
[作・演出]福島カツシゲ
[出演]立花裕大/笹森裕貴/石橋弘毅/我膳導/葉山昴/河口博昭/三浦剛/西ノ園達大/村田雄浩/飯島直子
※3/14(土)13:00公演はスペシャル殺陣解説&来場者全員プレゼントあり。
※3/14(土)17:00公演はフォトセッション付きカーテンコールあり。
※3/15(日)公演は千秋楽スペシャルカーテンコールあり。
※未就学児童は入場不可。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売致します。興行主の同意のない有償譲渡は禁止されています。
[問]梅田芸術劇場■0570-077-039

チケット情報はこちら