ホーム > インタビュー&レポート > 大劇場で宙組新トップお披露目公演! 桜木みなとの王子様ぶりに胸キュン必至!
トキメキが大渋滞しまくる、自分のお気に入りの王子を見つけよう!
前作『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』では「SWORD地区」と呼ばれるエリアを舞台に、男たちの闘いと友情を多彩なキャラクターを織り込みながら描いた物語を見事、宝塚歌劇の世界観に落とし込んで魅せた。同作で桜木は「SWORD地区」の「R」である天涯孤独の者たちが集まる治外法権の無名街エリアの中で生きる"RUDE BOYS"のリーダー・スモーキーを演じていた。
今作では一転して"セレブ王子"という愛称を持つ、由緒正しい金持ち一家の御曹司、朱雀奏を演じる。「映画では朱雀をGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄(涼太)さんが演じておられ、まさに王子様を体現されていました。そのディズニー作品に登場するプリンスのような雰囲気を大切にしています。また、パーソナルな部分も私なりに深掘りしながら、"風格のある正統派の王子様"という点にこだわって、今回のセレブ王子像を作っていけたらと思っています」。
舞台は、セレブたちが通う聖ブリリアント学園。父親から「初恋の人の娘」の様子を見てきてほしいと頼まれ、学園を訪れた朱雀は、目的の娘である、春乃さくら演じる成瀬果音に一目惚れ。しかし彼女は複雑な事情を抱えており、その問題を解決するため奔走すると同時に、3年に一度開催される『伝説の王子選手権』に参加することに。そして、学園内に数多存在する"王子"たちと本物の"王子"の座を勝ち取るべく、かつてないバトルが繰り広げられる。「今作のキャッチコピーが"トキメキが大渋滞!"なんですが、いろいろな王子が、大渋滞するがごとくたくさん登場しますので、ぜひ"お気に入りの王子"を見つけて、応援していただきたいです。そして"トキメキ"ということで胸キュン技もたくさん繰り広げられます。映画でもそういった場面がありますが、私たちは劇場サイズでお見せしますので、どうすれば胸キュンがお客様に伝わりやすいかを研究しながら、日々お稽古の合間にも壁ドンや、お姫様抱っこなどの見せ方を模索しています(笑)」。
幕開けから想像の上をいく、港町を舞台にしたレビュー
第二幕の『BAYSIDE STAR』は、フランスのマルセイユ、アメリカのサンフランシスコ、日本の神戸など世界の港町を舞台にしたショー作品。「作・演出の齋藤(吉正)先生が初めて構成を説明してくださった時に、私も含め、みんな"ワッ"と驚いたくらい、幕開けから想像の上をいく始まりになっていまして、ぜひとも劇場でご覧いただきたいと思います。内容はポップな場面もあれば、シックな雰囲気のシーンもあり、メリハリのある展開になっています。世界各国の港町が取り上げられていますので、それぞれの魅力を感じながら楽しんでいただければと思います」。
今年6月開幕の東急シアターオーブ公演『ZORRO THE MUSICAL』で、新トップスターとしてお披露目。今回はホームグランドである宝塚大劇場でのお披露目公演となる桜木に、改めて意気込みを聞くと「トップになるというお話をいただいた時は頑張っていかなければと、身の引き締まる思いでした。『ZORRO THE MUSICAL』のときは、とにかくひたすら作品と向き合い、お客様に楽しんでいただこうという気持ちで進んでいました。そして公演を重ねる中で真ん中に立つということを徐々に見つめるようになり、自分にとって、とてもいい機会だったと思います。今回は大劇場で、フルメンバーでの公演となります。もちろんトップとして引っ張っていかなければいけないという思いはありますが、それ以上に、みんなからも一緒に進んでいこうというパワーを日々受け取り、全員でこの作品を作っていることを実感しています。一人ひとりの個性が溢れている組だと改めて思いますし、それらを活かした"輝き、きらめく組"というのを全員で一緒に作っていけるように頑張りたいと思います」。
取材・文/仲谷暢之(アラスカ社)
(2025年9月16日更新)