ホーム > インタビュー&レポート > ハムレット、マクベス、オセロー、リア王 悲劇の主人公たちが頂上決戦 男肉 du Soleilの新作、4都市で上演!
20年分のメモリアルなダンスを見ていただきたい
『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』といえば、言わずと知れたシェイクスピアの四大悲劇。その主人公たちが一堂に会する前代未聞の舞台、それが男肉du Soleilの「悲劇EXPO2025」だ。誰が一番悲劇の主人公なのか? 古今東西の悲劇が集まる「悲劇EXPO」でそのバトルが繰り広げられる。「日々生活していて、正直あまり楽しいニュースってないですよね。この社会に対する思いから、とことん悲劇をやりきったらどうだろうと思ったんです。今を生きる若者たちが、まず悲劇を知り切った後で、世の中を強く生き抜く力が手に入るんじゃないかと。人って、今辛いのは自分だけだって思いがちというか。劇団やってるときも、"自分だけ頑張ってない?"って思う時があるんですよ。悲劇の主人公ヅラしちゃう時が。その最たるものって、ハムレットとかの悲劇の主人公で。そんな人たちが集まって、ダンスやラップでバトルして、誰が一番悲劇の主人公なんだっていう争いをしているうちに、どうにか逆転させて生きる活力を与えられるものになればと。まさにEXPOのような、いろんな人が集まるごちゃ混ぜの物語になればと思います」。
20年間で踊ってきたダンスを"いいとこどり"で構成しているという今作。ゆえに、40歳前後となった劇団メンバーたちは、これまで感じたことのない"しんどさ"に直面しているという。「これまで踊ってきたダンスを思い出せる限り全部出してみたら、レパートリーが80曲ほどあったんです。せっかくなので、その中から"いいとこ"を集めてメモリアルなダンスをたくさん作っていこうとしたら......サビばかりで、息を整える間もない、めちゃくちゃしんどいダンスが出来上がってしまって(笑)。みんなが弱音を吐き始めています。メモリアルでありながら、前人未踏の心拍数が記録されるんじゃないかと思っています。これまでも"踊りまくって燃えカスになっていく人間"を見せてきましたが、今回は本当に燃え尽きるんじゃないかと。ダンスカンパニーとはいえ、普段から本格的にダンスをやっている集団ではないので、40歳前後のおじさんたちがここまで燃えカスになる姿は、なかなか見られないと思います。20周年分のメモリアルなダンス、ぜひ見ていただきたいです」。
さらに、シェイクスピア悲劇の内容がサクッと分かるラップにも注目だ。「『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』に加えて、『ロミオとジュリエット』もシェイクスピアの悲劇として取り入れる予定です。シェイクスピアの作品を知らない人でも楽しめるように、5作品それぞれを3分程度のラップでまとめて紹介する時間も作っています。気軽にラップを聴いているだけで、シェイクスピア作品の内容が分かるようになっています」。
根っこにあるのは底抜けのハッピーエンド
アラフォーおじさんの濃い~熱量を今まで以上にぶつけます
悲劇の主人公が集う「悲劇EXPO」と言えど、最終的にはハッピーエンドで終わるのが男肉のスタイル。感じてほしいのは男肉が放つその熱量だ。「やっぱり、劇的にハッピーに終わりたいと思っています。大団円で終わるのが男肉 du Soleilの使命だと思っているので。今回、自分たちのような、売れていないアラフォーの劇団も登場させるのですが、ただ悲哀を感じさせるのではなく、ジーパン上裸で踊り続けていたら4都市でも公演できるし、めちゃくちゃ楽しくやってるんだぜ、という僕らの情熱を出そうと思っていて。"頑張ってる"のを知ってほしいわけじゃなく、熱く面白いことをやるためにめちゃくちゃ盛り上がってるんだぞという、アラフォーのおじさんたちの濃い~熱量を今まで以上に作品内でぶつけたいと思っています」。
今回上演する愛知と高知は、劇団にとって初めて訪れる土地となる。20周年という節目に挑む、原点回帰のチャレンジだ。「名古屋も高知も、特に知り合いがいるわけではないんです。でも、昨年の公演が終わった後、メンバーから"新しい土地に行きたい"という声が上がって。劇団を立ち上げて初めて東京に行った時の、"やるぞ!"というドキドキ感というか......そういうワクワクした気持ちを思い出したんです。赤字にもならないけど、大きく黒字になるわけでもない、そんな"ふわっとした"状態ではなく、勝負に出ることの熱さを取り戻したいと思っています。新しい土地で、男肉 du Soleilをバチッと決めようぜ、という気持ちですね」。
汗だくになりながら、苦しくも笑顔で踊り続ける団員たち。そんな"暑苦しいほどに熱い"パフォーマンスは、一度見ると病みつきになる人も多い。「ジーパンに上裸、チラシのデザインも癖が強くて、ちょっと怖そうなイメージを持たれがちですが、根っこにあるのは"底抜けのハッピーエンド"。とにかくたくさん踊って、みんなを楽しませたいという気持ちでやっているエンタメ集団です。ストーリーはとても分かりやすいですし、"決して上手ではない芝居"と"ノリやすい音楽"でブンブン振り回すダンス。そして、ラップを交えながら飽きさせないように物語を伝えていく。最後には必ず"全員が死んで生き返る"という、おなじみになっている構成まであって、もはや伝統芸能になりうるパターンでやっています(笑)。初めて観る方も、何度も観ている方も楽しめる作品だと思うので、初めて訪れる愛知や高知のお客さんにも、ぜひ男肉 du Soleilを体感してもらいたいですね。パクチーみたいに"お口に合わない"人もいるかもしれませんが、合えばハマります。味わえばわかる楽しさが、きっとあると思っています」。
(2025年7月23日更新)
チケット発売中 Pコード:534-805
▼8月1日(金) 19:00
▼8月2日(土) 13:00/18:00
▼8月3日(日) 13:00
布施PEベース
〈自由席〉一般-4000円(整理番号付) 学生-2000円(整理番号付、要学生証)
▼8月9日(土)18:30
▼8月10日(日)13:00
うりんこ劇場
〈自由席〉一般-3000円(整理番号付) 学生-500円(整理番号付、要学生証)
▼8月22日(金) 19:00
▼8月23日(土) 13:00/18:00
▼8月24日(日) 13:00
小劇場B1
〈自由席〉一般-4000円(整理番号付) 学生-2000円(整理番号付、要学生証)
Pコード:553-597
▼8月29日(金)19:00
▼8月30日(土)13:00
高知県立県民文化ホール グリーンホール
〈全席自由〉一般-4000円(整理番号付) 学生-500円(整理番号付)
[脚本・演出]池浦毅
[出演]江坂一平/小石直輝(8/3のみ)/高阪勝之/城之内コゴロー/すみだ(大阪・東京公演のみ)/チェン/吉田みるく/佐々木ヤス子(サファリ・P)/御厨亮
※未就学児童は入場不可。
※各公演終演後「アフターパーティー」あり。
[問]odsticket029@gmail.com
詳細はこちら
https://kansai.pia.co.jp/invitation/stage/2025-07/onikudusoleil.html