ホーム > インタビュー&レポート > ガラパ×ゴジゲン、福岡発のドリームタッグに注目!
―松居さんと椎木さんは、長い付き合いだそうですね。
椎木:僕も松居くんもヨーロッパ企画のファンで、それぞれ福岡や京都で公演の手伝いをしていました。松居くんと初めて会ったのは、ヨーロッパ企画の福岡公演の楽屋です。ふたりとも20歳前後で、まだ劇団を始めるか始めないかの頃でした。ガラパの作・演出家で今回の脚本を担当する川口さんは、同じ高校演劇部の2年先輩、音楽の小山田さんは1年先輩です。「いつか福岡で、4人一緒に作品をつくりたい」というのがずっと僕の夢だったんです。
松居:出会った頃はお互い何者でもなかったけど、どちらも東京と福岡で演劇を辞めずに続けてきたから、こうして合流できたんだと思います。川口くんの脚本は登場人物みんな愛すべきキャラクターで、今回も笑えてグッとくるハートフルな作品になりそうです。ただ、僕としては、それを行儀よくまとめるような演出はしたくないな、と。だから、演出ではあえて脚本に寄り添わず、"お客さんをしっかり刺しに行ける"ように、舞台装置にもこだわりたいと思っています。
椎木:美術の打ち合わせをしたとき、僕と川口さんでは考えないようなアイデアが松居くんから出てきて驚きました。川口さんの脚本が松居くんの演出でどう変化していくのか、これからますます楽しみです。
―出演者も福岡にゆかりのある方たちばかりですが、田島さんとの出会いは?
椎木:(田島)芽瑠ちゃんとは、2022年に福岡の舞台(「山笠キックボーダーズ」)で初めてご一緒させてもらいました。その時の芽瑠ちゃんの演技への熱量と真摯な姿勢が印象的で。今回もぜひ一緒にやってほしいと思い、出演をオファーしました。
田島:セリフの掛け合いで刺激し合える、舞台のヒリヒリした空間が大好きなんです。だから、椎木さんからオファーをいただいた時は本当にうれしかったです。故郷の福岡でつくる演劇に出演させていただけるだけでなく、その公演を大阪や東京にも届けることができる貴重な企画に参加できて、とても光栄に思っています。それに、HKT48を卒業してから大阪に行くのは、この公演が初めてになるんです。関西に住んでいるファンの方々も喜んでくださって。久しぶりに大阪でファンのみなさんとお会いできるのを今から楽しみにしいます。
―ヨーロッパ企画の酒井善史さんも出演されますね。
椎木:はい。ヨーロッパ企画は、今回の公演に絶対欠かせないと思いまして、お忙しいなか酒井さんに出演していただけることになりました。上田さんにも公演チラシのコメントをいただいて感謝しています。松居くんと芽瑠ちゃんもそうですが、今回参加してくれるメンバーに共通しているのは「福岡が好き」ということ。稽古から福岡公演までの3週間、福岡で一緒に街の空気や美味しいものを味わいながらつくるので、僕らが思う以上に「福岡らしい」舞台になるのではないかと思っています。
松居:福岡だけでなく、福岡の外から福岡を見たことがある福岡に縁のある演劇人も集まるので、より「福岡らしさ」の純度を上げられる気がしています。だから、ある意味、大阪や東京のお客さんが馴染みのないような、福岡の独特さで驚かせる部分があってもいいのかなと(笑)。
田島:個人的には、福岡の制作陣の熱意に感動しています。U25チケット(3500円)など演劇を鑑賞しやすいサービスや、アフターイベントもすごく充実しているんですよ。この作品が、たくさんの方に演劇の面白さを知っていただける機会になるように、日々変化している福岡の街から演劇の新しいスタイルをお届けしたいと思っています。
「ストーリーと世界観を伝える大きな要素にもなっている」という主題歌とのコラボも楽しみな『見上げんな!』。ガラパらしいハートフルなコメディ劇を、ゴジゲンの松居大悟がどう料理するのか? 徹底的に純度を高めた"福岡発エンタメ"の先に見えてくるものとは...? この春、彼らが日本の演劇界に巻き起こしてくれそうな突風に期待したい。
取材・文/大迫章代
撮影/田中紀彦
(2025年3月28日更新)
三月(みづき)は映像作家を目指す元アイドル。なかなか活路が見いだせずにいるある日、故郷の福岡から「バンドのMVを撮ってほしい」とDMが届く。数年ぶりに帰郷した彼女を待っていたのは、ボーカルの失踪で活動停止中のおじさんバンド。しかも、彼らはそんな依頼をした覚えはないという。映像作家としてなんとか道を切り開きたい三月は、空中分解中のメンバーを説得し、MVを撮るため、福岡の街を奔走することに…。才能ある誰か、自分より優れた何か。地方だから、都会だから…。ずっと何かを見上げてきた人々が繰り広げる群像コメディ。
▼4月4日(金)~4月6日(日)
福岡市民ホール 中ホール
チケット発売中 Pコード:531-651
▼4月17日(木)19:00
▼4月18日(金)14:00/19:00
▼4月19日(土)13:00/18:00
▼4月20日(日)13:00
近鉄アート館
中央ブロック前列指定席-7000円
一般指定席-6000円
U25席(25歳以下限定)-3500円(当日座席引換券/要身分証)
[脚本]川口大樹
[演出]松居大悟
[音楽]小山田壮平
[出演]椎木樹人/古賀駿作/千代田佑李/青野大輔/富永真由/東迎昂史郎/善雄善雄/神田朝香/田島芽瑠/多田香織/向野章太郎/酒井善史
※4/17(木)公演終演後、小山田壮平ミニライブあり。
※4/18(金)14:00・19:00公演終演後、アフタートークあり。
※4/19(土)18:00公演終演後、生コメンタリーあり。
※未就学児童は入場不可。
※U25席は当日座席指定券となります。当日、チケット売場にて身分証をご提示の上、座席指定席券とお引換えください。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888