ホーム > インタビュー&レポート > 再び志賀直哉がメイン&小林多喜二初登場! 舞台「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏」
――シリーズ7作目ということで、今作への出演が決まったお気持ちをお聞かせください。
谷:「文劇」の初演時、きっと人気コンテンツになるんだろうなという期待と不安とワクワクした気持ちがありました。その後、第2弾で白樺派を軸に公演をしたとき、武者小路実篤役の杉江大志と取材していただいたことがあって、「俺達が次に繋げるための一番プレッシャーがかかる順番だね」と言っていたんです。今回7作目ということで、「ここまできたんだ」という想いと、僕は第2弾からしばらく出演していなかったので、また志賀直哉として帰ってこられた嬉しさが大きかったです。
――今回また志賀直哉がメインになると聞いたときは?
谷:プレッシャーを感じました。前回出演した5年前より体はきっと動かないだろうし。それも大志と話していたんですよ、「次は小林多喜二とか出るから、きっと泰江くんとかが頑張るんだよ」と言っていたら、台本を読んだら志賀がガッツリ戦っていました(笑)。でも、メインで描いていただいて本当に有り難いことです、頑張ります(笑)。
――泰江さんは「文劇」シリーズ初出演となります。
泰江:シリーズについて知ってはいましたが、自分が舞台「文豪とアルケミスト」に関われると思っていなかったので、お話をいただいたときは嬉しかったです。
――これまでの反響は?
谷:いまだにファンの方から「"文劇"に出てほしい!」という声がたくさんあって。
泰江:すごいですよね! 『文アル』と「文劇」 のファンの方って熱狂的ですよね。
谷:そう、すごく熱狂的。それだけこの作品にファンの方がついてくださっているのを感じるのと、その分期待値もとても高いと思うので、もし「期待を上回ってこなかった」と思われたときの不安もあります(笑)。シリーズの回数を重ねる度に皆さんの期待値も高くなっていくと思うので、それを超えるようにカンパニー一丸となって闘っていかないといけないと思っています。
――泰江さんも『文アル』のファンは熱狂的だとすでに感じているんですね?
泰江:すごく実感しています。SNSなどの反響が本当にすごいな!と。
谷:小林多喜二なんか特に注目度がすごいんじゃない?
泰江:やっぱり7作目まで続いていることは本当にすごいことだと思うので、それほど愛されている作品なんだとは思っていましたが、小林多喜二を演じる、「文劇」に出るということを、むしろ僕よりもファンの方々のほうが喜んでくださっているくらいだったので、ここまで創り上げてきたものがあるんだなと感じました。
――谷さんは、これまで志賀直哉を演じてきてどのような人物だと捉えていますか?
谷:ツンデレというか、心を許した相手にはどんな表情でも見せるけれど、外の人には貴族階級である自分という姿を見せないとダメな人なのかな、と。それが彼の中では良く作用することもあるし、仇となることもあるだろうし。ただ、とても感情豊かで熱い男だなと僕は意識しています。
――小林多喜二は「文劇」初登場キャラとなりますが、泰江さんから見た現段階での印象は?
泰江:キャラクターを見た瞬間、カッコイイ!と思ったのと、闇を抱えていそう、と思うビジュアルでした(笑)。そして『文アル』のキャラクターがどのくらい実在の人物とリンクしているのか僕自身はまだ探っている最中なんですけど、小林多喜二はちょっと個性的な人だなと。
谷:すごく面白いよね。
泰江:とても壮絶な人生で、言いたいことを言うことが難しい時代に、言い続けられる信念は何なんだろう?と。そういうところから探っていかないといけないんだろうなと思いました。良い意味で、変わったことを続けられるという熱量はいいなと思いますね。
――志賀直哉と小林多喜二はお互いを尊敬する友人関係ですが、舞台上でどんなやり取りを期待しますか?
泰江:でも、実際は小林多喜二さんと志賀直哉さんってほぼ手紙のやり取りだったようなので、それも面白いですよね。小林多喜二さんからすると、孤独な中でわかってくれると思える人がいるって、その存在ってすごいんだろうなと。
谷:志賀さんは世間から距離を取られるような作品に対して、好意的な意識があったんでしょうね。だから、小林多喜二からすると「響いてくれる人がいたんだ!」と拠り所にもなっていたのかなと思います。
泰江:志賀さん、すごい人格者ですよね。めっちゃカッコイイと思う。
――お二人は初共演となりますが、お互いの印象はいかがですか?
谷:会ってみて安心しました。共通の知り合いに、「今度泰江くんと一緒なんだよね、どんな子?」と聞いたら、「めっちゃ良い子!」と言われて安心はしていたんですけど、実際に会って喋ってみたら、ちょっと抜けてるところもあるけど、すごく良い子でした(笑)。でも、ちゃんと意思もありそうで。
泰江:僕も優しい人!とすぐに思いました。初めましてでとてもお優しい方だと感じたので、その印象はたぶん志賀として見ても変わらないものがあるのかなと思いましたね。だって初対面で一番最初の会話が犬の話だったんですよ。もう会話の入口が可愛いじゃないですか。
谷:あははは! 犬好きに悪い人はいない、みたいなね。
泰江:もうこんな安心する会話の入口ないです(笑)。「犬飼いました」みたいな話で、これが初めての会話かぁ!と思って。でも、志賀直哉と小林多喜二だってそんな他愛もない話からしたかもしれないし。
谷:僕は役者って板の上に立ったらみんな一緒だし、それこそいろんな場所から集まってきて同じ場所で闘っている役者という職業で、年齢関係なく"同じ人間"と思えちゃうんですよね。1歳、2歳差なんて同い年だし、10歳違っても板の上ではそんなこと思わないじゃないですか。その人物としての精神年齢が大事というか、それが面白い仕事だなと思います。楽しんで一緒に上下関係なく分け隔てなく同じ仲間としてやっていけたらいいなとずっと思っているので、いろんな会話ができたらいいですよね。
泰江:あと出身地が一緒なんですよね! すごすぎて! ちょっと今回頑張れるかも(笑)。
――また、「文劇」はシリアスな大筋のストーリーがありながら、コミカルなシーンもあるところが魅力だと思います。
谷:それは平野良さん(太宰治役)と杉江大志(武者小路実篤役)と和合真一(江戸川乱歩役)がコミカルにしていくんです。僕らじゃないですよ、彼らが勝手にやっているです(笑)。
泰江:勝手に!?
谷:勝手に遊んでいて、それに僕らは巻き込まれているだけです。
――良いメリハリになっていますよね! 今回も杉江さんがいらっしゃるので。
谷:だからそこが一番怖いです(笑)。彼がどんなものを出してくるのか......。泰江くんも舞台上で一緒のときは気をつけて(笑)。
――「文劇」はアクションシーンも多いですよね。先程は少しゆっくりしたいとおっしゃっていましたが(笑)。
谷:台本を読む前に、僕と大志と里見弴役の澤邊寧央と話していて、「たぶんきっと今回は有島兄弟が前に行くんだよ。俺と武者(武者小路実篤)は後ろで控えて色々会話して、バックアップする側だよね」と予想していて。「やっぱ若手が前に行かないとさ!」みたいに言ってたのに、最前線いってるなって(笑)。でも、これまでも同世代のメンツがめちゃくちゃ動いていたので、今回もそれ以上行かないとダメなんだろうなと覚悟しています。だけど、多喜二も頑張ってくれるので、もう乙女な心で守ってもらおうと(笑)。
泰江:いやいや。谷さん、めっちゃ殺陣上手いと聞いたので教えてくださいね!
――小林多喜二は今回初登場なので、どのような戦い方をするのか、皆さん楽しみな部分だと思います。
泰江:それはどうなるのかな? と考えながらやっていきたいですし、殺陣をするのが久々なので、ずっと溜め込んだものが良い意味で小林多喜二という役に乗せてお披露目できたらいいなと思いますね。
――泰江さんのファンの方にも楽しみにしていただきたい部分ですね。
泰江:それはもう、惚れてください(笑)。
谷:惚れてください、推してください(笑)。武器もすごいしね。重かったでしょ?
泰江:重かったです! 重いのに柄は細いっていう。
谷:「文劇」の武器は重いんだよね。
泰江:でもそれは嬉しいです。役者側からすると軽すぎるよりテンションが上がります。
――では、楽しみにしている方に見どころと意気込みをお願いします。
谷:今回はもう小林多喜二が一生懸命頑張るので(笑)。
泰江:ここまで読んだ人は今回志賀直哉が頑張るんだろうな、と思っていそうなのに(笑)。
谷:その頑張った志賀直哉を助けるのが小林多喜二だから、やっぱり一番頑張ってもらわないと(笑)。あと、白樺派が揃うというところも注目してもらいたいです。新たな文豪の立ち振る舞い方なども含めて「文劇」を余すことなく楽しんでいただけたらと思います。
泰江:今回は志賀直哉が頑張るということで(笑)。
谷:いやいや、やめて(笑)。
泰江:追いつけ追い越せで頑張りたいと思います。白樺派の4名が揃うのも初なんですよね。最初に出たビジュアルも完成度が高くてインパクトがすごかった。やっぱりキレイだなと思うし、衣装も細部までこだわられていてめっちゃカッコイイなと僕も思ったので、それを見るのがすごく楽しみです。そこにどう他の文豪たちが関わっていくのか、楽しみにしていてください!
――今後に繋がる期待感もあったり......。
谷:確かに、今後に絶対繋がって行くよね。
泰江:今後に繋げていきましょう! 僕は初めて参加しますが、今作が一番良いと言ってもらうために来たと思っているので。これはもっと続くな、と思ってもらえるように頑張りたいとは思っています。
谷:本当にそうだよ! 控えている文豪がまだまだいるからね! だから、僕たち次第だよ。プレッシャーがやばいよね。
泰江:あ、そう言われると......(笑)! でも、大事にやらせていただきたいと思います! そして今回京都公演もあるということで。
谷&泰江:おいでやす。ということで、ぜひ応援お願いします!
取材・文/能一ナオ
撮影/森 好弘
ヘアメイク:太田夢子(earch)、神田愛美(earch)
スタイリスト:小林洋治郎
衣装協力:
【谷佳樹】シャツ/Casper John/Sian PR
【泰江和明】シャツ/wizzard/TEENY RANCH
ブルゾン/CULLNI/CULLNI FLAGSHIP STORE
パンツ/CULLNI/CULLNI FLAGSHIP STORE
他スタイリスト私物
(2024年5月20日更新)
▼6月6日(木)〜6月16日(日)
シアターH
チケット発売中 Pコード:525-764
▼6月21日(金)18:00
▼6月22日(土)12:30/17:30
▼6月23日(日)12:00/17:00
京都劇場
全席指定-10500円
[出演]
志賀直哉:谷佳樹
武者小路実篤:杉江大志
有島武郎:杉咲真広
里見弴:澤邊寧央
石川啄木:櫻井圭登
高村光太郎:松井勇歩
広津和郎:新正俊
小林多喜二:泰江和明
[アンサンブル]
町田尚規
多田滉
山口渓
田中慶
石澤友規
松崎友洸
山田隼人
杉山湧哉
[スウィング]大嶌幸太
[原作]「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES)
[監修]DMM GAMES
[世界観監修]イシイジロウ
[脚本]なるせゆうせい(オフィスインベーダー)
[演出]吉谷晃太朗
[音楽]坂本英城(ノイジークローク)
【京都アフタートークショー】
6月21日(金)18:00 「新文豪談義・改」
登壇者:石川啄木役 櫻井圭登/高村光太郎役 松井勇歩/広津和郎役 新正俊/小林多喜二役 泰江和明 ゲスト:平野良
6月22日(土)17:30 「白樺派座談会」
登壇者:志賀直哉役 谷佳樹/武者小路実篤役 杉江大志/有島武郎役 杉咲真広/里見弴役 澤邊寧央
※未就学児入場不可。
※営利目的の転売禁止。
※公演中止を除き、払い戻しはいたしません。予め御了承下さい。
※車いす席をご利用のお客様はをご購入の上、事前にお問い合わせ先にご連絡ください。
※お席の場所によりましては舞台・映像・演出の一部で見えづらい箇所がございます。
※出演者及び公演スケジュールは予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
※この物語は、フィクションです。実在する人物や団体、政治、宗教、出来事等とは一切関係ありません。
[問]公演事務局■0570-200-114
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