ホーム > インタビュー&レポート > 大阪・南海浪切ホールにて独演会を開催! 春風亭一之輔インタビュー
――『笑点』新メンバー、就任おめでとうございます!
全然めでたくないですよ! 仕事です!! 落語家がみんな『笑点』に出たいと思ったら大間違いですからねっ!!! 特に大阪の人は全然好きじゃないでしょう? 誰も見てないでしょう??
――就任発表当日まで、家族にも言ってはいけないというのは本当なのですか? また、『笑点』メンバー就任発表後の周囲の反応は?
「絶対に言っちゃダメ‼」と(TV局のエライ人から)脅されていたので、家族にも言ってはなかったです。家族からは「なんか、大変だねぇ」と言われています。何が大変かって? これで(世間様に)顔がバレてしまったので、立ち小便もできないです!...まぁ『笑点』に出ていなくても、立ち小便はダメなんですけど...。とにかく、番組出演をきっかけに、まだ落語を聴いたことがない人に「落語の楽しさ」を知ってもらいたいですね。
――最も忙しい落語家の一之輔師匠。昨年はどれくらいの全国公演、高座に上がられましたか? また、持ちネタが群を抜いて多いと思いますが、現在はどれくらいのネタをお持ちですか?
昨年は、全国では30カ所くらいやらせていただきました。高座に上がった数は数えてはいないですが... たぶん920席くらいはしゃべらせてもらいましたね。持ちネタは、3万8千2百56!のうち、すぐできるのは250くらいです(笑)。――ズバリ「関西と関東」のお客様の違いはありますか?
意外と大阪の人の方が「違い」について聞きたがりますよね(笑)。僕はあまり違いを感じないです。一之輔を聴きに来ていただいているお客様ですので、大阪も東京もお客様のテンションや笑いドコロは同じです。
――2020年のコロナ禍に開設したYouTubeチャンネル。10夜連続生配信はとても話題になりましたが、始められたきっかけは?
寄席が急に休みになったので、最初は「仕事もないし楽だなぁ」と思ってしまったのですが(できれば働きたくない側の人間ですので)、一気に噺す機会がなくなってしまって...。そんな時に「YouTubeをやってみませんか?」と声をかけていただいたのです。当初は、落語をやる予定はなかったのですが、「折角なら落語をやらせてください」とお願いしました。お陰様で、たくさんの方に落語を聴いていただける機会になりました。
春風亭一之輔チャンネル https://www.youtube.com/@user-em7sy9gs1h
――2020年ご出演時、会館宛てに頂いたサインのお言葉がステキでした。
「命までとられるわけじゃあるまいし」
よく色紙に書く言葉なんですよ。経験上、思い悩んでも、案外やめちゃえばなんとかなることもある。"逃げる"というのも大事なことだと思います。辛い時、ずっとそこに思い止まらなくても、逃げてしまえばやり直しはききます。こんなことを言っていると「ちゃんとしろ!」と怒られるのですが、殺されるわけではないので(笑)。そんな感じでのんびりと生きたいなぁと思っています。
(2023年4月27日更新)