ホーム > インタビュー&レポート > 「歴史に名を残すくらいの覚悟で臨みたい」 舞台『キングダム』主演・高野洸にインタビュー
――大ヒットしている漫画『キングダム』が舞台化されること。そして、ご自身が信を演じるということ。それを聞いた時の最初の感想をうかがえますか?
びっくりしました(笑)。『キングダム』を舞台化するということもですし、そこで僕が主人公を演じさせていただくということもですし。大きな作品の初舞台化ということで、結構高いハードルではありますけれど、素直に嬉しかったです。信という役は、性格的にもまっすぐ上を目指していくキャラクター。僕も頑張って歴史に名を残すくらいの覚悟で臨みたいです。
――ご自身は、大きな舞台で燃えるタイプですか? それとも緊張を慎重さに替えていくタイプですか?
見てくださる方が多ければ多いほど、圧倒的にテンションが上がりますよね。お客さんひとりひとりから受け取るエネルギーって大きいんですよ。舞台でもライブでも、その全員に何かを届けようって思うと、自然とこっちもテンションが上がります。
――高野さんにとっては初のWキャストで、しかもその相手がミュージカル『刀剣乱舞』で兄弟刀という関係性の三浦宏規さん。縁を感じますよね。
そうですね。彼とは何度も共演していますし、「ミュージカル『刀剣乱舞』髭切膝丸 双騎出陣~SOGA~」というふたりでメインを張る公演では、お互いにボロボロになりながら頑張った戦友でもあって。宏規がミュージカル『レ・ミゼラブル』のような海外ミュージカルの舞台に次々と挑戦している姿は、素直にすごいなって思っていましたし、舞台『千と千尋の神隠し』のハクに決まった時はめちゃくちゃ嬉しかったし。そういう宏規の活躍を見て、自分も頑張ろうと刺激にもなっていました。同じ役をやるのは初めてで、Wキャスト自体も初めての経験なので、どういう気持ちになるんだろう...という感じではあるんですが、自分の役を...僕の場合は宏規が演じているのを見れるってすごく新鮮な感覚だと思うんです。お互いに何でも言い合える関係でもあるので、その点での心強さもあります。
――信の幼馴染で親友の漂と、後の始皇帝となる嬴政の二役を演じる、小関裕太さんと牧島輝さんについても伺えますか? 小関さんは、高野さんのデビューのきっかけでもある『天才てれびくん』の先輩、牧島さんとはミュージカル『刀剣乱舞』で共演しています。
小関さんは、僕がずっと背中を追いかけてきた存在なんで、一緒に舞台をやれることが光栄ですね。一度だけ雑誌で対談させていただいたのですが、とても柔らかい雰囲気の優しい方で。先日久しぶりにお会いしたときも、あたたかく接してくれて、お兄さんみたいな感じです。輝くんとは舞台で何度かご一緒しているし、プライベートでもかなり仲がいいんですが、めちゃくちゃ話しやすくて、とても楽しい人。この4人なら確実に現場は楽しいでしょうね。
――『キングダム』という作品自体の魅力はどこに感じていますか?
本当に全部のキャラクターがかっこいいんです。それぞれの戦場の生き様とか、それぞれの選ぶ戦略とかに個性が出ているし、ひとつひとつの会話がとても面白いので、気づいたら読む手が止まらなくなっている。次の戦はどうなるんだろうって思うと、ワクワクします。とくに印象に残ってるのは、王騎将軍が去っていく場面ですね。信の視点で読んでしまうので余計だと思うんですけど、王騎将軍のことを本当に尊敬していたから、そのシーンを読んでから2日間ほど引きずりました。
――原作も信の視点で読んじゃうんですね。
ですね(笑)。信が河了貂(かりょうてん)とか、羌瘣(きょうかい)に男らしい一面を見せる場面では、そんなかっこいいことを嫌味なくサラッと言えるなんてかっこいいなと思って見てました。
――ご自身との共通点を感じる部分はありますか?
大きさは違えど、やっぱり夢をでっかく持っているところじゃないかと思います。信はずっと窮地に立たされていますけど、精神的な意味でいえば、僕も同じです。それは地元・福岡から通っていた頃からずっと。当時から応援してくれる人たちが周りにいて、その恩を感じながら今も活動していることも、同じかもしれない。また、信は幼馴染の漂と約束した夢を追いかけていますよね。僕の場合は、今年亡くなった祖父です。ずっと応援してくれていたので、天国でもきっと見てくれているはずだって思って頑張っているのは近いかなと。あと僕は、わりと運がよくて、流れに身を任せてきたところがあるんですが、そこも若干近いのかなと思っています。
――気になるのは、作品の壮大な世界観をどうやって舞台上に表現するのかですが。現時点で何かご存知のことはありますか?
具体的にはまだ何も聞いてないんです。ただ、戦場の広さだったり人の数だったりは、確かに舞台上で表現できないかもしれないですけど、代わりに舞台は、人の熱量を生で届けられる場所だと思うんです。そこを意識して、この作品の壮大さをお伝えできればと思っています。
――高野さんといえば、ダンスやアクロバットなど、身体能力が高いことで知られています。それを生かし、迫力の戦闘シーンを見せてくれるのでは、と期待しているのですが。
そうできたらいいですね。ただ、信ってジャンプ力があるじゃないですか。僕はそこに自信がなくて...。信というキャラクターから外れない範囲で、自分のやれることを発揮できたらとは思っています。殺陣に関しては、ありがたいことにこれまでにも経験を積ませてもらっているので、そういう意味でやってきたことを活かせるのではないかと思っています。
――ちなみに、今回の来阪は、現在グランフロント大阪で開催されている『キングダム展 -信-』のためだそうですね。ご覧になった感想も伺えますか?
原作の印象的なコマが、壁にどデカく飾られているのですが、こういう広い展示空間でしか体験できないものじゃないですか。僕は、とくに王騎将軍が見せてくれた"将軍の景色"のシーンに興奮しました。描き下ろしもたくさんあり、馬に乗った信のイラストは等身大に近いぐらいの大きさで、それを近くで体感できたのは嬉しかったです。原画もたくさん展示されていて、近づくとペンの筆跡までよく見えて、(原作者の)原泰久先生の作品への熱量や愛情も感じられ、伝わってくるものが全然違いました。
――信は、強い信念を持って夢に向かって進んでいくキャラクターですが、高野さんご自身の夢に向かう信念はありますか?
エンターテインメントとして提供できるものを追求したい、というのはあります。ちゃんと実力で勝ちたいというか、上がっていきたいと思っていて、それには認めてもらうことが大事。どこかで誰かがきっと見てくれているので、そういう意識を持って、常にどの現場でも全力で臨むということでしょうか。
取材・文/望月リサ
撮影:岸隆子(Studio Elenish)
(c)原泰久/集英社
(2022年12月 5日更新)
【東京公演】
▼2023年2月5日(日)~27日(日)
帝国劇場
1月29日(日)一般発売 Pコード:515-993
▼2023年3月12日(日)~19日(日)
梅田芸術劇場メインホール
S席-15000円 A席-10000円 B席5500円
[原作]原 泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
[脚本]藤沢文翁
[演出]山田和也
[音楽]KOHTA YAMAMOTO
[出演]信:三浦宏規/高野 洸
嬴政・漂:小関裕太/牧島 輝
河了貂:川島海荷/華 優希
楊端和:梅澤美波(乃木坂46)/美弥るりか
壁:有澤樟太郎
成蟜:神里優希
左慈:早乙女友貴
バジオウ:元木聖也
紫夏:朴 璐美/石川由依
昌文君:小西遼生
王騎:山口祐一郎
他
※未就学児童は入場不可。※16日(木)休演。
[問]梅田芸術劇場メインホール■06-6377-3800
【福岡公演】
▼2023年4月2日(日)~27日(木)
博多座
【札幌公演】
▼2023年5月6日(土)~11日(木)
札幌文化芸術劇場hitaru
オフィシャルサイト
https://www.tohostage.com/kingdom/
チケット発売中 Pコード:993-759(平日券)/648-241(山の民ウェンズデー・土日祝日券)
▼12月11日(日)まで開催中
平日/午前11時~午後8時
土日祝/午前10時~午後7時
グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル
(第1会場:B1階イベントラボ、第2会場:4階ナレッジシアター)
※入場は閉場の30分前まで。
※会期中無休。
〈平日券〉一般-2500円 大学・専門学生-2000円 小中高生-800円
〈山の民ウェンズデー〉一般-2500円(お面付き) 大学・専門学生-2000円(お面付き) 小中高生-800円(お面付き)
〈初日・土日祝日券〉一般-2500円 大学・専門学生-2000円 小中高生-800円
※来場者特典として「卓上カレンダー」を配付。
※未就学児は無料(18歳以上の保護者1名につき1名まで)。
※障がい者手帳をお持ちの方も、ご入場にはチケットが必要。但し、障がい者手帳をお持ちの方は、チケット1枚につき介助者1名入場無料。チケットを持たない未就学児と、チケットもしくは招待券を持たない介助者への来場者特典の配付なし。
※平日券は開催初日および山の民ウェンズデー開催日をのぞく平日のみ有効。日付指定は不要。但し、当日の状況により入場をお待ち頂く場合有。期間中1回有効。
※会期中の毎週水曜日(11月23日は除く)は山の民ウェンズデー。特典として"山の民"のお面を会場にてお渡し。お面の種類は選べません。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888