室龍太主演のコメディ舞台、
“コムサシリーズ”がいよいよ完結!?
2019年秋の『どれミゼラブル!』、2021年夏の『コムサdeマンボ!』に続くシリーズ第3弾は、品川ヒロシ脚本・演出による『コムサdeMANZAI!』が登場。主人公のコムサ真二はおなじみ室龍太。今回のコムサは、漫才の作家でありながら自分がピンチヒッターとして漫才のツッコミをやるかもしれないという窮地に立たされるという物語だ。『どれミゼラブル!』『コムサdeマンボ!』同様、日替わりのエチュードシーンもあり、毎度毎度の爆笑の渦が再び沸き起こる。
あらすじは次の通り。ゴールデンのバラエティ番組の構成や、芸人コンビ「すすむ・のぼる」の台本も書く放送作家のコムサ真二(室龍太)。彼らのラジオの生放送を終えた後、進(あべこうじ)と話しているところにプロデューサーの越野(川久保拓司)が現れる。越野は現在地方局のイベント事業部に勤務しており、翌日に行われるイベントのゲストに出られる芸人を探しているという。コムサはすかさず「すすむ・のぼる」を推薦する。しかしイベント当日、のぼるは一向に現れず…。果たして、誰が漫才の相方を務めるのか? そして、無事にイベントは成功するのか? 主演の室龍太が、シリーズ完結編でもある本公演についてその胸中を語った。
――まずは本公演の見どころを教えてください。
『コムサ』と言えばドタバタコメディ劇で、本当に完結編にふさわしい内容となっています。あべこうじさんをはじめキャストも豪華で個性豊かな方々。もう稽古の段階から面白いんですよ。その空気感もちゃんとお客様に伝わるようにできたらと思います。
――品川ヒロシさんが脚本・演出です。台本をお読みになっての印象は?
もう声に出して笑いました。基本、台本は電車とか移動の車内で読むことが多いのですが、今回は家で読んでよかったなと(笑)。どういう状況でこういうことを言っているのか想像したら、声に出して笑ってしまいました。それぐらい楽しい作品だと思っています。
――稽古場でも笑いが絶えないと。
姜暢雄さんの役がすごく面白くて。稽古場ではもう、姜さんがみんなにいじりたおされています。
――コムサ真二とご自分に共通点があれば教えてください。
共通点は何にでもツッコミを入れるところですね。たとえばテレビにツッコんだり。コムサも目に見えるもの、起こることすべてにツッコんでいくので、そういう面では共通していると思います。コムサは前回、前々回も演じているので、そういう意味では成長したところを見せられるのか、自分の中での課題だと思っています。
――今回、演じる上で意識されていることは?
やっぱり間(ま)ですかね。間が大事やなって思うのと、品川さんの脚本は計算されているので、その辺をちゃんと意識しながら汲み取ってできるのかが難しいポイントかなと思っています。僕のツッコミは瞬時に反応して、大きい声というのが定番なんですけど、稽古場ではそれが通用しないですね。やっぱり舞台でやるのと、日常とではまた違う。けど、描いているのは日常の話で…。品川さんがお手本でちょっとやってくれるのですが、いつも「おおお!」って感心しています。ちょっとした間の違いなんですけど、できないんですよね、やっぱり。それは品川さんが何十年も培ってきたものだからなのですが、この舞台で僕のツッコミスキルがアップすると思っています。
――品川さんは稽古場ではどんな感じの方ですか。
「おしゃべりクソ野郎」で知られていますけど、全然違います。演出家としての顔なのかわからないですけど、みんなを見守っているというか。ある程度やった後に「ここをこうしたら、どう?」みたいな。「こうしたい」と実践されることもあって、それがキャラごとに違っていて、全部見事なんです。それがすごいなと思います。
――品川さんの中でキャラクターが生きているんですね。
はい。なので、それを再現するのが難しいです。
――品川さんが描くコムサ真二は、シリーズ前2作と違いはありますか?
今回はめちゃめちゃツッコむなと思いました。前々回、前回に比べると、めちゃめちゃツッコんでいる。でも、コムサにも流れている時間がありますし、その間にツッコミがちになったのかなって。周りにいろいろとツッコむようなことが起こっているのかもしれないです(笑)。
――では、コムサ真二は室さんの目にはどう映っていますか。
コムサは着実にステップアップをしているわけじゃないですか。そういう面では自分のやりたいことをやっていけているのかな。やりたくてもできないことがあると思いますが、コムサは着々とやっている。でもやっぱり自分の中でいろんな葛藤があったりして。僕もコムサみたいに着実にステップアップしたいなって思ったりもします。
――ひとつの役をそれこそ3年かけてずっと演じて、今、コムサは室さんにとってどういう存在ですか。
まず、コムサ真二は最初にあて書きしていただいたので、すごく自然にできるというか、取り繕わなくてもできるので、一緒に成長していくという気持ちでいました。でも今回、「シリーズ完結編」と出されて…。もうここで終わりかって。僕の代表作なんですけど、まさかのシリーズ完結編とチラシに書かれているので残念でたまりません。『帰ってきたウルトラマン』みたいに『帰ってきたコムサ』をまたできたらいいなと思います。そのためにも、まずは『コムサ de MANZAI!』を大成功させたいですね。
――コムサといえばエチュードですね。
今回はよりパワーアップしています。あべこうじさんが強敵なんですよ、本当に。あべさんが毎回、違うことをやってきはるから。もちろん大筋はちゃんとされているんですけど、こういうのができるかなって試してはったり、あとは純粋に覚えてなかったり(笑)。覚えてなくても経験されている場数が違うので、そういうところでなんとかしはるから、食らいつくのに必死です。だからアドリブ力はすごく鍛えられると思います。
――今回もショーアップされたシーンはありますか?
あります! ショーがあって、今ならではの応援グッズもあります。それは会場でも買えます。なので、ご無理のない程度に買っていただいて、応援していただけたら嬉しいです。参加することで、最後にみんなでコムサを完結させてほしいですね。まあ、シリーズ完結編と言われていますが、僕はまだまだ続けていくつもりでございます(笑)。それぐらいの心意気で、キャストさん、スタッフさん、誰ひとり欠けることなく、最後までこの公演を無事に走り抜きたいと思います。そして何よりもお客様全員に満足してもらって、笑顔になって、より明るい1日を過ごしていただけるよう精一杯、届けたいと思います。ぜひ劇場まで足をお運びください。よろしくお願いします!
取材・文/岩本
(2022年9月 1日更新)
Check