「嬉しい。出場=エンタテインメントな感じで(笑)。基本的にs**t kingzは舞台では声に頼らず物事を伝えていくのが自分たちのスタイルではあるんですけど、初めてレコーディングスタジオで声を録るっていう(笑)。自分たちのいつものやり方にこだわり過ぎるよりは、まずは何よりもお客さんに素直に楽しんでもらうことを優先して、自分たちなりにも新しいチャレンジとしてナレーションを入れてみたんですよね」
――今年で10周年を迎えたs**t kingzは、そもそも期間限定ぐらいのノリで始まったということですけど、それぞれこの10年ってどういう時間でした?
kazuki 「それこそ海外に行ったり、コンテストに出たり、舞台も3作やってるし、思い出せばいろんなことがポンポン出てくるんですけど…何かあっという間だったよね?」
shoji 「ちょうどさっきも、結成したちょっと後にトレーニングをしにアメリカに行ってたような頃の映像をみんなで観ていて。あの頃はまさか10年も続くと思わなかったし、今みたいに海外にダンスを教えに行ったりパフォーマンスしたり、それこそフェスに出たりビルボードでライブなんて、想像の範疇になかったというか。何かもう本当にあっという間に過ぎた10年だったんですけど、s**t kingzがなかったら、自分の人生は全然違ったんだろうなと思うと、本当に10年続けてこれてよかったなって」
――ただダンサーとして歩む10年とは、全く違う。
NOPPO 「やっぱり海外にワークショップツアーに行ったり、アクティブに行動してたからこそできたことも多かったんで。そういう海外の方から“舞台をやった方がいいんじゃない?”っていうアドバイスをもらって、’13年に単独公演の『THIS SHOW IS s**t』をやろうと思ったこととか…結成した当時に明確な目標はなかったんですけど、本当に人との出会いでやりたいことがどんどん増えていった感じですね」
Oguri 「多分、夢はそれぞれにあって、みんなで共有しつつやってるんですけど、いろんな出来事が来るべきタイミングで来てる10年なので。いきなり舞台をやってたらもちろん成功してないし、フェスも2〜3年前だったらまた違う結果になってたかもしれない。今だからこういう挑戦事が来るんだなっていう必然を感じて、ありがたいなって」
――それぞれ、ここがターニングポントだったなというか、自分を変えてくれたと思った、s**t kingzの活動の中での印象的なシーンはあります?
shoji 「やっぱり初めてヨーロッパにワークショップに行ったときのことはすごく覚えていて。アメリカとかにトレーニングを受けに行ったことはあったんですけど、初めて呼んでもらって海外に教えに行ったのはスウェーデンだったんです。そのときに初めてヨーロッパのダンサーとちゃんと触れ合って…ヨーロッパにこんなにいっぱいダンサーがいて、こんなに面白いことをやってて、こんなにエネルギッシュで、みたいなことを知ったその瞬間に、“こんなにダンスの世界って広いんだな”ってすごく思った。それは1つ大きなターニングポイントだったのかなって」
NOPPO 「僕は初めて舞台を4人でやり遂げたとき、4人で頑張ったら何とかなるんだって思ったし、それに伴っていろんな方々が協力しに歩み寄ってきてくれたり、本当にいろんな人のお陰で今踊れてるんだなって実感して。逆に、本当に自分たちだけじゃ絶対に実現できなかったと痛感したというか。こういう出会いとか人とのつながりを、もっと大事に踊っていこうって思いましたね」
――ダンスってある意味、身体1つで表現できる、ミニマムからマキシマムまでいけちゃう芸術ですけど、舞台をやることによって、いろいろな人の協力を得ることで、もっと大きな夢を持てるんだっていうのは。
NOPPO 「今までは舞台にダンサーとして参加しても自分主体じゃなかったのが、自分たちが中心になると、こんなにやらなきゃいけないことがいっぱいあるのかと分かって。その後にいろんな舞台に参加するときも身に沁みるというか、この気持ちを大事にしようって本当に思いましたね。4人で舞台に立ってても、それを作ってるのは決して4人じゃない。それはすごく噛み締めてます」
Oguri 「やっぱり『BODY ROCK』っていうアメリカの大会で優勝した瞬間…いや、それよりも初めてアメリカの大観衆の前で4人でパフォーマンスをしたときのリアクションがすごく嬉しくて。スタンディングオーベーションをしてくれたり、曲の合間の盛り上がりとかもそうですけど、日本では感じられないものすごい興奮で会場が包まれていて。それも、練習はもちろん積み重ねたんですけど海外のコンテストだからって気張るのがイヤで、日本で当時やっていたセットをそのまま持って行ったのが通用したというか、こんなにもリアクションをもらえたことに、すごく感動した気がしますね。そのときに、ヘンにビビる必要はないというか、世界との距離が近付いた。それこそヨーロッパのツアーとかもそうですけど、緊張はしても自信は持っていこうっていうスイッチになったり」
――チャレンジャーとして飛び込んだ最初の場所でちゃんとした評価をもらえたことは、すごく自信になりますね。
Oguri 「本当に。すごく嬉しかったですね」
kazuki 「一番最初に4人でチームを組んだとき、ある海外のダンサーの動画を見て、その人に習いに行っちゃえ〜!みたいな感じでロスに行って。何にも分からない状態でレンタカーを借りて、スタジオを調べて、みたいに割とアクティブに行動してきたというか。あのときの自分たちがあって、今がある。なんて思いますね」
まさかのラガーシャツ2枚重ねダブル襟(笑)
――10周年の今だからこそ改めて振り返ってもらいたいんですが、それぞれの出会いの第一印象ってどうだったんですか? 例えば、3人から見たOguriさんとか。
kazuki 「Oguriはどちらかと言うとスタジオでしっかり習ってきたダンサーで、こっちはストリートダンサーでって、最初はカルチャーが別のところにいたイメージだったんで、クラブで見掛けたりするとすごい新鮮でしたね。“何しに来たの?”みたいな(笑)。よくよく話したら同い年とか、共通の知り合いが実はいたりして。俺の兄貴もダンサーなんですけど、兄貴の方が先にOguriと仲良くなったんですよ。だから、家に帰ったらOguriがいたり(笑)。そのときはまだ顔見知りぐらいだったんで、“あ、Oguriくん。俺、寝るわ”ぐらいのテンションで」
Oguri 「当時は呼び捨てだったけどね」
(一同爆笑)
kazuki 「図々しく呼び捨てるけど、気持ち的には“Oguriくん”ぐらいの距離があったっていう(笑)。他のみんなとはちょっと違う“転校生”みたいな感じでしたね」
shoji 「あぁ〜でもそんな感じかもね。俺が初めて会ったのは、新宿の安田ビル(※かつてのストリートダンスのメッカ)だよね。あの頃は、今では考えられないぐらいすごく丁寧に俺のことを扱ってくれて(笑)。最初の数年はkazukiもOguriも2人ともすごく礼儀正しい、ダンスのめちゃめちゃ上手い、何でも踊れる人っていうイメージでしたね」
――10年やってきたら変わるもんですね、関係性が(笑)。
kazuki 「全然真逆」
shoji 「アハハハハ!(笑)」
Oguri 「kazukiとは『a-nation』のアクトダンサーのオーディションのときに、一緒に合格して初めて会って。同じ年なのは聞いてたけど、兄ちゃんと先に仕事が一緒になって家に行ったときもあんまり喋んねぇし、何か仲良くなれなさそうだなって(笑)。そこから、イベントとかでもちょくちょく会うようになってちゃんと話してみたら、ユニットとかも誘ってくれて、“いいヤツじゃん”みたいな」
kazuki 「ユニット誘ってくれるから=いいヤツ(笑)」
Oguri 「やっぱり出会ったときに、いろんな年齢がいる中で同い年っていうだけで、ちょっと親近感が。周りはほぼ先輩だったんですよね。だから嬉しかったです」
shoji 「kazukiとNOPPOは俺がダンスを始めてちょっとしたぐらいにはもう結構有名なチームにいて、俺は2人をクラブに観に行ってたんですよ。だから、初めてkazukiと喋ったときはちょっと芸能人と会った気分で、“俺、すごい人と喋ってる!”みたいな(笑)。あと、当時、千葉にそのチームが来たときにジョナサンで一緒にご飯を食べたんですよ。今でも覚えてる、ちょっと憧れの人とのご飯(笑)。“ここでいろいろ質問しよう!”みたいな(笑)」
(一同笑)
NOPPO 「kazukiとは同じ地元で、スタジオは違ったんですけど小学生のときにコンテストで初めて会って。すごくカッコいい曲で踊るチームにいて、“何だこいつ!?”みたいな」
kazuki 「そのコンテストはNOPPOがいたスタジオの企画なんでホームだし、優勝候補でキャーキャー言われてて。俺らはアウェイで“チッ”てなってて、ロビーでお互いを意識しながらストレッチとかやってたら…」
――でもそれ、端から見たらみんな小学生ですよね?(笑)
kazuki 「いっちょまえにみんなダンサー気分なんで(笑)。“お前、あんな技もできるんだ”って仲良くなっていって」
――2人は付き合いがめっちゃ長いんですね。逆にshojiさんの第一印象はどうでした?
kazuki 「俺とNOPPOが青山のクラブなんて行ったことがないのになぜか先輩から頼まれて、すごく敷居の高いイベントに出たんですよ。フロアでストレッチしてたらセキュリティに怒られるような日で、襟付きがドレスコードで。そしたらフロアに1人だけラガーシャツのヤツがいて、襟は付いてるけど!みたいな(笑)。しかも、まさかのラガーシャツ2枚重ねダブル襟(笑)。みんなおとなしくサラーッと観てるのに、1人だけ一番前で“イェ〜!!”みたいになってて、“誰だ? この人…”って踊りながらずっと思ってて」
NOPPO 「ガン踊りだったもんね(笑)」
shoji 「アハハハハ!(笑) 大人のパーティーのド真ん中で、蛍光色の服着て踊って(笑)」
kazuki 「その後、近々のイベントでたまたまshojiくんが出てるのを観て、“あ、あのときの変な人だ”って(笑)」
――でも、普段はステージで踊る人なのに、観に行ったら行ったでお客さんとしても ちゃんと 踊るんですね(笑)。
(一同笑)
Oguri 「俺はさっき言ってた新宿の安田ビルで練習してたとき、一緒に踊ってた人がshojiくんの知り合いだったんですよ。アメリカから帰ってきたとか話してて、shojiくんが立ち去った後に、“彼女と行ってたんだって”、“へぇ〜ゲイじゃないんだねぇ〜”みたいな」
――アハハハハ!(笑)
NOPPO 「俺の知り合いにも、“あの人ゲイなんだよ”っていう情報がいってて(笑)」
shoji 「大学の後輩にゲイのダンサーの男の子がいて、その子とクラブに遊びに行ったときに、NOPPOの友達と出会ったんですよ。そこからNOPPOが“あの人ゲイなんだよ”って聞いて、“いやいや、違うから!”って(笑)」
――なるほどね。でも、そう言われてみたら、何だかそう見えてきました(笑)。
(一同爆笑)
kazuki 「もはや原因はゲイの人と一緒にいたからじゃない(笑)」
NOPPO 「最近のショーでもヒール履いてたもんね(笑)」
shoji 「うちの嫁と2人でヒールを履いて深夜クラブで踊るっていう(笑)」
――最後にNOPPOさんについてはどうでしょう?
shoji 「NOPPOも俺の中では憧れの存在だったんで。俺がすごい覚えてるのは、“何を食べたらそんなにダンス上手くなるんですか?”って聞いたんですよ。それが今すごい恥ずかしい…NOPPOにそんな質問をした自分が(笑)」
――それに何て答えたんだろう?
shoji 「“食べて上手くなるわけないじゃん”って(笑)。いやぁ〜本当にただのファンでした」
kazuki 「ジョナサンに行ったときも、注文するメニューとか気になってたんだね(笑)。NOPPOは小っちゃいときから背も高くてイケメンでダンスも上手くて、人気グループの中でも人気者のイメージ。グループに3人ぐらいメインになる感じの男の子がいて、3人とも人気だったんですけど、何か…チャラチャラしてんなって(笑)。茶髪のロン毛だし、サーファーのエリアの子たちだったんで、もうイケイケな感じの」
NOPPO 「小学校の卒業アルバムに書いた将来の夢も、“世界一歌って踊れるサーファー”みたいな」
――もう何もかも手に入れたい、みたいな(笑)。
4人バラバラで動いてるからこそ、集まったときにパワーアップできる
――10年経った今でも4人の間にすごくいい空気が流れてますけど、解散の危機とかはなかったんですか?
shoji 「ないよね?」
Oguri 「shojiくんが脱退っていうのは…」
(一同笑)
shoji 「おいおい! いつ!? いつ!? 教えて! よく言うんですよ、“3人で写真を撮るとしっくりくるなぁ”って」
Oguri 「いつもアー写を撮ってくれるカメラマンさんも、“3人だとすごくいい。3人でいっときます?”みたいに、もうネタになってる(笑)」
shoji 「“抜けたとき用に”みたいな。コラコラって」
――だったらね、shojiさんを端っこに立たせといたら、後からトリミングできるから。
(一同爆笑)
shoji 「これからはできるだけ内に入っておこうかな。って消させないよ!」
――s**t kingzはもちろん、メンバーそれぞれが活躍し続けられてるのもすごいですね。
shoji 「シッキンでやることはやるし、個人でやるものもあるし、そのバランスがちょうどいいのかなっていうのはありますね。それこそね、俺が“じゃあ今度は4人でヒールを履こう”とか言ったら、即解散だと思う(笑)」
――アハハ!(笑) それぞれの表現の場があるというね。
shoji 「そうですね。別に俺の表現の場がそれしかないわけじゃないですけど(笑)」
(一同爆笑)
――シッキンをやってることでダンサー個人に返ってくるものがあったり、もしくは逆のことは活動していて感じたりします? 持って帰れるもの、持って出せるものというか。
shoji 「Oguriはダンスとかじゃなくて普通に舞台にも出たりしてるから、演劇的な要素があるときに役立ったり、それこそライブの振り付けとか演出とかステージングをやっていく中で得た照明とか機材の知識も、自分たちの舞台を作るときに活きてきたり。やっぱり4人バラバラで動いてるからこそ、集まったときにパワーアップできる。ずっと同じところを見て、同じことだけをしてると、周りが見えてこなくなっちゃうこともあると思うんで。まだまだいっぱい勉強することがあるなって」
――三浦大知やAAAをはじめ多くのアーティストと絡むことも多いと思いますけど、そういう方たちと共演して感じる刺激というか、印象的なやりとりはありますか?
Oguri 「大知はいろんなことに興味を持つし、ライブでも歌はもちろんダンスもすごいし、楽器も演奏して曲も作ったりするんで、毎回すげぇなって思いますね。多彩というか興味がいろんな方向に向いてて、それを全部ちゃんと形にして舞台の上で観せられる上に、エンタテインメントに対するバイタリティがめちゃくちゃある。近くにいると刺激をすごくもらいますね」
kazuki 「AAAのNissy(西島隆弘)はまた考えが違って。大知って“ザ・アーティスト”って感じなんですよ。まさにエンターテイナー。Nissyももちろんそうなんですけど、やっぱりAAAの路線もあってファンのことをすごく考えた演出だったり、キャッチーなことに対する目の付けどころが流石だなって。実際にそれをライブでやってみると、見事に“キャー!”っていうポイントを作れるんですよ。照明とかそういうテクニカルなことにもめちゃくちゃ詳しくて、“俺、要るかな?”って毎回思いながら(笑)。でも、そう思っちゃうぐらい本当に本人が素晴らしい。そういう違うタイプの2人と一緒に仕事ができて、それこそその経験をシッキンに持って帰ることもできるし。いろいろと勉強になることが多いなと思うのは、この2人ですね」
4人でやれば何とかなる、みたいな(笑)
――個人としても活躍して振り付けもする、ダンスもする、人にも教えるっていう中で、今の自分にとってs**t kingzはどういう場所なのでしょう?
Oguri 「いい意味で、1人でグワァ〜!っと頑張らなくても何とかなるから、安心してやりたいことを試せるというか、あんまり責任感を背負わずにいろいろと挑戦できる場所ですね。1人の仕事になると全部自分で考えなきゃいけないんですけど、ここにいればみんなで受け止めて、それを跳ね返してっていうふうに作っていけるんで」
kazuki 「やっぱり他の現場は“仕事”っていう部分が少なからず入ってくると思うんですけど、シッキンに関しては、作ってる段階で何か縛りがあったとしてもそれをシッキンなりに何とかするので、あんまりこうしなきゃ、ああしなきゃって他の仕事ほど縛られないというか。やりたかったこともチャンスがあればどんどん取り入れられるし、無責任に提案しても4人でやれば何とかなる、みたいな(笑)。ダメだったらダメでもいいからとりあえず言ってみようみたいなテンションになるんで、アイディアも出やすい場所な気がしますね」
NOPPO 「えっと…いつも一緒にい過ぎて分からないんです。まだ把握できてない(笑)」
――10年やってきたけど把握してない(笑)。
shoji 「もうNOPPOは把握しなくていいかもしれない、大事なポジションです(笑)。本当にしょっちゅう一緒にいますね。家族より全然いるかもしれないよ、ぐらいの」
――shojiさんはどうでしょう?
shoji 「あの…何だろう。“海の入口”みたいな」
kazuki 「ほほぉ〜。導入がロマンチック」
――何も把握してない人もいれば、海の入口と言う人もいる(笑)。
kazuki 「あえてその理由は聞かないけど」
――みんな気になるわ海の入口 (笑) 。だから一応聞いて、内容によっては載せないと(笑)。
shoji 「アハハハハ!(笑) 4人が1本1本の川みたいなイメージで、学んだり感じたものを各自表現したり吸収したりしつつ、それが1つ1つ集まって4人になって最終的に海に流れ込む。4人が集まった瞬間に一番可能性が開いて、なおかつどこにたどり着くかは分からない。それがすごいシッキンっぽいなって今ふと思って。これからも多分そういう場なんだろうし、でも、やっぱり1本1本の川がしっかりしてないと、そこに流れ着けないというか。そういう意味で、川の終わりであり海の始まりみたいな場所なんじゃないかって、ロマンチックなことを言ってみました」
kazuki 「使いましょう!」
――そうね。最初は“この人、何言ってんだろう?”って思ったけど(笑)。
(一同爆笑)
――使いましょう!(笑)
shoji 「よかった~!(笑)」
VIDEO
ここから続く1年にお客さんがワクワクできるような、そんな一夜にできたら
――そして、ビルボードライブで10周年記念公演がありますが、動画でもいろんな試みが告知されていて。
Oguri 「ビルボードも、生バンドと一緒にパフォーマンスしたいっていうのも、ずっと思ってはいたことなんですよね。それができるのが、まさに10周年っていう」
shoji 「どちらかと言うと、今回は舞台みたいな形ではなくライブ寄りのものにチャレンジするイメージです。なので、隅から隅まで完璧に作られてるというよりは、むしろもう少しラフに、お客さんと近い距離で、お客さんもリラックスして、気付いたら立っちゃってたりしてもそれはそれでいいよねっていうスタンスで」
――舞台とはちょっと違うものを、よりパフォーマンスと生のバンドのシンクロ具合で魅せると。となると、4人だけのリハじゃなくなってきますよね。
kazuki 「そこも初挑戦な感じだよね」
shoji 「今までにいろいろとお付き合いのあったバンドもたくさんいたんですけど、あえてそこもまた新しい挑戦として、今回はorigami PRODUCTIONSの方々と一緒にやることになって、いろいろと曲のアレンジが上がってくるたびにテンションが上がるっていう(笑)。そういうのもすごく楽しいし、毎度ちょっと雰囲気が変わりそうな自由度の高いパートも残してるんで、毎回特別な空間になりそうで楽しみですね」
――それぞれビルボードライブ公演に向けてはどうでしょう?
Oguri 「ビルボードライブには自分も観に行ったりもしていて、ちょっと神聖な場所っていうイメージがあって。すごいアーティストたちがライブをしてきたステージに立つからには、生半可な気持ちじゃダメだなっていうのもあるし。でも、あまり気張り過ぎずに何より自分たちが楽しんで、結果お客さんも一緒に楽しめればいいなって。そこを常に頭に置いて臨もうと思いますね」
kazuki 「やっぱり“ビルボードだから”っていうのをどうしても意識しちゃうけど、お客さんはいつもより高いお金を払って来てくれるわけで。そこで自分たちが雰囲気に飲まれたショーをするとガッカリされるのもあるので、ビルボードの力をちょっと借りつつ、いつものs**t kingz+新しいライブ感を出せたらな…という希望です!(笑)」
shoji 「10周年のイベントはビルボードから始まるので、ここから続く1年間にお客さんがワクワクできるような、そんな一夜にできたらいいなと思います」
NOPPO 「俺が最後か…もちろん音も楽しんでほしいし、ダンスも楽しんでほしいし、生バンド×ビルボードライブ×s**t kingzで何か生まれるんじゃないかってみんなちょっと期待して観に来てくれる部分もあると思うんで。それを裏切らないように、試行錯誤して、頑張っていきたいと思います!」
――ドレスコードはぜひ襟付きでね(笑)。最後に10周年のスタートということで、今後s**t kingzとしてやっていきたいことを伺って終わりたいなと思います。じゃあ今度はNOPPOさんから(笑)。
NOPPO 「っしゃ〜!(笑) もちろん大きい舞台はまたやりたいんですけど、s**t kingzって1つネタを作ったら、似たようなものはもうやりたくなくて。また新しいもの、新しいものっていう気持ちはあるんで、本当に今までにやったことがない舞台を作ってみたいなとは思います」
shoji 「“ダンスってこういうもの”みたいな先入観に囚われ過ぎず、もっともっと自由に、今まで思ってもみなかったようなところでパフォーマンスしたり、想像もしなかったところに少しでも手が伸ばせるように、アメーバみたいにグニャグニャ変わりながら進んでいきたいなって思います」
kazuki 「全世界の人に知ってもらえるダンスクルーというか、エンタテインメント集団になる。年々“これ、ダンサーのショーかな?”って思う瞬間がちょいちょい出てくるんで(笑)。舞台でもひたすら踊ってるわけじゃないんで、そういう瞬間がもっともっと増えるといいなって思います。もちろんダンスを武器にしつつ、ダンス以外でも人を楽しませて、それがきっかけでいろんな人に知ってもらえたら嬉しいなって思います」
Oguri 「ダンスはもちろん上手くなりたいんですけど、それ以外にこういうふうに喋ることだったり、クリエイティブな部分だったり、いろんな方面を磨いてもっともっと単純にレベルアップしていきたい。そのためにはやっぱり経験値が必要なので、アイテムを使わずにそれを増やして(笑)。ちゃんと自分たちの力で1匹1匹モンスターを倒して、レベルアップしていきたいなっていう想いであります!」
――10周年が輝かしいものになることを祈ってます。本日はありがとうございました!
全員 「ありがとうございました~!」
Text by 奥“ボウイ”昌史