4年ぶりの舞台『危険な関係』に挑む玉木宏が見どころを語る!
玉木宏が2013年の初舞台『ホテル マジェスティック~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~』以来、4年ぶり2度目の舞台に挑戦。大阪市内で会見をおこない、作品の見どころや意気込みを語ってくれた。
今回出演する舞台『危険な関係』は、フランスの作家ピエール・ショデルロ・ド・ラクロの恋愛心理小説が原作。同作は世界各国で設定を変えて、幾度となく映画化・ドラマ化されてきた名作だ。今回は日本初登場となるイギリスの新進気鋭の演出家リチャード・トワイマンを迎えて上演される。彼の印象としては「本国ですごく活躍されている、僕と同い年の演出家。この作品に対してすごく愛情を持ってらっしゃるなと感じます」とコメントし、「すごく繊細な方で、セリフを発している中で少しでも曖昧な雰囲気があったとすれば、すぐに伝わってしまうほど。お客さんに楽しんでいただくのはもちろんですが、彼の日本初公演を共に最高のものにするためにも頑張りたいと思います」と語る。
本作で描かれるのは、18世紀末のパリの社交界を舞台にした愛憎渦巻く恋愛ゲーム。玉木は稀代のプレイボーイ・ヴァルモン子爵を演じる。「役についてはまだ探っている状態ですが、頭の回転が速い人で、カメレオンのように相手に合わせて変化できる。何を考えているか分からない怖さがある人物だと思います。言葉巧みで、僕自身がまだコントロールできていないところがありますが(笑)、自由に操れるようになると気持ちよく演じられるのではないかなと思います」。
また、18世紀末のパリの物語でありながら、舞台美術や衣裳には和のテイストも取り入れられるという。「設定はパリですが、リチャードがいつも言っているのは、“ここは2017年の東京です”ということ。それが非常に難しくて(笑)。手の甲にキスをする代わりに、日本風のおじぎを取り入れようとしていたり、セットも扉ではなく引き戸を使ったり。内容自体はオリジナルの戯曲に近いと思いますが、空間や所作については皆さまの想像を超えるものが観られると思います」と、見どころを語る。
翻訳劇を海外の演出家が上演する舞台というのは、難しく捉えられることも多いが、「多少知識を入れてからご覧になると、より楽しめる作品だと思います。上品さも下品さも感じられる背徳の恋愛ゲームというのは、作品の中だからこそ楽しんでいただけるもの。すごい世界だなと思いますが、誰かを愛する気持ちや根底にある人の気持ちというのはいつの時代も同じなんだなと感じます。そういう部分を伝えていけたら」と気持ちを込めた。
共演は、社交界の華で妖艶な貴婦人・メルトゥイユ侯爵夫人に鈴木京香、ヴァルモンとメルトゥイユが仕掛ける恋愛ゲームに翻弄されるトゥルヴェル法院長夫人に野々すみ花、若き騎士ダンスニーに千葉雄大ら、魅力的なキャストがそろう。彼らが繰り広げるスリルに満ちた愛憎劇を劇場で体感したい。
取材・文:黒石悦子
(2017年9月25日更新)
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