インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > ファイナリストが意気込みを語る! 『第三回 上方落語若手噺家グランプリ2017 決勝戦』

ファイナリストが意気込みを語る!
『第三回 上方落語若手噺家グランプリ2017 決勝戦』

天満天神繫昌亭から若手落語家のスターを生み出そうと2015年に創設された『上方落語若手噺家グランプリ』。6月20日(火)に開催される決勝戦に向けて、5月15日に決勝進出者が集結。それぞれが決勝戦への意気込みを語った。

『上方落語若手噺家グランプリ』は若手育成のための寄付金をもとに年に1度、10年間にわたって開催されるコンクールで、今年で3回目。今回は上方落語協会に所属する入門4年から18年未満の若手落語家40名がエントリーし、4月に4回に分けて繁昌亭の夜席で予選が行われた。予選では上方落語協会の若手育成委員会メンバーが審査員をつとめ、各回の上位2名と次点枠から選ばれた1名の計9名が決勝戦に臨む。決勝戦当日はメディアの出演も視野に入れ、在版各局のプロデューサー、ディレクターが審査を担当。大賞と奨励賞を1名ずつ選出し、大賞には20万円、奨励賞には5万円の賞金が贈られる。

会見には桂米団治上方落語協会副会長と桂米二若手育成委員会委員長、そして桂雀五郎、桂三四郎、桂米輝をのぞいた6名が出席。ここで決勝戦当日の出演順を決めるくじ引きも行われた。(会見欠席者のくじは米団治が代行)

決勝戦当日のトップは昨年。『NHK新人落語大賞』の大賞を受賞し、勢いに乗る桂雀太。やりにくいので引きたくないと誰もが口をそろえて語っていたまさかの一番くじを引き、衝撃を隠せない様子だったが、「結果を残すように努力しないといけない、ほかの8人との戦いというよりは自分との戦いと思います」と気合を入れた。

2番手は今回、唯一の20代で最年少の桂華紋。予選の1夜に登場して雀太に継ぐ2位で予選を通過した。「勉強させていただくつもりでぶつかっていけたら。当日、大勢のお客さんの前で話すのが楽しみです」。

続いて桂米輝。予選の2夜で、自身を主人公にした不思議なタッチの新作「イルカ売り」で爆笑を呼び、決勝にコマを進めた。

東京を拠点に活躍する桂三四郎が4番手。新作にも力を入れる三四郎は予選の2夜で自作の「全くの逆」を口演。3位となったが、次点枠から勝ち上がった。

林家から唯一、決勝に残った林家染吉が5番で中トリ。予選4夜では珍しい「腕喰い」をじっくり演じた。「決勝は後悔のないようフルスイングで行こうと思います」。

中入り休憩をはさんで、6番は昨年、準優勝にあたる奨励賞を受賞した笑福亭喬介。予選2夜に出場し、陽気でテンションの高い「寄合酒」で米輝と同点の1位となった。笑福亭で唯一決勝に残り、「去年は準優勝で悔しかった。全員に負けたくない。そういう思いで挑みたいです」。

続く桂二乗は予選4夜に得意の「癪の合薬」を好演して1位で通過。第1回にも出場し、今回が2回目となる。「ほかの会ではない刺激をもらっています。1回目に悔しい思いをしたので、1番前に出れるように頑張ります!」。

第3夜で、上方では珍しい「やかん」を演じて初めて決勝に進出する小鯛が8番目に登場。「当日がただただ楽しみです」。

9番目には今回、一番キャリアが上の桂雀五郎が登場してトリを飾る。第3夜ではトップで挑み、テンポのいい「初天神」が大いに受けていた。

予選の審査員をつとめていた米二は「ここへ我々が出たら負けるなぁと思いました。このパワーは何やろと。テクニックとか、経験的に負けてるのとは違う。若手が生き生きしているのを見て、嬉しいです」と改めて若手の台頭を評価。また、米団治は「このグランプリが起爆剤となって、努力をしてきた人が日の目を見る場所になってほしい」とエールを送った。

決勝戦の持ち時間は1人につき11~13分。限られた時間の中で、それぞれがどんな落語の世界を繰り広げるのか。気合の入った9人の熱い戦いの行方はまもなく! チケットは5月25日に発売。

 

取材・文/日高美恵




(2017年5月23日更新)


Check

繁昌亭夜席 第三回 上方落語若手噺家グランプリ2017 決勝戦

5月25日(木)10:00~チケット一般発売

Pコード:597-700

▼6月20日(火) 18:30

天満天神繁昌亭

全席自由-2000円(整理番号付)

[出演]桂華紋/桂小鯛/桂三四郎/桂雀五郎/桂雀太/桂二乗/桂米輝/笑福亭喬介/林家染吉

※未就学児童は入場不可。

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

チケット情報はこちら

後列左から染吉、小鯛、喬介、二乗、前列左から米二、華紋、雀太、米団治。

【プロフィール】
桂雀五郎 1977年4月30日生まれ 大阪府豊中市出身 
2000年6月、桂雀三郎に入門

桂雀太  1977年2月26日生まれ 奈良県五條市出身
2002年5月、桂雀三郎に入門

桂二乗  1978年5月29日生まれ 三重県四日市市出身
2003年7月、桂米二に入門

桂三四郎 1982年2月24日生まれ 兵庫県出身
2004年4月、六代桂文枝に入門

笑福亭喬介 1981年7月22日生まれ 大阪府堺市出身
2005年6月、笑福亭三喬に入門

桂小鯛  1984年6月23日生まれ 岡山県出身
2007年6月、桂塩鯛に入門

林家染吉 1981年9月15日生まれ 三重県出身
2007年、林家染丸に入門

桂華紋  1987年7月10日生まれ 大阪府大阪市出身
2010年4月、桂文華に入門

桂米輝  1984年12月25日生まれ 奈良県大和郡山市出身
2011年7月、桂米団治に入門