ホーム > インタビュー&レポート > 「芹沢鴨といえばMATSUしかいないと言われたい」 幕末の激動を描いた『ちるらん 新撰組鎮魂歌』に 出演するEXILE MATSUこと松本利夫にインタビュー
『月刊コミックゼノン』(ノース・スターズ・ピクチャーズ)で連載中の「ちるらん 新撰組鎮魂歌」の舞台化が決定した。時は幕末、江戸幕府が終わろうとし、新しい時代が開けようとする激動の時代に、土方歳三をはじめとする男達の熱い友情と激しい命のやり取りを描いた本作は、新撰組を不良少年グループに見立て、ヤンキー漫画テイストで描いている異色の人気作だ。
この舞台化では、沖田総司を岩岡徹(Da-iCE)が、土方歳三を花村想太(Da-iCE)が演じるほか、“最強の漢”と呼ばれた芹沢鴨をEXILEのMATSUこと松本利夫(以下、MATSU)が演じる。
「『ちるらん』は殺陣の多い舞台になると思います。以前、僕がプロデュースさせていただいた舞台『刀舞鬼‐KABUKI‐』が殺陣と踊りがメインで、相手役が早乙女太一くんだったんです。太一くんは殺陣のプロフェッショナルなので、あの舞台でいろいろ教わったことを『ちるらん』で生かしたいですね」とMATSU。華やかかつ派手な立廻りに期待が募る。
MATSUが演じる芹沢鴨については、原作ファンにも楽しんでもらえるものになればと語る。原作ものの舞台に出る際、原作のキャラクターそのままをなぞればよいのか、それともオリジナリティを加味した方がよいのか、いつも悩むと明かす。それでも「観に来てくださっているお客様がワクワクドキドキするようなものを見せたいです。心に刺さるような舞台になれば」と語る。その姿はまさにエンターテイナーだ。
時代は幕末だが、ヤンキー漫画として描いているのが「ちるらん 新撰組鎮魂歌」の面白さの一つでもある。MATSUが抱くワルの魅力とは何だろうか?「いつの時代もどこかかっこよく見えるというのはありますよね。刺さる言葉も多くて、得られるメッセージもありますし。男同士の友情とか、愛を大事にしていたり、結構くさいことも多かったりするのですが、その“くさいこと”は普段なかなか言えないもので。それを堂々と言ってしまうかっこよさもあると思います。そういうところに憧れみたいなものがあるのかもしれないですね。『ちるらん』も名言が多いですよね」
演出は岡村俊一が手がける。岡村とは劇団EXILE旗揚げからの付き合いだ。MATSUにとっては初めて芝居の魅力を教えてもらった人物が岡村だという。それだけに気合が入る。そして、岡村の演出だからこそ本作でも男同士の友情や極限状態における命の駆け引きにぐっと引き込まれるはずだと語る。その理由は?「岡村さんは毎回、稽古で演出を付けられるときに泣き出すんです。ぐわ~って泣く。そういう作り方なんです。“俺が一番感情移入できないと、お客さんはもっとできなくなっちゃうから”って。そこで自分がぼろぼろ泣く演出をされて。そうやってものすごいエネルギー量で演者の心の殻をぶちやぶって、すべてを出させるんです。毎回、岡村さんの舞台を拝見していますが、よくここまで役者の本質的な部分を引き出せるなと思いますね。変な話、人間なので嫌われたくないという思いもあると思うんです。僕も一度、舞台の演出をやらせてもらったとき、どうしても気を遣ってしまうというか、相手の表情を見てしまう。だけど、岡村さんは“僕は本人が本番で恥をかかないために、成長するためにやっているんだ”と。それは愛情でもあって。僕はそういう部分も教わっています」
そしてMATSUにとって舞台とは「こんなに苦労したことないと思ったのもの」だったという。いい意味で辛い。だが、やり遂げたときの充実感や満足感は、今までの味わったことのない、何ものにも代え難いものがあった。ステージでは毎回、出し切って空っぽになる。ヘトヘトになることもあるという。だからこそ、エネルギーをしっかり補給して挑むのだろうと思いきや、意外なことに公演中はカロリーを抑え、食事量も控えめだそうだ。それは自分を追い込むためなのだろうか?「……正直、胃もたれです(笑)。たくさん食べて次の日に胃もたれが出ちゃったら嫌だなって。最近もう、調子こいて肉を食べると胃もたれがとんでもなくなるんで(笑)」
舞台『ちるらん』は大阪公演からスタートし、東京公演で終わる。多くの舞台のスケジュールはこの逆のことが多いため、今回はありがたいと笑う。「東京公演に(EXILEの)メンバーが観に来てくれると思うので、大阪公演を経てちょっと慣れた感じを観てもらえると思うと僕個人的にはありがたいですね(笑)。舞台はいつもゲネプロを観に来てくれるんですけど、ゲネは一番ふわっとしていて。本番でもなければ稽古でもない。だから、ちゃんとできあがったものを東京で見てもらえるので、僕自身、ちょっと気持ちの余裕があるかもしれないです。メンバーが来ると緊張するんですよ(笑)。兄弟に見られているような感覚になるというか。すごい見透かされると思って(笑)」
最後に本公演を通して「後々、“芹沢鴨はMATSUしかないでしょう”と言ってもらえるぐらいの芹沢鴨像を作り上げていきたい」と意気込む。それだけに原作とはまた異なる魅力を舞台から届けてくれるに違いない。大阪公演は4月7日(金)より幕を開ける。
(2017年4月 5日更新)
発売中
Pコード:457-192
▼4月7日(金) 19:00
▼4月8日(土) 13:00/18:00
▼4月9日(日) 13:00
▼4月10日(月) 13:00
森ノ宮ピロティホール
全席指定-7800円
[出演]岩岡徹(Da-iCE)/花村想太(Da-iCE)/早乙女友貴/馬場ふみか/和泉崇司/土屋シオン/紗綾/榛葉恵太/久保田秀敏/滝川英治/根本正勝/松本利夫(EXILE)/他
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888
公式サイト
http://www.chiruran-butai.com/
・4/7(金)公演の終演後、ハイタッチ会あり(岩岡徹/花村想太/久保田秀敏/馬場ふみか)。
・4/8(土)18:00公演の終演後、ロビーにてお見送りあり(岩岡徹/花村想太/久保田秀敏/松本利夫)。
・4/10(月)公演の終演後、アフタートークショーあり([出]岩岡徹/花村想太/松本利夫)。