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本当に面白いと思った作品と役者を一般の観客が決める
「関西Best Act」2016年下半期分のベスト3が決定!

関西で上演された芝居の中から、本当に面白いと思った作品と役者を、一般の観客たちが話し合って決める「関西Best Act」。2016年下半期分のベスト3が、2月18日に決定した。

newworld_photo_012.jpg作品部門1位は、「第61回岸田國士戯曲賞」の受賞作品にも選ばれたヨーロッパ企画『来てけつかるべき新世界』(画像)。下町人情喜劇に近未来SFをかけ算した異色のコメディで、ほぼ満場一致と言えるほどの支持を集めた。「登場人物たちが最新テクノロジーを受け入れていく流れが自然で、かつしっかり大阪の喜劇になっていた。基本デストピアなのに明るい雰囲気なのも彼らだからこそ」などの意見があった。


2位は、平城宮跡地の野外劇場で、20世紀前半のアジアの海の壮大な叙事詩を見せた維新派『アマハラ』。これが最終公演ということで特別枠に押す意見も出たが「作品単体で評価したい」との声が強く、この結果に。「いつもより役者一人ひとりの印象が際だっていた。特に道路工事のシーンは、維新派にしか出せない迫力」などのコメントが寄せられた。

3位は、劇団壱劇屋の台詞なきアクション芝居『独鬼』。不老不死の鬼と人間の女性の切ない関係を、対面舞台を生かした殺陣中心で見せきった。「同じコンセプトの『猩獣』から、殺陣の見せ方が格段に進化。ラストの仕掛けには本当に泣かされた」という意見が上がっていた。

役者部門は、作品部門1位『来てけつかるべき新世界』で、主演の串カツ屋の看板娘役に抜てきされた藤谷理子が1位に。「リアル『じゃりン子チエ』な雰囲気がツボ。声もかわいくて細かい演技も上手い、とんでもない逸材が出た」と、その将来性も加味しての選出となった。

2位は、やはり作品部門2位『アマハラ』に出演した石本由美。長年維新派で少年役を演じてきたが、今回はラストでセンターに立つ姿に「神々しさを感じた」というコメントが。「維新派の役者は“全員で1つ”の所があるけど、その集合体を代表して彼女を評価したい」という強い支持があって選ばれた。

3位は、遊気舎の久保田浩が演じる不思議キャラ・羽曳野の伊藤が“役者”として選ばれるという、シャレの効いた結果に。『だーてぃーびー』では、ウソだらけのTV番組の裏側を、バカ正直な言動の数々で暴いていく大役を見事に果たした。「あのおかしくも痛快な展開は、伊藤だからできたこと。(作・演出の)後藤ひろひとにとって、彼はヒーローなんだと思う」という、熱い声が聞かれた。

ヨーロッパ企画と維新派が上位を独占する結果となった、2016年の下半期。2017年もこの2劇団に負けない、強烈なインパクトを観客に与える舞台が現れることを期待したい。

 

取材・文/吉永美和子




(2017年2月28日更新)


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