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「上方落語若手噺家グランプリ2016」予選会
第三夜をレポート!

4月21日、天満天神繁昌亭で『上方落語若手噺家グランプリ2016』<予選第三夜>が行われ、若手噺家10人が8分という持ち時間の中、得意のネタを口演し、奮闘した。

一番に登場したのは桂小鯛で、新作落語「ヒーロー」を好演した。大阪に馴染みの風景も登場し、会場は早くも笑いに包まれた。続いて笑福亭呂好が「太鼓腹」を披露、「男が男の機嫌を取るのもなかなか難しい」とマクラで振り、太鼓持ちと若旦那のやり取りをコントラスト濃く描いた。林家市楼はない知恵を振り絞る様が笑いを誘う「親子酒」を。酔っ払いの姿を臨場感たっぷりに演じた。言葉遊びもおもしろい、名所巡りを楽しめる「播州めぐり」を口演したのは桂紋四郎。じっと聞き入る客席、空想旅行を堪能した。桂寅之輔は「秘伝書」を。威勢はよいものの何とも怪しげ、胡散臭い秘伝書売りの姿を生き生きと演じ、笑いを誘った。中トリは月亭天使。「初天神」で生意気盛りの“とらちゃん”を、かわいげもたっぷり盛り込んで惹きつけた。

中入り後のトップバッターは桂ちょうば。「世帯念仏」を時事ネタも取り入れ揚々と。念仏を唱える父親の目に映るものすべての情景が笑いを誘った。桂和歌ぽんは「寿限無」を。師匠譲りの相撲甚句も披露し、会場を盛り上げた。随所にギャグを入れ込んだ「普請ほめ」で沸かせたのは桂小留。後半に向かって更なる盛り上がりを見せた。そしてトリは桂三四郎。新作落語「さんかく」を口演。次々と飛び出すテストの珍回答、大喜利のようなおもしろさでも魅せた。

結果発表を待つ間、司会を務めた桂文之助が「手ごたえのあった人!?」と出場者全員に尋ねるも、手を挙げる人はなし。“なぞかけのスペシャリスト”を自称する桂和歌ぽんが「『若手噺家グランプリ』とかけて私のこの着物ととく。その心は、”またきたくなる“」となぞかけを披露したところ、「100点減点!!」と厳しい判定が下された。

そして結果発表へ。敗者復活権が与えられる3位は桂小鯛、決勝進出の2位は桂三四郎、そして1位は桂ちょばという結果に。「ありがとうございます。(木魚のまねで)ぽんぽん叩きすぎて腿がめちゃ痛いです」とちょうば。三四郎も「最後まで観客の皆さんが温かい空気を作ってくださって、ありがとうございます」と感想を述べた。

決勝の『上方落語若手噺家グランプリ2016』は6月21日(火)に開催される。詳細は追って発表。




(2016年5月 2日更新)


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桂ちょうば
桂三四郎
桂小鯛

「上方落語若手噺家グランプリ2016」

6月21日(火)開催

【決勝進出者】
笑福亭たま、桂三語、林家笑丸、笑福亭喬介、桂ちょうば、桂三四郎、桂雀太、桂あおば

【敗者復活枠】
露の眞、桂雀五郎

※詳細は追って発表!

写真左から、桂小鯛、笑福亭呂好、林家市楼、桂三四郎、月亭天使、桂紋四郎、桂寅之輔、桂ちょうば、桂和歌ぽん、桂小留