ホーム > インタビュー&レポート > 「強く生きていくエネルギーを伝えたい」 KOKAMI@networkが時代の“不寛容さ”を照射する 『イントレランスの祭』を上演! 作・演出の鴻上尚史にインタビュー!
「“虚構”で初演したものを、自分自身が外部で上演するのは初めてです。イントレランスというのは“不寛容”という意味で、元々は在特会のことが書かれた『ネットと愛国』という本を読んでインスパイアされたのと、例えばツイッターで“あなた誰?”っていう人からすごいツッコミが入ってきたり、普段生活していても“なんか不寛容になっているんじゃないかな”っていう自分を感じて書いたんです。それから4年が経ちましたけど、時代はますますその不寛容な度合いが増していると思うんですよ。だからこそ、今バージョンアップして上演する意味があると思いました」。
本作はSF仕立ての物語で、宇宙人と地球人の愛と戦いが描かれる。ある日、地球に580万人の宇宙人が難民として逃げてくる。日本では25万人の宇宙人を受け入れることになり、共に生活を始めるが、宇宙人に生活保護や年金など、社会保障を与えることは許しがたいという人たちが現れ…。風間俊介が地球人の自称アーティストを演じ、その恋人で宇宙人の女王を岡本玲が務める。
「かざぽんは前回のKOKAMI@network『ベター・ハーフ』に引き続いての出演で、やっぱり上手いと思いますね。しかも今回はダンスもガッツリ踊ってもらっていまして、想像以上に踊れるのでビックリしました(笑)。元々、この作品にキャスティングしようと思ったのは、“僕は戦隊もので例えるとグリーンなんです”という彼の言葉がきっかけ。かざぽんがそれなりのプライドを持って事務所に入ったらレッドがたくさんいて、“俺、グリーンじゃん”って思ったそうなんですよ。だから自分の居場所を見つけるために、俳優業に進んだっていうことをすごく正直に話してくれて。この役は自分のアートにプライドを持っているんだけど、だからこそこじらせてしまった人物なので、そういう面でハマるんじゃないかなと」。
そして、岡本については「若いのに一本筋が通っていると思いますね」と称賛する。「踊りもファイティングも多い上に、ファイティングしまくった後にすぐ長ゼリフを喋る場面もあって。普通だと音を上げたりくじけそうになると思うんですけど、目が戦おうとしている。それがすごくいいんです」。
すでに東京公演の幕が開き、ツイッターなどでも良い反響が返ってきているという。「前回観てくださった人もたくさん来られていますが、“印象が全然違う”という声が多いですね。虚構の劇団は20代の若手俳優ばかりなので、その違いが大きいのだと思います。今回は、大人たちと若者の構図もできていて、いろんな構図がよりリアルに立ち上がっていると思いますね。それでいて俳優さんたちが上手いので、とても笑えるものにもなっています。男女、年齢、国籍、いろんな差別や憎しみがありますが、差別の辛さというよりは、“どんなことがあっても生きていこう!”というエネルギーを受け取ってもらえたらと思います」。
取材・文:黒石悦子
(2016年4月18日更新)
▼4月22日(金)19:00
▼4月24日(日)13:00/18:00
シアターBRAVA!
全席指定-7800円
U-25チケット-4300円(整理番号付)
B席-6500円
[作・演出]鴻上尚史
[出演]風間俊介/岡本玲/久ヶ沢徹/早織/福田転球/藤田記子/三上陽永/田村健太郎/大高洋夫/他
※未就学児童は入場不可。
※B席は演出により一部見づらいシーンがございます。
※U-25チケットとは来場時に25歳以下の方を対象としたチケット。年齢明記の写真付身分証提示が必要。開演30分前より整理番号順で会場にて座席指定券と引換え。お1人様1申込みにつき1公演1枚まで。
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問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888