「役者のスタンスで吉本新喜劇に貢献したいんです」
吉本新喜劇の佐藤太一郎発の芝居企画
第13弾はキングコング西野亮廣が作・出演の
『グッド・コマーシャル』を上演!
藤井隆との3人芝居について佐藤が語る!
吉本新喜劇のオーディション『金の卵1個目』で、関西の小劇団から入団した佐藤太一郎。吉本新喜劇ではその眼力の強さや小劇団時代に培った身体能力を活かした悪役やゲイ役など個性的な役柄で異彩を放つ彼が、新喜劇の別プロジェクトとして力を入れているのが新喜劇団員のみならず、さまざまな人物と芝居を発信する「佐藤太一郎企画」。13弾目となる今回は、漫才師として、アーティストとして、プロデューサーとしても活躍しているキングコング・西野亮廣脚本の『グッド・コマーシャル』を上演する。
--そもそも「佐藤太一郎企画」がスタートしたのは?
それまで関西で活動していたランニングシアターダッシュという劇団にいたんですけど、劇団の解散を機に吉本喜劇団員募集の『金の卵1個目オーディション』を受けて合格しまして、そこから役者のスタンスとして吉本新喜劇に貢献させていただきたいなと。“笑って、感動して、元気になる”というのが僕の役者としてのテーマなんですけど、吉本新喜劇はこれに加えて泣かせてくれると。実は昔、新喜劇の舞台を観て泣いたことがあって、本当にこの劇団は凄いなと思いまして。で、新喜劇での役者として頑張るのはもちろんですけど、その良さと自分がやってみたい芝居とにうまく融合させて、また劇団へ活かすことができたらと思ってた時に、今はもう無くなった京橋花月で『よる芝居』という試みをやってはったんですが、それで声を掛けていただいて。その時、以前いた劇団の岡部尚子さんに脚本と演出をしていただいたのが『一番の誕生日』という舞台で、2010年に上演しました。これが「佐藤太一郎企画」の第一弾となり、この経験が僕自身、刺激的で勉強になったこともあったので、以後できる限りやり続けていこうとなったんです。
--西野さんの『グッド・コマーシャル』は以前にも、「佐藤太一郎企画」第5弾で上演していますね。
はい、2013年に、同じ新喜劇の吉田裕さんとレイチェルさんとでやらせてもらいました。最初に脚本を読んだ時に、会話のテンポがよく、笑えて、ハッとさせられて、序盤から張り巡らされた伏線、それが最終的に回収されていく高揚感ガイ伊那と持ったのと、何よりも僕は“どうせお客さんがお金を払って舞台を観はるのならハッピーエンドがいい”というポリシーなので、まさにそのハッピーエンドを味わえる至福のストーリーやったので、どうしても演じたくて公演させていただいたんだきました。その時、カーテンコールを経験しまして。しかも2回目のカーテンコールではスタンディングオベーションが起こりまして、自分の企画としては初めての経験やったので嬉しくて。その瞬間の興奮が忘れられなくて、いつか再演できたらと思ってたんです。それで今回は僕も新喜劇に入団して10周年だし、あの時の興奮をまた味わえればいいなぁということで『グッドコマーシャル』をやらせていただくことになりました。
--今回は原作者でもある西野さんも出演されますが。
西野さんには公私ともに可愛がっていただいてまして、今回も再演の許可と、どうせならとぜひ出演もとお願いしたら“ええよ”と言うて下さって。そしてもうおひとり、尊敬する大好きな方にも出ていただけたらと藤井(隆)さんにお願いしたら、これまたふたつ返事でOKをいただきました。僕自身、夢の共演をさせていただけるのが本当嬉しいですし、板の上ではおふたりの存在感に負けないようにしないといけないと思ってます。そして前回は僕が演出をしたんですが、今回は西野さんから“お前に引き合わせたい天才がおる”と言われてご紹介していただいたのがラーメンズさんの舞台や、西野さんとも共演されてる川尻恵太さんです。お話させていただいてるうちに西野さんの書いた脚本の狙いをすべてわかってらっしゃるなぁと思いまして、演出をお願いしました。この舞台と演者をどんなふうに料理してお客さんの前に出してくれはるのか、楽しみにしていただいていいと思います!
--佐藤さん、西野さん、そして藤井さんの役は?
借金に苦しむゴーストライターに西野さん、僕は彼が立てこもった先で人質にされるアシスタントディレクターで、実は夢破れて自殺しようとしていたことでややこしくなる男です。そして人質解放よりも自分のプライベートの方が気がかりな交渉人に藤井さんです。最初の40分くらいは僕と西野さんとのやりとりだけで展開し、その後に藤井さんが登場するのですが、そこから怒涛のジェットコースター的展開になります。ここからラストまでの三つ巴の掛け合いは、自分が言うのもなんですがほんま凄いことになるんちゃうかなと思います。
--なんばグランド花月の大きな舞台で、3人のみで繰り広げ、世界観を構築させる舞台、本当楽しみなんですが、最後に改めてアピールするとしたら?
チラシのコピーに“ハッピーエンドは汗で買いな”とあるんですが、まさに最初から最後までしっかり汗をかいてハッピーエンドを勝ち取る3人の熱量と、努力すれば奇跡が起こせるというのが観終わったあとお客さんが感じてくれはるとうれしいです。
取材・文/仲谷暢之(アラスカ社)
(2015年7月14日更新)
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佐藤太一郎
さとうたいちろう●1978年2月25日生まれ、大阪市出身。高校在学中、大阪府高等学校演劇研究大会 府大会で個人演技賞を受賞経験したことで役者にめざめる。卒業後、2005年に解散した関西の劇団『ランニングシアターダッシュ』に入団し活躍。その後、「金の卵一個目」オーディションを受け吉本新喜劇へ。最近は舞台のみならず『銀二貫』や『マッサン』などテレビドラマにも出演し活躍の場を広げている。
吉本新喜劇 佐藤太一郎企画その13
「グッド・コマーシャル」
発売中
Pコード:444-228
▼7月22日(水)・23日(木) 19:30
なんばグランド花月
全席指定-2500円
[作]西野亮廣
[演出]川尻恵太
[出演]佐藤太一郎/藤井隆/西野亮廣
※未就学児童は入場不可。ビデオ・カメラまたは携帯電話での撮影禁止。出演者は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。変更・払戻不可。
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