いとこ同士の漫才師、なすなかにしが
子どもの頃から考案してきたオリジナルゲームを披露!
前回大好評につき、第2回をまもなく開催!
なすなかにしがゲームを中心としたイベントを今年3月に開催した。ゲームといっても、カードやボード、そして体に頭を使ったアナログなものばかり。それらすべては、なすなかにしのふたりが子どもの頃から考えてきたオリジナルゲームだ。その上、覚えれば誰でも簡単に遊べると大好評。第1回開催後には「家族で楽しみました」「子どもと遊びました」といった声も多く聞こえたとか。そして早くも第2回が道頓堀角座でまもなく開かれる。前回人気だったものから、まだ世に出していない“新作”まで、なすなかにしのオリジナルゲームがずらり登場。漫才、コントにもゲームを取り入れ、こちらも大好評。東京を拠点に活動している今、大阪のみで行うこのスペシャルイベントについて、なすなかにしのふたりに話を聞いた。
--『なすなかにし オリジナルゲームライブ』は、なぜ始めようと?
那須 我々がいとこ同士で、小さいときからずっと遊んでいたんですよ。それもうちの相方が考えついたものをやっていて。その時の心のまま大人になったので、我々も。ふたりの仲のよさが出るようなものができないかなということで、始めました。
中西 小さいときから遊んでいる、自分たちが作って遊んでいたことをお客様の前でやって、お金をいただこうじゃないかと。
那須 嫌な言い方ですね。
中西 お金をね、いただこうじゃないかと。
--商売にしようと。
中西 会社が動きました。商売にしようと(笑)。
--3月に1回目を開催されました。その時の手ごたえは、どうでしたか?
那須 お客さんがいっぱい来てくださって。大阪のライブは久しぶりやったんですけど、盛り上がっていただいて嬉しかったですね。いろんな年齢層の方が来てくださって。若い子だけになりがちだったんですけど、年配の方もいらっしゃったし、お子さんもいらっしゃったので。
--2回目は1回目の内容も引き継いで?
中西 そうですね……前回ウケたものはやろうかと思ってます。
那須 外したくない。
中西 ほかに何も浮かばなければ、前回をそのままやったろうかと思ってます(笑)。
那須 より新しいものを考えつつ…。
中西 前のゲームもやりつつ、新しいものを発表して。もちろん漫才もコントもやろうと思ってます。
那須 「幼稚やな」と思われるようなライブにしたいですね。
--それを真剣に。
中西 はい。それを真剣にやらせてもらって、最終的にはお金にする。
那須 金の話ばっかりやな。今日どうしたん? ないの? 困ってんの?
--(笑)、お金になる感覚はどうでしたか?
中西 そうですねぇ…正直、前のライブが終わってから、「これ、金になるんちゃうか」って思いました(笑)。
那須 どんだけ金金言うてんねん。一銭も入ってこうへんからね、我々には。でも、商品化とか関係なく、形に残したいですね、「あのゲームやろうよ」っていずれは皆さんが言ってくださるような。
中西 1回目の後も、「家でみんなでやりました」とか、そういう声も聞いて。それが嬉しかったですね。
--桂文枝師匠もテレビ番組などでオリジナルゲームを考案されて、それが今では定番になっていますもんね。
中西 ええ、ええ、そうですね、まさか僕らの取材で文枝師匠のお名前が挙がるとは思いませんでしたわ。
那須 「叩いてかぶってジャンケンポン」とかね。ああいう感じになったら。
中西 まあ…あそこまでビッグにはならないでしょう…。
那須 急に志低なったやん。それで金、金、言うてんねや。今回はチラシも意味のある絵になっていて。
中西 来ていただいたらわかるという。
那須 「こういうことか!」と。そういう遊びも取り入れていますので、ぜひ来てほしいですね。
--オリジナルゲームはどのくらいお持ちなんですか?
中西 細かいものも入れると、ふたりで100以上はあります。
那須 短いものも含まれますけどね。
中西 それをネタでやったり、企画でやったり。気が付けばたくさん種類があったので。こんだけ種類があるんだったら、ちょっと金になるんじゃないかと相談したところ、会社が動きましたね…。
那須 ほんま金の話しかしてないやないか。
--ゲームは子どもの頃に考えられたものなんですか?
中西 大人になってから考えたものもありますし、昔やっていたものをそのまま持ってきたりもしています。何かに書き残しているわけじゃないですけど、記憶に残っているものがたくさんありますね。
--いとこ同士で遊ぶ機会が多かったんですか?
中西 ずっと遊んでましたね。
那須 頻繁に遊んでましたね。一時期、僕が京都で、相方が山口ということがあったんですけど、その時も毎日電話でしゃべってました。電話に会話も録音できる機能があって、会話を録音しといて、切った後はそれを聞くっていうのをお互いやってました。
中西 すごく仲がよかったですね。
--前回のイベントでも、親戚同士の集まりみたいな雰囲気がありましたね。
中西 家族同士が仲がいいので、毎年、お正月はみんなで集まって。僕の家が作るボードゲームがあるんですけど、それを必ずやるんです。
--中西家オリジナルのボードゲームがあるんですか?
中西 ここ2年ほどやっている競馬のゲームがあるんですけど、なかなかのクオリティなんですよ、これ。
--それはご家族で考えられるんですか?
中西 みんなですね。うちの兄と、お父さんと…家族が力を合わせるのはその時だけなんですよ。
那須 ただ、だんだんボードのクオリティが上がっているので、まず褒めなあかんみたいな空気になってるんですよ。それがちょっとめんどくさい。見た目のクオリティ重視になって、内容がおもんなくなって。「全然おもんないな」っつって、2回やってやめたりとか。いいことなんですけどね、一生懸命作るのは。
中西 お互いの実家が歩いて4分くらいのところにあるので、お正月はうちの家族4人でボードゲームを抱えて相方の家に行くんですよ。結構大きいんで。
那須 持ってきたから、やらなしゃあない。
--褒めながら。
那須 褒めて、1回はやると。
中西 褒められへんかったら、うちの親父が「全然褒めへんかったな」ってぼやくという。
那須 中西の血筋は結構めんどくさい。
--こういうイベントを開催されて、目指すところはどこでしょうか。
中西 こういう楽しいゲームがあるんやとみんなに知っていただいて、お正月とかにやっていただいて、最終的にはお金になるという…。
那須 やっぱそこかい。ただいやらしいだけやん、今日の印象は。
中西 へへへ(笑)。
那須 「あ、あのゲームをやってるわ」っていう感じになったらいいなと思います。それこそ「叩いてかぶって…」じゃないですけど、普通に浸透していくのが一番いいですよね。『オリジナルゲームライブ』は、ほかのライブとは別ですね。漫才やコントも、このイベントのためだけにやっている感じなので、ここでしか見られないものばっかりです。僕達の違った雰囲気を見ていただけたらなと思います。目指すところは「くだらなかったね」って言われるような…。「くだらんことやってるな~」って笑いながら思われるようなものになればと思います。
中西 このライブが今回で終わるようなことがあれば、ほんまにくだらんかったって判断ですよね。
那須 そうですね。ですからこれ、2回で終わるかもしれません。これが最終回になるかもしれません(笑)。
--続けたいというご希望はありますよね?(笑)。
中西 我々はやっていきたいです!(笑)
--では、イベントに向けて意気込みを。
那須 僕らって昔からベテランベテランと言われていたんですけど、実は子どもの心を持ってるんだよっていうところを見てほしいです。やたら言われるんですよね、ベテランっぽいって。それも仕方ないんですけど、実は子どもの心を持っているので…。チラシにも書いてますが「子どものような大人のためのライブ」なので。そういった方々に見にきていただけたらと思っています。
中西 そうですね、僕達の雰囲気が一番わかるライブではないかなと思うので、そこを見に来ていただきたいなと思います。お子様からお年寄りまで。大阪でしか観られないライブですし。
那須 当然、なすなかにしという芸人を観てくださることも嬉しいですけど、芸人が考えるゲームにも興味を持って来ていただけたらと思います。次はいつやるかわからない(笑)。
中西 もう、これ逃したらないです(笑)。
--ちなみに、お互い、子どもっぽくて変わってないなと思うところはありますか?
那須 そうですね、相方は変わってないというか。振り返ったらいつもいる感じ。小さい時から常に横にいてくれていたので。いつどこに行くにも、振り返ると横にいるみたいな。
中西 うんうん。いいコメント。いいコメントですね。心が温まるようなね。
--安心感ありますか?
那須 安心感もありますし、僕ら、距離が近いって言われるんですよ。物理的にくっついてる。時々、体温を感じることがあって。ぎり、産毛が当たるみたいな。どうしても二人でいちゃいちゃすることがあるので。なんかこう、ぬく~いときがありますね。
中西 湯気を感じますね。いとこからの湯気。
那須 それは子どもの頃から変わってないですね。
--子どもの頃から距離が近い。
那須 と、思います。
--那須さんは、中西さんのお兄さんとも仲良しなんですか?
那須 ここのお兄ちゃん、カズキって言うんですけど、カズキと茂樹で僕を取り合ったことがあったんですよ。
中西 子どものとき、僕が、「カズキ兄ちゃんと茂樹兄ちゃん、お前、どっちが好きやねん」って聞いたら、こいつが僕の前やったら「茂樹兄ちゃん」って言ってたんですけど、うちの兄ちゃんが「お前、俺と茂樹、どっちが好きやねん」って聞いたら、「カズキ兄ちゃん」って言ってたんですよ。
那須 そうなんですよね~。
中西 それが僕の耳に入って、僕、カズキと晃行をベルトでしばいたことがあるんですよ。
那須 「裏切り者~!!!」って絶叫しながらベルトでしばいて。
中西 うちの兄ちゃんが、こいつを体でかばって。その背中にベルトが当たり。思いっきり僕が暴れてベルトを振り回して。カズキが「やめろー! 晃行にはやめろー!!!」っつって。僕はアニキの背中をベルトでベチ~! ベチ~!って、「裏切り者~!」って言いながらしばいて。
那須 今、聞いても、僕が一番被害者というか、一番面倒くさい位置にいたんですよね~。
--BLの世界ですね(笑)。
中西 ほんとそうですよ。思いっきり叩きましたからね。威力増すために、ベルトを折って叩きましたから。
那須 むちゃくちゃや!
中西 でも今、仲いいもんね!
--では、中西さんから見て那須さんの変わってないところは?
中西 こいつ、今年で35歳なんですけど、こいつが高校生のとき、僕、香里園の駅前の回転寿司屋でこいつに1500円貸したんですよ。その1500円がまだ帰ってこないんですよね~…。あれが変わってないですね、返さないというスタンス。返すからって言ってたんですけど返さない。そこ、全然変わってないですね。
那須 あったかなぁ、そんなん。
中西 あったんですよ。
--ご記憶にない?
那須 そうですね。
中西 僕ははっきり覚えてるんですよ。何があったか全部覚えてるんです。レジでお金がないって言って、「ほな、貸すから、お前絶対返せよ」って払って……。
那須 そうですか……。ベルトでしばいてください。
(2015年7月 1日更新)
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