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「主役なんですが、実は幕が開くまでわからない
謎の女なんです(笑)」
吉本新喜劇の酒井藍が初主演作を語る!

豚に例えられると「そうそう、ブー、ブー、ブー、私人間ですねん」という朴訥としたノリツッコミギャグでおなじみ、吉本新喜劇のふくよか女優酒井藍が、昨年から公演されている「大坂の陣400年」を記念した吉本新喜劇のスピンオフ作品の主役に抜擢された。豊臣秀頼とのロマンスを中心に繰り広げられる芝居は、珍しや新喜劇女優総動員で公演される。そんなレアな舞台のヒロインとして降臨した酒井藍に抱負を語ってもらった。

--初めてのヒロイン役ということですが大役を任命されていかがですか?
 
いまだにヒロインという言葉には半信半疑なんですが(笑)、でも、最初に「今度、なんばグランド花月で公演する芝居で主役ですよ」って話をいただいたときは、ベタですけど「本当に私でいいんですか?」って言うてしまいましたね。嬉しさっていうより、驚きの方が勝ってました。しかも今回は一部の例外を除いて吉本新喜劇の女優陣ばかりで繰り広げる芝居ですから、どう考えてもヒロインになるべき方は他にもたくさんいらっしゃいますから。とはいえ、昔から新喜劇に入りたくて入団できたし、どうせならいい役を演じたかったし、いつかは主役ができたらいいなぁと思ってましたから、それが本当になったのは正直、嬉しいです。夢は持ち続けてたらいつか叶うってよく言いますけど、夢を諦めずがんばって来て良かったなと感じます。

--いずれもすっちーが主演した『大坂の陣新喜劇〜「君臣豊楽」淀殿の見た夢〜』と『大坂の陣新喜劇〜「戦国降幕」笑う忍び』の番外編として、江戸幕府が豊臣宗家を滅ぼした戦いである大坂冬の陣と夏の陣の間のお話しということですが。

金原早苗さん演じる豊臣秀頼と、私のラブストーリーを中心に描かれる話と聞いています。早苗姉さんが男役をしはるということだけでも、ちょっとドキドキしてます。前々回では清水けんじさん、前回は内場勝則座長が秀頼を演じてはりましたから、また全然違うキャラクターが生まれるんだろうなって楽しみです。
 
--そんな酒井さんはどういった役なんですか?

あ、私の役は、謎の女です。公演が始まるまで秘密だそうです(笑)。
 
--そこをもう少し、ヒントだけでも教えていただけると…。

ヒントですか…大坂の陣を語る上で、重要な女性なのかぁ、それとも今回の公演のための架空の人物なのかぁ、さぁどちらでしょうかぁ〜(笑)。妄想を爆発させていただきたいです。作家さんがおっしゃるには「幕が開くとわかる」そうです。あ、出オチじゃないですよ(笑)。先ほども言いましたが、秀頼と恋愛するということなので、これまでは新喜劇の大先輩であるやなぎ浩一師匠や井上竜夫師匠と恋人役はありますけど(笑)、今回のような設定は初めてなので、ちゃんと恋愛をしていると見えるように説得力ある芝居をお見せしたいです。

--とにかく謎の女のままで初日を迎えると。

すいません、謎のままで。その方が、私をミステリアスに感じていただけますよね!

--ポスターを見るだけで謎を超越したものを感じます。

ポスター! 凄いでしょ。謎のかけらも感じない(笑)。しかも、他の皆さんと同じ日に撮影したはずやのに私の写真だけなんか画質違うんですよね。なんかボヤボヤしてる。それこそ何十枚も撮影して、これがベストの写真やったんやと思ったらゾッとして、ポスター裏向けましたもん(笑)。

--着物での芝居も大変なんじゃないですか?

そうですね。もちろん旅館ものとか、これまでの『大坂の陣新喜劇』でも着物は着させていただいて演じてますけど、特殊な体でしょ、私、まず首がないので胸元の合わせがすぐにグシャグシャになるんです。それに着物も、衣装さんがこれは大きいやろというのを持ってきてくださるんですけど、私に後からサイズを測ろうと手を伸ばしはった時に、皆さん「あっ!」って言いはります(笑)。それで、これは普通じゃないなって気付きはって、こんなはずやなかったみたいに首を傾げながら苦笑いしはって、「ちょっと思ってたサイズと違うんで調整しますね〜」って(笑)。これ、私を初めて担当する衣装さんがほとんど言いはりますね。それにカツラ合わせも、他の皆さんは10分とかで終わったのに、私だけ 2日がかり。頭の金具を広げても広げてもなかなか合わず、一回持って帰りはって、翌日また調節しながら…。どんなけ頭デカイねんて自分でつっこみましたわ。まぁそれだけ周りの方にご迷惑をおかけしながらの衣装とカツラなんで、所作を含めてキレイな動きをしなきゃいけないなぁと思ってます。
 
--着付けだけでも大騒動な気がします(笑)。そう言えば楽屋も楽しそうですね。

そうですねぇ。こんなに毎日新喜劇の女優陣がいっぺんに集まる機会なんてあまりないですから、今からすごく楽しみなんです。でも女性楽屋はマックス7人なんで、みんなでどんな楽屋割りになるのかが楽しみで。まぁ決まってるのは、ブルーシート会は行なわれるなと。楽屋にブルーシート敷いて、みんなで持ち寄りでご飯を食べるという会なんですが、今回は一番大きな楽屋がブルーシート会の会場になるかも。そういうことも含めた仲の良さが舞台にも出たらいいなと思ってます。

--今回、未知やすえさんは大野次長、通称大野修理。淀殿の側近として権勢をふるった人物ですね、真田幸村側からすると悪役な人物を演じるわけですが。

(末成)由美姉さんや、(浅香)あき恵姉さんの悪役は割と定番だったりしますけど、今回、やすえ姉さんが悪役的存在を演じはるということで、期待を裏切る感じで面白いキャスティングだなぁと思いました。普段から可愛がっていただいているので、舞台では唯一、敵対する人物として舞台に立ちたいです。

--すっちーさん、桑原和男さん、水玉れっぷう隊アキさんと、新喜劇で女性キャラを演じている方たちの出演も面白いですね。

今回は女優として接しようと思ってます。楽屋もできれば一緒にしてもらいましょか(笑)。いつもは男性が多い新喜劇ですけど、逆のパターンがどういう感じなのかということも、すっちー座長らに体験していただきたいですね。

--では、謎の女役として今回のスペシャル新喜劇の抱負をいただけますか。

まさか自分がヒロインとして出させていただけるとは思っていなかったので、全身全霊でがんばりたいです。ブロードウェイのミュージカルで『ヘアスプレイ』という、ぽっちゃりの女の子が主役をやってる舞台があるのですが、いいなぁと思ってましたし、映画化されたものを見てぽっちゃりの女の子からすごく元気をもらったんですね。そういう元気を、今回の舞台を見ていただいて皆さんに持って帰っていただけたらいいなぁと思います。そして女性ばかりの新喜劇ってほとんどなかったでしたから、挑戦の新喜劇でもあると思いますので、ぜひ劇場に足を運んで、その挑戦を目撃してほしいです!
 

(取材・文 仲谷暢之)
 



(2015年5月 7日更新)


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酒井藍
さかいあい●1986年9月10日奈良県生まれ。奈良の高校を卒業後、奈良県警の交通課勤務を経て、2007年に「金の卵3個目オーディション」に合格。それを機に退職し、吉本新喜劇に入団。「ブーブーブー、私人間ですねん」というノリツッコミギャグで人気。『ちちんぷいぷい』(MBS)など、リポーターとしても活躍している。
写真左から、未知やすえ、金原早苗、酒井藍、すち子。

大坂の陣新喜劇番外編~女たちの戦国時代~

発売中

Pコード:443-496

▼5月24日(日)19:45
▼5月25日(月)19:00
▼5月26日(火)19:00
▼5月27日(水)19:00

なんばグランド花月

全席指定-3300円

[出演]酒井藍/末成由美/未知やすえ/浅香あき恵/島田珠代/若井みどり/高橋靖子/五十嵐サキ/宇都宮まき/ぢゃいこ/前田真希/金原早苗/井上安世/岡田直子/福田多希子/小寺真理/福本愛菜/他 [ゲスト]すっちー/桑原和男/水玉れっぷう隊・アキ

[問]チケットよしもと予約問合せダイヤル
[TEL]0570-550-100

※未就学児童は入場不可。
※ビデオ・カメラまたは携帯電話での撮影禁止。
※出演者は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。変更・払戻不可。
※最新の出演者情報等詳細はなんばグランド花月ホームページでご確認下さい。

なんばグランド花月
http://www.yoshimoto.co.jp/ngk/

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