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京都ならではの劇場で、京都ならではの役者たちによる
京都ならではの人情話新喜劇始まる!?

『吉本新喜劇』では英語ボケキャラなどで異彩を放つ森田展義が、かつての京都花月で繰り広げられていた人情の『吉本新喜劇』を、京都で復活させたい!ということで京都出身の彼が中心となって行なうのが『きょうと新喜劇』。若手たちとともに、京都にこだわりまくった笑いの舞台を繰り広げるという。

--『きょうと新喜劇』、なかなか大胆なタイトルですね。

森田展義(以下、森田):確かに(笑)現在、なんばグランド花月で若手主体の『吉本新喜劇2025』というのを、毎月やらせていただいてるんですが、京都にもそういうのがあってもいいんじゃないかなと思ったんですね。自分自身が京都で生まれ育ってるというのもあって、やはり2011年に祇園花月ができたことはとても大きかったんです。それだけにこの劇場で京都人が中心となって、京都を盛り上げるような新喜劇をやりたいなぁとずっと思っていたので、どうせなら『きょうと新喜劇』と謳ってまえ!と(笑)でも、今になってちょっと恐縮してる部分もあります(笑)とはいえ、この一回目を成功させて、京都の方々の琴線に触れる、もちろんその他に住んでおられる方々にも喜んでいただける様な新喜劇を回を重ねて練り上げていけたらと思ってます。

--昔、新京極に京都花月があったことはご存知ですか?

森田:もちろん。残念ながら僕は行ったことがないのですが、おばあちゃんが何度か観に行ってたと言うてまして、そこで痴漢にあったと何度も聞かされました。よっぽど衝撃的やったんでしょうね(笑)吉本新喜劇に入って、先輩方から京都花月のことはいろいろお聞きしまして、当時、なんば花月、うめだ花月、京都花月と劇場があって、新喜劇も三班体制で動いてたと。みなさん阪急で通ってはって、京都花月に出番が入ると決まって京都で飲んで帰るのでだいたいの方が終電を逃して大阪方面へ帰ることができなくなり、仕方なく劇場に泊まることが多かったそうです。確かに今僕は大阪に住んでますけど、祇園花月の出番になると大阪にいるときより飲みに行く回数多いです。京都という街がタガをは ずしてしまうんですかね(笑)。

--祇園花月は以前、祇園会館として映画館でしたが、こちらは思い出深いんじゃないですか。

森田:はい、祇園会館はよう行ってましたね。映画館としては二番館的存在で、映画二本立て興行やったんです。これは学生には嬉しかったですね。京都の大学生もようさん来てはりました。まだ今みたいにあちこちにレンタルショップがなかったですから見逃した映画とか、時折昔の映画とちょっと前の映画と組み合わせて上映してくれたり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』や『ターミネーター3』が公開される時は、前の2作を二本立てて上映してくれるのでおさらいができるのが有り難かった。しかもその時のパンフレットも買えるのも中学生の頃は、なんで映画館やのに劇場の端にも細長い舞台があるんやろかって思ってて、それが後に11月に開催される舞妓さんらの祇園をどりのためやってわ かった時は、あぁ京都やなぁって感じました。それと、同じビルにディスコのマハラジャがあって、大人になったら行きたい!って思ってました。

--そんな祇園会館改め祇園花月の舞台に初めて立った時はいかがでした?

森田:先ほども京都花月におばあちゃんが良く行ってたと言うてましたけど、僕が新喜劇に入ってなんばグランド花月の舞台に立ったとき「もうちょっと近かったらなぁ、京都からおばあちゃん難波へ行くのは、ひと仕事やわ」って言うてたんですよ。それでも1回来てくれて。京橋花月ができた時は「ちょっと京都に近なったなぁ」って何度か観に来てくれてたんです。それで祇園花月が開館するのが決まり、これでおばあちゃんにも観に来てもらえると喜んでたんですけど、オープンする2ヶ月前に亡くなったんです。そやから初めて祇園花月で新喜劇の舞台に立った時に、嬉しいのはもちろんでしたけど、おばあちゃんが生きてたらもっと観にきてもらえたのになぁって悲しい気持ちにもなりましたね。それだけに今回、もうちょっと早く実現できてればなと思うと同時に、おばあちゃんへのオマージュ新喜劇ができることが嬉しいです。

--おばあちゃんにオマージュの新喜劇とはどんな感じですか。

森田:今回、自分はおばあちゃん役になるんです。扮装するとこれが母親に似てるし、もうちょっと痩せるとおばあちゃんによう似てるんですよ(笑)そういう意味で自分がは京都人やったおばあちゃんを思い出しつつ、優しいところから、少々イケズなところまで表現できてオマージュできたらと(笑)それと、先輩にお聞きしたんですけど、同じ関西でも新喜劇のストーリーにそれぞれ特色があって“大阪のドタバタ、京都の人情”と言われてたそうで、なんば花月はテレビでの中継もあった関係で話しもスピーディに、そしてドタバタのギャグの連打やったのに対して、京都花月は人情もの受けて、どっか泣かせるとこがあると喜ばれたそうで、吉本新喜劇のポップでキッチュさはもちろんですけど、そこ に京都ならではの人情話を軸に繰り広げたいなぁと思ってるんです。
 
舞台も、京都なら、どうする?と考えてお寺、旅館、お土産物屋と浮かんだなかで、置屋っていうのはほとんどなかったなぁと、そこで自分はかつて芸者やった女将をやらせていただきます。参考に溝口健二監督の『祇園囃子』などの芸者をテーマにした映画を見直したりして役作りしてる最中なんですけど、どこまで自分の中に取り入れられるかが今のところ宿題となっております(笑)そして、同じ京都出身で、実は学校の同級生でもある清水けんじさんにはぜひもんで出ていただきたいとお願いしまして、後は島田珠代さん、すっちーさん、藤崎マーケット、吉田裕くん、酒井藍ちゃんなど、京都になんらかの関係のあったり、なかったりの (笑)若手メンバーにお願いしまして、賑やかな舞台にできたらとワクワクしてます。
 
個人的にはまず京都や滋賀の、地の方々に来ていただいて認めていただきたいですね。それで今度はあんなん、こんなんどう?などと意見をもらえたら嬉しいです。もちろん観光客の方には、京都観光のひとつとしてこの『きょうと新喜劇』を組み込んでもらえたら最高ですね。ちょうど春休みに入ってますし、桜もチラホラと咲きだすシーズンですんで。京都ならではの劇場で、京都ならではの役者たちによる、京都ならではの話で大いに笑って、時にはホロリとしにきて欲しいですね。
 
取材・文/仲谷暢之(アラスカ社)



(2015年3月19日更新)


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森田展義
もりたのぶよし●1975年10月2日、京都市生まれ。NSC25期生を経て吉本新喜劇の金の卵オーディション1個目で合格し、吉本新喜劇へ。ローリングストーンズをはじめ、無類のロック好き。毎週水曜日21時〜Ustream番組『森田展義アワー』を配信中。

よしもと祇園花月
〈きょうと新喜劇〉

発売中

Pコード:597-132

▼3月27日(金) 19:00

よしもと祇園花月
全席指定-2000円

全席指定・子供-1500円(小学生以下)

[出演]森田展義/吉田裕/佐藤太一郎/諸見里大介/酒井藍/服部ひで子/他

[ゲスト]すっちー/島田珠代/清水けんじ/藤崎マーケット

※5歳以上または身長110cm以上のお子様はお席が必要となります。ビデオ・カメラまたは携帯電話での撮影禁止。出演者は変更になる場合がありますので、予めご了承ください。変更・払戻不可。最新の出演者情報等詳細はよしもと祇園花月ホームページでご確認下さい。車椅子の方はチケット購入前にチケットよしもとコールセンター[TEL]0570(041)356まで要問合せ。3/6、22、31公演は収録あり。

[問]チケットよしもと予約問合せダイヤル
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