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「二月大歌舞伎」が大阪松竹座にて開幕!
四代目を襲名した鴈治郎にその思いを聞いた

昨年12月28日の高津宮での成功祈願祭と船乗り込みから四代目を襲名した中村鴈治郎。1月は2日から大阪松竹座で襲名披露興行「壽初春大歌舞伎」が始まり、連日、多くの観客が足を運んだ。襲名披露は2ヶ月にわたり、2月も同じく大阪松竹座で「二月大歌舞伎」を開催。『傾城反魂香』『連獅子』『口上』の襲名披露演目のほか、『嫗山姥』『京人形』『曽根崎心中』『義経千本桜』が上演される。そこで、「二月大歌舞伎」に向けての意気込みや、芝居にかける思いを聞いた。

――昨年12月28日をもって四代目中村鴈治郎を襲名され、1月から大阪松竹座で襲名披露興行「壽初春大歌舞伎」が行われました。

1月の「壽初春大歌舞伎」ではうちの家の芸、玩辞楼十二曲から2つやらせていただきました。鴈治郎という名前を継がせてもらったからには、家の芸をやらないといけない。どこの家もそうでしょうけど、家の芸はそれぞれの家にありますから、それを大事にということで。

――では、2月の「二月大歌舞伎」ですが、見どころを教えてください。

2月は、昼の部の『傾城反魂香』で(市川)猿之助くんが相手役で又平を演じさせてもらいます。猿之助くんとは何遍も一緒には出ているけど、がっぷり組むのは初めてやから楽しみです。夜の部では、息子の壱太郎と『連獅子』をやります。ほかには、襲名披露狂言ではないけど『曽根崎心中』も。『曽根崎心中』は、去年の4月に東京の歌舞伎座で父の藤十郎がお初一世一代の舞台を演じ納めをしましたが、やっぱり東京の歌舞伎座で最後というのではなくて、大阪でぜひやってほしいという声がありまして、その声にお応えしてアンコールで上演します。座組がみんな若くて、ずいぶんカラッとしてるんじゃないかと思います。世代が若いので、それぞれ溌剌としてやっていただいて。1月はお家芸、2月は自分の色でやらせてもらえると思ってます。

――翫雀襲名でも、『曽根崎心中』を上演されたそうですね。

ちょうど20年前に中座でやらせていただいて。1月17日の阪神・淡路大震災は襲名興行中だったんです。前日の1月16日は、父がお初を勤めて1000回の節目だったんです。その次の日が阪神・淡路大震災でしたから、忘れられないですね。あれから20年経って鴈治郎になる節目に、また『曽根崎心中』をやるという、これも何かの縁かと思いましたね。

--リーズナブルな幕見席もありますし、若い方にもどんどん来てもらいたいですね。

まずは一遍、観てもらいたい。好きな一幕だけ観れる幕見席は数に限りがあるけどリーズナブルやから、ぜひ観に来てください。

--襲名発表会見で「二代目の鴈治郎を継ぐ気持ち」ともお話されていました。

当然、父のあとにこの名前を継いでいるんだけど、二代目鴈治郎を追いかけたいっていう思いがあるのかもしれないですね。こないだ、壱太郎で5代観てるっていう方がいて。初代さんを5歳の時に観て、二代目、三代目、四代目、壱太郎で五代だよ!? 五代の役者を観るってまずないよ。すごいで(笑)。

--うれしいですね。長く観てもらえるというのは。

そうですね。鴈治郎って名前を待ち望んでいてくれたのかなと感じました。

――1月、2月と続けて歌舞伎を観られるというのは、ファンには嬉しい限りです。

1月は毎年、大阪松竹座で歌舞伎をやっているのがやっと定着してきたけど、今年は襲名で2月にもやらせていただいていて、大阪松竹座では歌舞伎やってるよとアピールすることが大事だと思います。あと、2月は私の誕生月なんですよ(笑)。大体芝居して誕生日も何もあったもんじゃないんやけどね(笑)。「もう56なんやな~」と思う反面、父が80を越えてもまだ元気でやってるわけやから、これから鴈治郎で20年以上できると思ったら、翫雀よりも長くいられるんですよね。今はその道が始めのところ。劇場にお越しの皆さんが温かくて、大阪を襲名披露興行の皮切りにしてよかったと感じています。




成田山不動尊の節分祭に四代目中村鴈治郎が登場!
 
2月3日(火)に成田山不動尊(成田山大阪別院明王院)にて行われる節分祭の追儺豆まき式に四代目鴈治郎が豆まき役で登場! 玉山鉄二、シャーロット・ケイト・フォックス、浅香航大とNHK連続テレビ小説『マッサン』の出演者のほか落語家、漫才師も参加。追儺豆まき式は午前10時30分より、境内の特設舞台で行われる。

成田山不動尊
http://www.osaka-naritasan.or.jp/
 

(2015年2月 2日更新)


Check
四代目 中村鴈治郎(なかむら がんじろう)●1959年2月6日、京都府生まれ。坂田藤十郎の長男。息子は中村壱太郎。弟は中村扇雀、中村虎之介は甥に当たる。1967年11月、歌舞伎座で行われた『紅梅曾我』一萬丸で、中村智太郎を名のり、初舞台。1995年、五代目中村翫雀を襲名。2015年、四代目中村鴈治郎を襲名。平成18年度日本藝術院賞、平成23年松尾芸能賞優秀賞など受賞多数。

松竹創業120周年
中村翫雀改め
四代目中村鴈治郎襲名披露
二月大歌舞伎

発売中 Pコード:440-870

▼2月1日(日)~25日(水)
大阪松竹座

1等席-18000円
2等席-10000円
3等A席-8000円
3等B席-6000円

<昼の部>11:00

一、嫗山姥(こもちやまんば)
荻野屋八重桐……中村扇雀
太田太郎……中村亀鶴
局藤浪……中村歌女之丞
沢瀉姫……坂東新悟
煙草屋源七実は坂田蔵人時行……市川門之助

二、京人形(きょうにんぎょう)
左甚五郎……尾上松緑
京人形の精……中村壱太郎
娘おみつ実は義照妹井筒姫……坂東新悟
奴照平……坂東亀寿
甚五郎女房おとく……市川門之助

三、四代目中村鴈治郎襲名披露
口上(こうじょう)

翫雀改め中村鴈治郎
幹部俳優出演

四、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
浮世又平……翫雀改め中村鴈治郎
女房おとく……市川猿之助
土佐修理之助……中村壱太郎
将監北の方……坂東竹三郎
狩野雅楽之助……尾上松緑
土佐将監光信……坂東彌十郎

<夜の部>16:15

一、曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
天満屋お初……坂田藤十郎
平野屋徳兵衛……翫雀改め中村鴈治郎
天満屋惣兵衛……坂東彌十郎
下女お玉……中村寿治郎
油屋九平次……中村扇雀
平野屋久右衛門……中村梅玉

二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精……翫雀改め中村鴈治郎
狂言師左近後に仔獅子の精……中村壱太郎
僧蓮念……市川猿之助
僧遍念……尾上松緑

三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
川連法眼館の場
市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候

佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐……市川猿之助
静御前……中村壱太郎
駿河次郎……坂東亀寿
亀井六郎……中村亀鶴
川連法眼……市川寿猿
飛鳥……坂東竹三郎
源義経……市川門之助

※4歳以上有料。3等A席は取り扱いなし。
[問]大阪松竹座[TEL]06-6214-2211

大阪松竹座
http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/

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