ホーム > インタビュー&レポート > 林家花丸が受賞した第9回繁昌亭大賞に 桂蝶六の三代目桂花団治襲名と 天満天神繁昌亭の最新ニュースをお届け!
繁昌亭大賞は「若い人にもチャンスを与えたい。繁昌亭からスターを!」という六代桂文枝上方落語協会会長の思いから2007年に創設された賞で、受賞者には昼席のトリや中入り前の中トリに出演するチャンスが与えられる。選考会後の会見には文枝と欠席の紫をのぞく受賞者4名が出席。
「この賞を誇りに思って、大きな看板になるように気合いを入れて頑張ってもらいたいです」(文枝)
大賞の花丸は平成3年に林家染丸に入門。人情噺や爆笑ネタ、新作などを幅広く演じる一方、古典落語に斬新なアレンジを加えて独自の世界を生み出している。2015年2月以降に開かれる受賞記念ウィークでは初めてトリで繁昌亭の舞台に上がる。「これからもいろいろな噺を手掛けて、『今日の花丸は何をするのか』と楽しみにしていただける噺家に成長できるようにますます精進していくつもりです。トリでは今まで昼席で披露していなかったネタや、はしょってやらせていただいていたネタをじっくりと楽しんでいただけるようにやりたいと思っています」(花丸)
故・桂吉朝門下の吉坊は平成11年入門で現在33歳。最年少での奨励賞受賞だ。「うちの師匠から昔、『お前の年に合わせたもので、ちゃんとお客さんが納得するところを見せなさい』と言われました。なるだけ楽しんでいただくということを変わらず、やらせていただきたいと思います」(吉坊)
今年入門20年目を迎えた桂文福門下の桂文鹿は創作を始めて2年目で創作賞を受賞。1作品を30分くらいで創作し、30作近く創ってきたという。「昼席で常時出せる作品をこれからも創っていきたいと思っています」(文鹿)。
輝き賞の小鯛は入門7年目。「これからもがんばって行けよと言われていると解釈しています」。繁昌亭の入門講座をきっかけに落語家になった女流の紫は「今は繁昌亭という舞台に日々出させて頂き、もがいているわけですが、そこで賞を頂けるのはこの上ない喜びです」とコメントを発表した。
そしてもう一つの慶事は襲名。来春、「桂花団治」の名跡が70年ぶりに復活する。三代目として白羽の矢が立ったのは華があり、狂言など多方面でも活躍を見せる蝶六だ。
「花団治の名には華やかさを感じています。蝶六君にはふさわしい名前で、大いに活躍していただきたいです」(福団治)
初代花団治は初代春団治の弟弟子で明治の末から大正にかけての落語の看板、二代目は喜劇の俳優としても名を馳せた。「先々代は落語一筋、二代目は落語以外にもいろんなことをしておられました。そういう意味では僕もちょっと似ているところがあるのかなと思っています(笑)」(蝶六)。
毎年4月に大阪の池田市で開催されている「春団治まつり」で、蝶六としてのフィナーレと花団治の襲名公演が華々しく行われる。「大師匠の三代目桂春団治にも『ええ名前やな。頑張りや』と言ってもらえました。この名にふさわしい噺家にならないかんなと。大きく化けたいと思います」(蝶六)
受賞と襲名。世代交代が進む中、上方落語界の新世代の活躍に注目したい。
取材・文/日高美恵
(2014年12月 8日更新)
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▼1月14日(水) 18:30
天満天神繁昌亭
一般-2000円 大高生・身障者-1800円
中・小-1500円
[出演]林家花丸/桂文鹿/桂吉坊/露の紫/桂文枝/桂三金
発売中 Pコード:597-700
▼12月22日(月) 18:30
天満天神繁昌亭
一般-2000円 大高生・身障者-1800円
中・小-1500円
[出演]露の都/桂蝶六/林家花丸/桂雀太/露の紫/桂鞠輔
※未就学児童は入場不可。各公演とも整理番号付。12/22(月)18:30公演は中学生以下保護者同伴に限る。