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研音の若手俳優が歌やダンス、芝居等を披露する
イベント『MEN ON STYLE』について
市川知宏と入江甚儀にインタビュー

研音に所属する若手俳優が集い、ダンスや歌、芝居などのライブパフォーマンスを繰り広げるイベント『MEN ON STYLE 2014』が、大阪で初めて開かれる。出演するのは、ドラマや映画、舞台などで活躍する福士蒼汰、竜星涼、永瀬匡、市川知宏、山本涼介、入江甚儀の6人。今回は、市川知宏と入江甚儀が『MEN ON STYLE』に対する思いを話してくれた。

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--『MEN ON STYLE』が初めて開催されたのは2012年です。そのときの心境はいかがでしたか?

入江甚儀(以下、入江):舞台でもコンサートでもないイベントを6人でいきなりするのは、正直言って不安でした。自分たちが何をやりたいか問われるのは、第1回だと思うんです。お客さんを楽しませるにはどうしたらいいか、手探りの状況でしたね。何をしたいか、それぞれが主張もできて、個性が出た。歌やダンス、コント、芝居のほか書道もしたんですよ。
市川知宏(以下、市川):もともと6人はご飯にも行く仲なので、人間関係では何の問題もなかったですね。でも、ダンスや歌を人前で披露したことはなくて…。スタッフも含め、メンバー全員が不安だったと思うので、4か月みっちり稽古をしました。
 
--本番はどうでしたか?
 
入江:すごく楽しかったです。舞台では、役になって人前に出る。でも、入江甚儀として歌って踊るのは初めての経験で、お客さんの反応が全然違う。ちょっといい気になるというか、キャーキャー言われるのって気持ちいいなと思っちゃいました(笑)。芝居は静かに見るものだけど、イベントだとお客さんはもっと盛り上がれる。お客さんの気持ちがダイレクトに向かってくるのを感じて、テンションが上がりました。
市川:僕もあっという間で楽しかったです。初日で舞台が最初に暗転したときのあの興奮とワクワク感は今でも忘れられないですね。お客さんがペンライトを振ってくれたのも印象的でした。家に帰って洗濯物を干しながら、今日あったことは夢だったんじゃないか…と日常生活とのギャップに茫然としました(笑)。
 
--お二人とも素のままで歌もコントもされている気がしましたが?
 
入江:いえいえ。演じていると言ったら語弊がありますが、普段はあんなテンションではないですよ。
市川:スイッチは入れています。素のままじゃ出られませんし、無理しているわけではないですが、楽しんでもらえるようなモードにしています。
 
--コントは初挑戦だったのですよね?
 
入江:はい、そうです。芝居とはエネルギーの使い方が全然違いました。芝居だったら長いから、もし、どこかで失敗してもフォローができるけれど、コントは一つ崩れると、時間がないのでそのまま終わってしまう。緊張しましたね。
市川:僕、稽古ではコントにリアリティー感が出せなくて。もっとテンションを上げろと言われて、何で上げなきゃいけないのと思いながら、無理やりスイッチを入れていました(笑)。
入江:あれは上げて良かったんだよ。
市川:そうか(笑)。本番では、お客さんが日によって笑う場所が違うので、昨日はここでウケたのに、今日はウケなかった…と惑わされました。コントは、大阪でやるのは怖いな。大阪の人は〝間〟とかすごい厳しいと思いますし、面白くなかったら生卵が飛んできそう(笑)。
入江:パクッと口で受け止めるのはどう?(笑)
 
--6人ならではのケミストリーも感じられましたか?
 
市川:もちろんです。6人がそれぞれ色んな顔を持っていて、個性的だからこそ、見ごたえのある『MEN ON STYLE』になったと思います。
入江:僕たち皆、個性があってバラバラ。それぞれ得意、不得意分野があるからこそ、お互いのいいところを吸収し合えるんですよ。
 
--特に6人仲がいいと、芝居はやりやすいのではないでしょうか?
 
入江:それが逆なんです(笑)。よく知っているぶん、演技パターンが分かってしまってやりにくい。芝居をやっているときは、一番人間性が分かるんです。例えば、引っ込み思案だったり、自己主張が激しかったりするのが、すごく出る。“コイツはこう来るな”というのが読めるんですよね。
市川:僕も同じですね。過去2回開催された、『MEN ON STYLE 2012、2013』では、芝居の内容が本人のキャラクターに寄せて書かれている。まったく自分とは違う役をするほうが、芝居パターンが分からないですからね。
 

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--自分に近いとはどんな役柄ですか?
 
入江:市川君は公務員ぽい役。
市川:公務員の方に失礼だろう(笑)。入江君は熱い役ですね。
入江:自分とかけ離れた役をするほうが僕たちも成長できるのではないかと思います。今後の僕たちの課題ですね。
 
--皆さん同世代ですし、ライバル意識はありますか?
 
入江:ないですね。それぞれいいところはいいし、悪いところは悪い。お互い、いいところを循環させ合った方が切磋琢磨できると思うんです。仮に、メンバーがいい仕事をしていても、“くそー!ムカつく、よりも、あいつ頑張ってるな、俺も頑張ろう”という感じですね。
市川:僕もないです。それに、あまり他の人の作品は見ないんです(笑)。皆、伸び伸びやってればいいかな。僕も伸び伸びですし。お互いにいいところを伸ばしていければ。
 
--喧嘩したりはしないのですか?
 
市川:僕は平和主義なので、たとえイラッときても何も言いません。
入江:僕も。喧嘩してもいいことないしね。普段は別々の場で活躍しているから、先輩後輩の関係もないんです。
 
--いい意味でガツガツしていないのですね(笑)。
 
市川:ガツガツさを見せないことによって相手を油断させている(笑)。
入江:みんなクールだよね。ネットなどがあって、可能性が広がっているからではないでしょうか。やりたいことが同じでも、枝分かれして道がたくさんあるからだと思います。
市川:一緒にやるならギスギスするのは避けたいですね。『MEN ON STYLE』を応援してくれる人を満足させるのが僕たちの役目ですから。
 
--お二人ともドラマや映画、舞台で活動されて、今、やりたい方向に進んでいる状況ですか?
 
入江:それは自信を持ってそうだと言えます。僕は俳優を目指すため、中学2年生のときに事務所に自分で書類を送ったのですが、演じることとは何かと分かるようになったのは、ここ数年です。とくに舞台では板の上に立ったら、すべてが出る。俳優として基礎がしっかりできていないとダメだと実感しています。
市川:僕は『ジュノン・スーパーボーイ』でグランプリを獲って、フワフワしていた時期がありました(笑)。最初はどうしようと思いながら役者をしていて、スイッチが入るのに2年かかりました。最近やっと楽しめるようになりましたね。今、一番の使命は、与えられた役を魅力的に演じることだと思っています。
 
--お互い役者としてどう評価されていますか?
 
市川:入江君は、役に対するアプローチを人一倍突き詰めている。色んな役の可能性を追求していて、すごいと思います。
入江:市川君は人前では言いませんが、陰ですごく努力していて、武士のような人。さっき、他の人の作品は見ないと言ってたけれど、実は僕のは見ていてくれる(笑)。それと、僕たちには出せない独特の変な空気を出すんです。ほかの人は絶対マネができない。それがはまれば、すごい役者になると思うんです。
市川:現場ではなかなか出せないんだよな(笑)。つい真面目になってしまう。
入江:それに、最年長なのにいじられキャラ。ますだおかだの岡田さんみたいです(笑)。
市川:自称『MEN ON STYLE』のリーダーなんですけれど。でも、僕をいじることによって皆がまとまって、いい空気が生まれればそれで満足。被害者です(笑)。
 
--最後に、大阪公演について聞かせて下さい。
 
入江:新曲を含んだ歌や踊りはもちろん、芝居、コント、ゲームをする予定です。内容をさらにパワーアップして、ドンドン進化する僕たちを見てもらえたら。
市川:今回は映像もプラスされると思います。ゲームも公演によって別メニューで。前回は、けん玉や“あっち向いてホイ大会”が意外に盛り上がりました(笑)。
入江:事前に東京公演で場数を踏んだ分、大阪公演はよりポイントを掴んで、僕たちも楽しめるのではないかと思います。12月30日(火)に開かれるので、一年の締めくくりにお祭り気分で来ていただきたいですね。
 
取材・文/米満 ゆうこ
 
 



(2014年11月18日更新)


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市川知宏(写真左)●いちかわともひろ……1991年生まれ、東京都出身。第21回JUNONスーパーボーイグランプリ受賞。2011年、舞台『ピグマリオン』でヘンリー・ビギンズ役で初舞台・初出演。近年の出演作は映画『銀の匙』(2014年)『好きっていいなよ。』(2014年)。ドラマTBS系『家族狩り』(2014年)、CX系『信長協奏曲』に出演中。

入江甚儀(写真右)●いりえじんぎ…1993年生まれ、千葉県出身。映画、2010年、『パリジャン!』で初舞台・初主演を果たす。以降、『パルコ劇場40周年記

MEN ON STYLE 2014

▼12月30日(火) 12:00/17:00

NHK大阪ホール

全席指定-5900円

[出演]福士蒼汰/竜星涼/永瀬匡/市川知宏/山本涼介/入江甚儀

[問]シアターBRAVA!
[TEL]06-6946-2260

※小学生以上は有料。未就学児童は膝上無料。但し、お席が必要な場合は有料。
※前売券完売。当日券は昼夜とも販売。詳細が決まり次第、シアターBRAVA!公式サイトで告知。

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