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ホーム > インタビュー&レポート > 松竹楽劇部生徒養成所の生徒たちの夢に向かう情熱と 家族愛を描いた舞台『道頓堀パラダイス』が 大阪松竹座で開幕! ヒロインを演じる元宝塚歌劇団 雪組トップ娘役の舞羽美海と舞台初出演となる お笑い芸人・キンタロー。に作品への思いを聞いた

松竹楽劇部生徒養成所の生徒たちの夢に向かう情熱と
家族愛を描いた舞台『道頓堀パラダイス』が
大阪松竹座で開幕! ヒロインを演じる元宝塚歌劇団
雪組トップ娘役の舞羽美海と舞台初出演となる
お笑い芸人・キンタロー。に作品への思いを聞いた

2015年の道頓堀開削400年に先駆けて、芝居街として栄えた大正時代の道頓堀と大阪松竹座の歴史を描いた舞台『道頓堀パラダイス~夢の道頓堀レビュー誕生物語~』が9月13日(土)より同劇場にて幕を開ける。
現在のOSK日本歌劇団の前身である松竹楽劇部の誕生と、大阪松竹座のこけら落とし公演までを、楽劇部養成所の生徒たちの成長や家族愛、劇場を盛り立てようと奮闘する人々を中心にドラマティックに魅せる本作。芝居に加え、歌やダンス、そして華やかなレビューショーといった見どころ盛りだくさんの構成となっている。
ヒロイン春子を演じるのは元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の舞羽美海、同期生にはダンスに定評のあるお笑い界のニューヒロイン・キンタロー。(Wキャスト)とOSK日本歌劇団の舞美りらが登場。春子の父由禎に曾我廼家八十吉、そして叔母に山田スミ子が扮する。また、楽劇部養成所所長に国広富之、教師に真島茂樹、松竹合名会社の部長にいま寛大、そして社長の白井松次郎に高田次郎と、個性豊かな面々が登場し、物語をより一層、深い味わいで魅せてゆく。
開幕を前に、ヒロインの春子を務める舞羽美海と同期生の桃子役で初舞台となるキンタロー。に本公演に向けての意気込みなどを聞いた。

--今日はインタビュー取材の前に本公演の製作発表会見もありました。キンタロー。さんは初舞台となりますが、舞羽さんとこうしてお会いしてみて、いかがですか?
 
キンタロー。:稽古初日に参加できないので、様子とかいろいろ教えてもらおうと思ってます。舞羽さんに、いろいろ頼ろうと思っています。
 
舞羽美海(以下、舞羽):力になれるよう、頑張ります!
 
--製作会見はどうでしたか?
 
キンタロー。:舞台の製作会見は初めてで。よくテレビで映画とか舞台の製作発表を見ていたんですけど、自分がまさかその場所に立つとは思ってなかったので“どうしよう”って。まじめに喋るだけでいいのか、何か笑いを入れなくていいのかとか考えて怖くなったりしたんですけど、最高齢の長である高田次郎さんが「ぜひ見に来てください。素敵な芝居にしますので」と、すごく元気に「やります!」っておっしゃっていたので、私も期待に添えられるように頑張らなきゃと思いました。
 
舞羽:キンタロー。さんとは先日初めてお会いして、少しお話しただけでしたが、楽しみだなって思いました。製作会見の4人(高田次郎、舞羽美海、国広富之、キンタロー。が登壇)が集まっただけでも、すごくおもしろいなと思ったので、楽しい作品になるなと思いました。キンタロー。さんはテレビでダンスを拝見した数日後にお会いできてうれしくて…。
 
キンタロー。:いやいや、ありがとうございます。
 
舞羽:もうドキドキします(笑)。
 
キンタロー。:舞羽さんとはポスターの撮影のときが初対面だったんですけど、衣裳のこととか分からなかったんですけど、アドバイスをしてくださったんです。それがすごくうれしかったです。本当にうれしくて、優しいなぁと思って。ありがとうございました。
 
--キンタロー。さんは会見で「いろんなことを舞羽さんに教えてもらおう」とおっしゃっていました。まず何をお伺いしたいですか?
 
キンタロー。:立ち振る舞いから何から…。掟じゃないですけど、マナーとか、無意識のうちに失礼なことをしたらちょっと言ってほしいなって思ったり…。周りの人が不快にならないようにとか、舞台のやり方とか、どこを見るのかとか…。お客様にお尻を向けちゃいけないというのは、小学校の学芸会で教わったんですけど、本格的な舞台は初めてなので、稽古の感じも全然分かんないし、分からないことをいろいろ聞きたいです。
 
舞羽:稽古に関しては、私も未知で不安です。ただ、キンタロー。さんには、初舞台だからこそのパワーで、ありのままの姿で稽古場にいてほしいなと思います。そんな姿を見て私も頑張りたいなって。舞台での見え方などは演出のわかぎゑふさんが教えてくださると思うので、キンタロー。さんには、そのままでいてほしいですね。
 
キンタロー。:ありがとうございます。あまり気負わずに頑張ろうと思います。
 
--本作が初舞台ということで、今の心境はいかがですか?
 
キンタロー。:初舞台ということをプラスして、今東京に住んでいるんですけど、大阪で稽古をするので、いろいろ気をつけなきゃなって思ってます。寝坊しちゃだめだとか…。基本中の基本なんですけど、結構朝が弱くて。
 
舞羽:そうなんですか! 忙しすぎるんじゃないですか?
 
キンタロー。:いやいや、もともと朝が弱くて。だから生活改善をしなきゃと思っています。あと、ピン芸人なので、チームワーク力も結構低いと思うんです。はみ出し気味だと思うので、そういう部分もこの公演を機に学んでいきたいと思います。
 
舞羽:人見知りですか?
 
キンタロー。:人見知りというより、勝手に気を遣ってる感じですね。たぶん、そこまで気を遣わなくていいんだろうけど、いろいろ考えすぎて。なんか、いろいろな想像をして。
 
舞羽:(笑)考えすぎ?
 
キンタロー。:そう、勝手にいろいろ考えちゃって、勝手に自分で疲れて。燃費が悪い感じです。
 
--舞羽さんは、初舞台を迎えたとき、どんなお気持ちだったか覚えていますか?
 
舞羽:宝塚での初舞台は、ただただうれしかったです。舞台に立てることとか、お客様の前にいるということとか、衣裳と照明と生のオーケストラがあって、支えてくださるスタッフさんがいて…。その全部を感じて、幸せしか感じられなかったです。
 
--ちなみに、今年2月に出演された大阪松竹座の「道頓堀喜劇祭り」はいかがでしたか?
 
舞羽:楽しかったです。すごく勉強になりました。松竹新喜劇の皆さんが、芝居を心から愛していらっしゃるんですよね。その役として舞台上で生き生きとされているのが印象的で、その中に私も参加できたことがすごく楽しかったですし、芝居の原点に戻れた気がしました。
 
--なるほど。キンタロー。さんは大阪松竹座に行かれたことはありますか?
 
キンタロー。:前を通って、「あ、ここか」と。いつか観に行こうと思って、東京にいるのでなかなか行けずに。そしたら出る機会が先に来ました。
 
--大阪松竹座という大きな劇場が初舞台となります。
 
キンタロー。:どういう感じになるのかまったく分からないのですが…。そうですね、まず台詞を全部暗記するのが…。暗記するんですよね?
 
舞羽:暗記します(笑)。
 
キンタロー。:いや~、全部インプットできるのかという恐怖が…。頭に入るのだろうか…。でも、頭大きいから、脳みそも大きいはずだとか思ったりして…。暗記ですもんね。まずそれと、2回公演もあるので、1回目と2回目でムラがないようにしなきゃいけないとか。1回目に力を注ぎすぎて2回目でガス欠になったりとか、営業でそういう感じになったりするので、そういう部分も大丈夫かって思って。いろいろ勉強になるんですけど、自分が得意としていない分野、チームワークとか、集中力の持続とか…。ネタにしても3分のネタ、10分のネタ、長くて30分。芝居はもっと長いじゃないですか。だから集中力を持続させるところでも勉強になると思うので、今回の『道頓堀パラダイス』で成長したいなと思っています。
 
--舞羽さんはどういうふうに集中力を持続されていますか?
 
キンタロー。:やっぱ役になりきってるんですか? その時間は。自分じゃなくなってる感じですか? 憑依している感じ?
 
舞羽:どうなんでしょう…。でも、舞台に立つとやっぱり、役として緊張感を持ってやっていると思います。
 
キンタロー。:本当、集中していないと、ぼーっとして自分の出番になったときに「出番だよ!」って言われて、“わ~”って慌ててやばいとか…。
 
舞羽:(笑)全力でサポートします!
 
キンタロー。:中学校のときに演劇部に入ってたんですけど、比べ物にならないですよね…。台詞を覚えるのがまず難関で、覚えてさらに自分の言葉として喋るということを頑張らないと…。
 
--お芝居は関西弁ですよね?
 
キンタロー。:そうですね、関西に住んでいた頃の自分を呼び起こして…。気になるのは、芝居上の関西弁と、普段の関西弁ってちょっと違うじゃないですか。朝ドラとかのイントネーション、ああいうテイストなのか、自然なのか、どっちだろうって。お芝居とかでも、ちょっとうそ臭い関西弁があるじゃないですか(笑)。
 
舞羽:ありますよね、確かに(笑)。関西弁でもコテコテとか、神戸や京都寄りもありますし。
 
キンタロー。:「道頓堀喜劇祭り」のときはどっちでした?
 
舞羽:どっちかというと、ナチュラルなイメージでした。今回はどうなんだろう…。調査しておきます(笑)。
 
--お芝居は大正時代のレビュー華やかなりし頃の時代を描いていますが、その時代の道頓堀に対するイメージは、何かお持ちですか?
 
舞羽:今でも人情にあふれている温かい街というイメージがあるのですが、高田さんがおっしゃっるには、昔は今以上に人情にあふれていたとかで。ご近所付き合いとかも仲よさそうですよね。みんなが地元を愛しているというか…。
 
キンタロー。:タイトルに「道頓堀」がつく歌って人情の歌が多いから、やっぱりそういう街なんだろうかって思います。昔からいる人の視点でイメージしてみると、人間くさいような場所なのかなって思います。
 
--なるほど。レビューシーンもありまして、キンタロー。さんもダンスはもう、お手のものですよね?
 
キンタロー。:そうですね、頑張りたいです。
 
--ダンスに対しては、恐怖心はないですか?
 
キンタロー。:そうですね、ダンスはこれまでやってきたことを生かせるかなと思います。
 
--舞羽さんは、レビューは宝塚歌劇以来ですか?
 
舞羽:そうですね、退団以来ですね。私も踊りが好きなんですよ! キンタロー。さんとはダンスのジャンルが全然違うんですけど、レッスンも行ったりしているので、それを生かせたらと思いますし、劇中の踊りも、レビューも、華やかなシーンになるようにしたいです。
 
--では最後に、作品にかける意気込みやメッセージをお願いします。
 
舞羽:個性豊かな、いろんなジャンルの方々が集まって一つの作品を作る中で、青春であったり、親子愛とか友情とか、いろんな人たちの温かい思いとか、大阪を愛する私たちの思いとか、たくさんのいろんな思いが詰まっているので、大阪にお住まいの方ももちろん観ていただきたいですし、大阪の方たちが地方の方とか、いろんな方を巻き込んでいって、道頓堀が盛り上がればと思います。頑張ります!
 
キンタロー。:とんこつラーメンじゃないですけど、「また観たくなっちゃうんだよね~」っていうくらい、クセになる、印象に残る舞台にしたいと思います。私自身、人情系のドラマが好きなので、人と人との人情があふれ出るようなお芝居になるように、みんなで一致団結して、そういった味を出して、観ている人に伝わるように演じたいと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでください。
 
--ありがとうございました。
 



(2014年9月 9日更新)


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写真左:舞羽美海
まいはね みみ●兵庫県出身。2007年に第93期生として宝塚歌劇団に入団。2009年にバウホール公演『忘れ雪』にて初ヒロインを勤め、2011年に『黒い瞳/ロックオン!』で雪組トップ娘役に就任。2012年12月退団。2014年2月、「道頓堀喜劇祭り」に出演し、喜劇作品に初挑戦した。映画「マザー」にはヒロインとして出演。

写真右:キンタロー。
愛知県出身。29歳で松竹芸能タレントスクールに入学し、2012年にデビュー。前田敦子、光浦靖子のものまねで大ブレイクを果たす

『道頓堀パラダイス
~夢の道頓堀レビュー誕生物語~』

発売中

Pコード:438-834

▼9月13日(土)13:00★
▼9月14日(日)11:30★/16:00★
▼9月15日(月・祝)11:30☆/16:00☆
▼9月16日(火)11:30★/16:00★
▼9月17日(水)11:30☆
▼9月18日(木)11:30☆/16:00☆
▼9月20日(土)11:30★/16:00★
▼9月21日(日)11:30★/16:00★
▼9月22日(月)11:30☆
▼9月23日(火・祝)11:30☆/16:00★
▼9月24日(水)11:30☆

※貸切=9/19(金)11:30★。

★…キンタロー。☆…天然もろこし・関根知佳

大阪松竹座

1等席-10000円

2等席-6000円

3等席-4000円

[作]池田政之

[演出]わかぎゑふ

[出演]舞羽美海/国広富之/山田スミ子/真島茂樹/いま寛大/曽我廼家八十吉/舞美りら/キンタロー。/高田次郎

※未就学児童は入場不可。

[問]大阪松竹座
[TEL]06-6214-2211

『道頓堀パラダイス
~夢の道頓堀レビュー誕生物語~』
公式サイト
http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/schedule/2014/9/post_159.php

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