17年ぶりに復活した新生東京パフォーマンスドールが
歌とダンスと芝居がミックスした舞台『PLAY×LIVE
「1×0」』を全5話コンプリート版で大阪初上演!
本公演を高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季が語る!
2013年6月、全国8800人のオーディションから選出した、平均年齢16才のガールズグループ、東京パフォーマンスドール(以下、TPD)が『東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE「1×0」(プレイライブ「ワンバイゼロ」)』 で舞台デビューを果たした。そして2014年にはアンコール公演、ニューバージョン公演と上演を重ね、ついに大阪初登場。シリーズ初のコンプリート版を上演する。
「PLAY×LIVE」とは、歌・ダンス・芝居で構成される、演劇とライブを融合させた新しいエンターテイメント。演劇パートは、エピソード毎にメインとなるキャストが変わり、それぞれ完結したストーリーで展開。だが、全エピソードを観るとその全貌が明らかになるという仕組みだ。寸分の狂いなく計算しつくされた3DプロジェクションマッピングとTPDのダンスをはじめ、篠原涼子、穴井夕子らが在籍した初代TPDから受け継ぐノンストップのパフォーマンス “ダンスサミット”も再編成&バージョンアップして披露。根城である東京・渋谷の劇場、CBGKシブゲキ!!で繰り広げられた彼女たちの全力のパフォーマンスは話題を呼び、2014年6月の満を持してのCDデビューへの布石ともなった。
そこで、本公演を前に来阪した新生TPDのリーダー高嶋菜七と、上西星来、櫻井紗季に、『PLAY×LIVE「1×0」』への意気込みのほか、TPDとしての決意を聞いた。
――2013年6月に舞台デビューを果たして。まず、この1年はどんな日々でしたか?
櫻井紗季(以下、櫻井):スピードが速くて、今まで地元で過ごしていた生活とは180度、いきなり変わって。内容が詰まりに詰まった1年でした。ただ、初めの半年はものすごく長く感じて、半年が3年くらいのような気がしていました。今はもう、あっという間です。何か不思議な感覚ですね。
上西星来(以下、上西):私は、人生の中で一番、将来のことを考えた1年だったかなって思います。自分がどういうふうになりたいのかとか、いろいろ考えた1年でした。
高嶋菜七(以下、高嶋):私は頭がパンパンになった1年でしたね。1から覚えることがたくさんあって、とりあえず全て入れ込むことに必死でした。
――高嶋さんはリーダーという大役ですが、ご自身の性格上、リーダーは向いていると思いますか?
高嶋:ひとつのことをまとめることが好きで。学生時代も実行委員や指揮者やったりと、そういうことをするのが好きだったので、今もリーダーという役目はわりと好きかなって思います。
――上西さん、櫻井さんから見たリーダーの高嶋さんは、どういう印象ですか?
上西:場の雰囲気を和ませてくれるし、しかもおしゃべりが達者なので頼りがいがあります。テレビなどのお仕事でもそうですが、楽屋での過ごし方とか、ご挨拶しに行くときとかも、先頭切って行ってくれるので頼ってます。
櫻井:リーダーというと、ちょっとぴりぴりしたイメージだったのですが、菜七ちゃんはいい意味でゆるさがあるというか。ちょっとだけ、ほんとたまになんですけど、抜けてるところもあるので(笑)。メンバーはしっかり者が多いので、そういうところはみんなで支えながら…。ただ、本当におしゃべりが上手なので、トークの部分はお任せしてます(笑)。
――自他共に認めるおしゃべり上手?
高嶋:しゃべるのが好きなだけなんですけど、小さい頃からお笑いとか、バラエティが好きで見てたので。あと、子どもの頃も友達と話すよりお母さん同士の会話に入るのが好きやったんですよ。そういうこともあって、おしゃべりが好きなんだと思います。結構ずっと、しゃべってるよね? みんな、朝とかめちゃテンションが低いんです。「おはよう!!」って言っても、小さい声で「……おはよう」くらいで。“あー、温度差!”っていう感じです、いっつも(笑)。
――お母さん同士の会話に入ってたんですね(笑)。
高嶋:めっちゃませてたと思います。幼いながら家計の話とか入るのが好きで、ママ同士がパパのことを「もうね、ほんとだらしがない!」って言うのとか聞くのが好きでした(笑)
櫻井:だから情報網が…。すごい情報を持ってるんですよ!
高嶋:聞く耳が鍛えられたのかな? 大人の話もめっちゃ好きです!(笑)
――では、ちょっとさかのぼりまして、どういうきっかけで芸能の世界を目指したんですか?
櫻井:私はモデルさんとか、女優さんに興味があったんですけど、母がこのオーディションを見つけてきて、“自分の夢への一歩として、これはチャンスだから受けてみたら?”と薦められて受けました。
上西:櫻井さんと似ているんですけど、私もずっとモデルさんがやりたくて。歌とかダンスは全然やったことがなかったので、不安もいっぱいあったんですけど、でもこういうことを経てモデルさんとかに近づけるのかなと思って、オーディションを受けてみました。
高嶋:オーディションを受ける当時、周りの友達は将来の夢とか決まってたけど、私は目指すものがなくて途方に暮れてて。どうしようかなって迷ってたときにお母さんが“いろいろなことにチャンレジしてみて、見つけたらいいんじゃない?”って言ってくれて。そして、お母さんがオーディションの応募用紙を持ってきてくれて、“受からんかってもそれでいいし、受かったらがんばりなさい”と言ってくれて。そうして、今ここにいさせてもらっています。
――『PLAY×LIVE「1×0」』は歌、ダンスはもちろん、演技もあります。このパフォーマンスを始めると知ったときの心境はいかがでしたか?
櫻井:ガールズグループとしてのスタートはCDデビューからなのかなと思っていたので、いきなり舞台と言われて、しかもみんな演技をやったことがなかったので「大丈夫なのかな?」、「できるのかな?」って思ってました。でも、お芝居は好きだったので、そんな不安よりも初めはワクワクの方が大きかったんです。ただ、いざ稽古が始まると、ダンス、歌、お芝居と一気に動いたので、頭がいっぱいいっぱいになって。すごく悔しい思いもたくさんしましたね。
上西:私は、歌とダンスは当然、あるだろうと思っていて、ダンスはバレエを習ってたので見よう見まねでついていくしかないなって。歌も歌うしかないと思っていたんですけど、演技はまったくよく分からなくて。流れに任せたらついていけるのかなと思っていたのですが、台本の内容の奥深さに全然、気づけなくて…。今も、もっともっといろんな人の観察をして、勉強していきたいなと思ってます。
――経験を重ねて、台本の奥深さに気づいていったんですか?
上西:そうですね。行間とかも全然…。初演のころは台詞を覚えるのに必死で全然分かんなかったり…。なので今回の大阪公演では、もっと成長したものを見せられたらと思ってます。
高嶋:私はダンスも歌もお芝居も全部、未経験で。ダンスにしても軸がまったくなくて、体も固いし、最初からすごく難しくて。歌もカラオケで歌う程度だったんです。でも、歌とダンスは、今、星来が言ったようにこれから習得して練習を重ねたら大丈夫かな?って思ってたんですけど、演技は…。ドラマとか映画を見るのは大好きなんですけど、自分が演じる側になると見方も変わって。演技ってこんな難しかったんだって、基礎から習って改めて思って。場数もあると思うんですけど、でもやっぱりちゃんと意識すると上達具合も変わってくると思うんです。なので、がんばっていろんな女優さん、俳優さんの演技の映像を見て勉強しています。
――未経験から始まった『PLAY×LIVE「1×0」』ですが、演出家のウォーリー木下さんとともに、メンバーの皆さんもアイデアを出し合って作っていかれたそうですね。
櫻井:“オーディション”と呼んでいるものが私たちの間にあって。メンバー一人ずつ、オーディションをするんです。<エピソード1>だったら、リーダーの菜七ちゃんが上から落ちそうになるシーンがあるのですが、その見せ方をメンバー一人ずつオーディションして、一番いい子のやり方を取り入れてみようとか。ダンスでもライトを使うところがあるんですけども、これもメンバーの脇あかりのアイデアから取り入れました。
――ウォーリーさんもメンバーの意見をちゃんと反映してくださって。
高嶋:そうなんです。私たちも一緒に舞台を作り上げている感じです。
--『PLAY×LIVE「1×0」』は<エピソード1>から<エピソード5>までありますが、皆さんが出られるパートの特徴を教えてください。
高嶋:私は<エピソード1>で、小林晏夕(あんゆ)と一緒に主役で出ています。私は“ポンコツリーダー”の役で、何でもがんばりすぎて空回りしてしまうことが多くて、自信がないキャラなんです。それで、どんくさい部分も見せるためにコケるシーンもたくさん作っていて、地味に痛かったりします(笑)。そういう、“今、こけた!”っていうところを見てほしいです。あと、晏夕は、ずっとリーダーになりたかったのに私がなってしまったので、私のことを好きじゃないという役で、グループの中でも孤立している存在です。そこで私が敢えて晏夕を誘ってふたりで<エピソード1>の世界に入っていって、衝突しつつもふたりで助け合わないとダメなことに気づいて奮闘するという物語です。大切なものを失ったことに後から気づくところも、見どころじゃないかなと思います。
上西:私は<エピソード2>の主役で、友情を深め合うというか、お互い、自分にはない部分に気づき合えるお話です。笑える部分もたくさんあります!
櫻井:私が主役をさせてもらっている<エピソード3>は、<エピソード2>とまた対照的でシリアスというか…。衝撃的なシーンから始まります。私と相手役の浜崎香帆は、ふたりとも過去に秘密を抱えていて、自分の領域を守りながら会話とかするんですけど、あるきっかけでお互いが信頼するタイミングがあって…。不器用っていうか、内に秘めた魅力がふたりの役にあるので、そこにも注目していただきたいです。
――それぞれのエピソードはもちろんストーリーが異なりますが、主役のエピソード以外ではアンサンブルで出演されています。アンサンブルの立場で、主役によって雰囲気が違うなという感覚はありますか?
高嶋:ありますね。エピソードによって色も違います。たとえば<エピソード1>は薄暗い感じ、<2>はオレンジとか明るい色のイメージで。アンサンブル隊として出演していても、主役のふたりの気持ちによって心も変動するというか。<3>は感動するシーンが多くて、アンサンブルの私も泣きそうになったり、<2>の面白いシーンでは心の中でルンルンしていたりとか。全然違います。
――では、初の大阪公演に向けて意気込みを聞かせてください。
高嶋:大阪公演はシアターBRAVA!で上演させていただくのですが、ずっと上演している東京のCBGKシブゲキ!!という劇場はキャパが240席ぐらいで、BRAVA!はその倍以上になります。同じ芝居でもステージの大きさが違うと今まで伝わっていたものももっと大きく表現しないと伝わらないと思うし、そういうことをもっと意識して、気持ちを伝えたいと思います。
上西:<エピソード1>から<5>を3日間かけて上演するので、一つ一つをちゃんと演じていきたいなと思います。
櫻井:大きい劇場に対応できる目線や声の出し方、体の動きとか学んだので、そういったお勉強も生かせるのではないかなと思います。『PLAY×LIVE「1×0」』では3Dプロジェクションマッピングも取り入れているので、初めて見る方はきっと驚かれると思います。映像に合わせて自分たちも工夫して、一秒もタイミングを外さずにやっているので、そういうところも見どころです。あと、ボックスという正方形のオブジェを使っているのですが、シーンによって変容していくオブジェを見てほしいです!
――最後に、新生の東京パフォーマンスドールの強みや魅力を教えてください。
高嶋:東京パフォーマンスドールという名前を背負っているからには、先代が今まで続けてきたものを継承していかないと、と思います。“ダンスサミット”という歌と踊りをノンストップでやって、早着替えもするパフォーマンスを継承しつつ、私たち一人ひとりの個性ももっと磨いて、一人でも輝けるようなグループになりたいと思っています。個性をもっと強くしてTPDの色を加えていけたらいいんじゃないかなって思います。
上西:タップに挑戦したりとか、いろんなジャンルのダンスをやらせていただいているのですが、もっといろんなことをやっていきたいですね。『PLAY×LIVE「1×0」』でもフォーメーションとかしていますので、そういうことも武器にしてやっていきたいと思ってます!
(2014年7月 2日更新)
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