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「ベタじゃない吉本新喜劇、ポップな男肉 du Soleil…
両方のええとこ消しあったらどうなんねん!!」(高井)
吉本新喜劇×男肉 du Soleilという初のコラボを
公演に先駆けて高井俊彦と団長・池浦さだ夢が語る!

時に熱く、時に激しく、上半身裸にGパンの男たちがほとばしる汗と熱情を撒き散らしながら歌い踊り、勧善懲悪のストーリーを紡いでゆくパフォーマンス集団、男肉 du Soleilと、ボケとツッコミ、ギャグにズッコケと笑いのエキスパートたちが毎日、伝統と革新の笑いをお届けしている吉本新喜劇が初のコラボイベント『吉本新喜劇×男肉 du Soleil ~高井俊彦のミッション・インポッシブル~』を開催、9月3日(火)・4日(水)の2日間にわたって道頓堀ZAZAで行われる。

お笑いライブのみならず、さまざまなジャンルとのコラボレーションイベントを行っていくよしもとの新機軸「道頓堀ZAZAよしもとライブ」。このライブの一環かつ、こけら落としでもある本公演。吉本新喜劇という誰がも知るところの“ザ・王道”と、男肉 du Soleilという、どちらかといえばアングラな集団がドッキング。いわば対極に位置するこの2団体が一つになった時、いったい何が生まれるのか…!?

開催を前に、男肉 du Soleilの団長、池浦さだ夢と、吉本新喜劇のランディーズ・高井俊彦による対談を実施。果たして当日はどんな舞台になるのか…この対談にそのヒントが潜んでいるかも!? お笑い好きも、演劇好きも、どちらでもなくても、注目の舞台です!

――今日は池浦さんと高井さんの対談というとで、どうぞよろしくお願いします。この『吉本新喜劇×男肉 du Soleil ~高井俊彦のミッション・インポッシブル~』は、高井さんが中心となって数々のミッションをこなしていくというストーリーと聞いておりますが、池浦さんは高井さんをイメージして書かれたんですか?

池浦:そうですね。一度、高井さんとお話させてもらって。その後ふと、高井さんとトム・クルーズが頭の中でかぶったというか…。

高井:ちびっていうところだけでしょ?

池浦:違います、違います! 高井さんだったらスパイアクションとかかっこよく、面白くできるかなって思って。高井さんってリーダーのイメージがあって。僕ら男肉 du Soleilって結構ポンコツが多くて。そんな僕らも一緒にスパイ活動をする中、高井さんがリーダーとなって、ぐいぐい引っ張っていくと面白いかなと思って。

高井:自分ではリーダー気質とは思ってなくて…。でも、男肉さんを率いることは絶対無理です、僕は。ポスターの撮影の時に団員の方にお会いしましたが、「うわ、これは率いられへんわ」って(笑)。この濃いメンバーの方たちは無理だと。新喜劇も濃いメンバーですけど、いい意味、悪い意味、全部ひっくるめて陰と陽。

池浦:確かに、この前、初めて高井さんが出ている新喜劇を拝見したのですが、新喜劇はカラッとしてました。サニーサイドな雰囲気があって。あの舞台を観て、僕らはやっぱりダークサイドやったなって。

高井:新喜劇って、ベタで分かりやすくて、お年寄りからお子様までという感じですが、(男肉 du Soleilは)そうじゃない。

池浦:舞台上の高井さんもお日様のよう…。でもせっかくのコラボレーションなので…。男肉 du Soleilって一切、ツッコミをしないんですよ、舞台上で。「ボケと受諾」と言っていて、すべてに身を流すというスタイルなんです。というのも、ツッコミができないんですよ。真似事はできても、芸人さんの何万分の1のクオリティしかできないから。でも今回は高井さんが立ってくれるので、生まれて初めて男肉にツッコミの要素が生まれるという…。

高井:そうなんですね、それは楽しみです!

池浦:コントを作って団員にツッコミの台詞を言わしても、ま~うまく言えません。何が悪いのかも分からず、演出の仕方も分からず、「うまいことツッコんで」くらいしか言えなくて。今回、そういうところを高井さんにお願いして、勉強させてもらおうかなというのは本心からあります。

高井:ツッコミで一番楽しいのは、舞台上で何が起こるかわからへんことなんです。今回の舞台でも僕はどう、ツッコめるんやろうかと。なので、団員さんとは、練習でもある意味距離を置く方がいいかもしれないですね。……ただ、団長さん以外は、多分、クラスが一緒になっても友達になってへんタイプばっかりですね (笑)。

池浦:ほんま、クラスの左奥の方におる、廊下側の隅っこにおる集まりですから。

--団員さんは普段、どんな感じなんですか?

池浦:静かな塊というか…。

高井:クリ太マメ男くんが奈良出身で、僕と一緒なんです。団長さんが「奈良なんですよ、この子も」って紹介してくれたので、話を広げようとしても全然、広がらへんかった(笑)。

池浦:単語でしか答えられない、コミュニケーション不全みたいな病気です(笑)。中学の名前言い合って終わったという。あれはほんと、高井さんに申し訳ない。でも、舞台に立てばはっちゃける特性があるので、何とかそこは芝居で…。

高井 そうですね、面白いことになればと思いますね。

--この舞台は、対極にあるものが混ざり合う感じでしょうか。

池浦:本当にそうだと思います。僕が高井さんに抱いているイメージはポジティブでカラっとしたイメージなので、僕らみたいな日陰者にどう太陽を照らしてくれるのかなって、そこが一番の楽しみです。

高井:ベタじゃない吉本新喜劇、ポップな男肉 du Soleil…。両方ええとこ消しあったらどうなんねんっていう(笑)。

--高井さんは新喜劇入団以降、こういふうにほかの劇団の方と舞台を作られたというご経験はありますか?

高井:客演はありますが、こういう形ではないですね。今回は吉本新喜劇の代表として出させてもらおうと思っているので、そこのプライドも持って。でも一方で、プライドなんかない方がいい、ぐっちゃぐちゃにされたらいいとも思ってます。ドSとドMが入り混じったような気持ちですね(笑)。あと、この先、男肉さんの要素をどう新喜劇に取り入れるかという、僕はその課題もありますね。

--男肉さんは舞台では必ず上半身裸です。もしかしたら、高井さんも上半身裸になるかもしれない。

高井 いやいや、そういうキャラは……島木(譲二)さん?

池浦 新喜劇で裸と言えば!

――高井さんは久々にダンスを披露されると聞きました。稽古などで踊ってみてどうですか?

高井:稽古をして分かったのですが、僕が思っているダンスじゃなかったですね。WEST SIDEの時しかダンスをしていませんが、記憶していたのとは違う…。何ていうか、意地悪なダンスでした(笑)。

池浦:まあまあ、そうですね(笑)、ちょっと疲れるように仕向けてあるというか。

高井:「とりあえずこれ見てください」「いや、無理や。何やこれ」っていう。「得体の知れないこの動き、どうやったらええんねん」っていう感じでした。

--普段の舞台とは違うと思いますが、現時点ではどのような感触ですか?

高井:新喜劇は演出家の方、作家の方がおられて、みんなで稽古をするんですが、この間の稽古では、ずっと団員の方にマンツーマンでダンスを教えてもらって。新喜劇でたとえると、一人コケの練習させられるみたいな(笑)。また、男肉さんの公演では“男肉飛び散る席”があるんですけど、「いや、そんなに(汗が)飛ぶの?」って思ってたんです。それがこないだの稽古で僕の“男肉”がものすごい滴り落ちて、Tシャツがビッシャビシャになったんですよ。あ、これは飛び散るなと。

池浦:ビッシャビシャでしたね。

高井:これはえらいことやわと思って。急遽、ブログにも「汗が飛び散りますよ」って全面的に告知しました。

--吉本新喜劇からはいちじまだいきさん、島田一の介さんも出られますね。

高井:いちじまは何事も純粋に取り組む人間で。

池浦:今回の(吉本新喜劇からの)出演者は何事にも本気で取り組む芸人さんというところが共通点なんですかね?

高井:島田一の介は違いますけどね(笑)。いい意味でずっと肩の力を抜いてきてはって今のポジションの方やと思います。Mr.新喜劇ですよ。吉本新喜劇からのこの3人、三世代の吉本新喜劇の人間が男肉で揉まれるんでしょうね。僕とかいちじまは、男肉さんの感じとか理解できると思います。島田一の介はできないと思うんです。「何で裸なんや?」から入ると思います。でも、そこが面白いと思います。カルチャーショックを受けると思うんです。いい意味で、そんなおっさんぶりが出た方がいいと思いますね。一番お客さん目線なのが一の介さんじゃないですかね。

--なるほど。お客さんにはどういうふうに楽しんでもらいたいですか? 

池浦:男肉 du Soleilというカラーは出させてもらうつもりでして、その中に新しい要素――新喜劇的要素やツッコミが入ったものをお客さんがどう思われるのかが気になりますね。もちろん新喜劇のお客さんにも「こんな新喜劇は今までなかったな」って成功の意味で思われたいです。ちゃんと笑えて汗かいてという約80分をお贈りできればと思います。

高井:未就学児入場不可というのが、新喜劇では絶対ないことで。R指定新喜劇ってどういうことやろうと。いい意味で新喜劇の伝統を守りつつ、「あれ? 今まで伝統って言ってたけど、この方法じゃなくてもよかったんか?」ってなったらいいと思います。新喜劇って、飛行機が飛ぶみたいに「助走あるから、こう飛べる」って教えられていると思うんです。でも「ヘリコプターみたいにいきなり飛ぶねんで」って、そういうふうなことになりそうな気がします。

池浦 そういうことを見つけられたら、僕らもうれしいですね。

--男肉さんの舞台は、最後は全員が死んで、また生き返るというお約束がありますが、この公演ではその辺りは?

池浦:あれをやるとただの男肉にしかならないので、稽古をしながら見ていきたいですね。僕らはいつも、最後は全員が死んで、僕が歌って生き返るっていうお約束がありまして…。

高井:それは誰も死んだらあかんっていうルールなんですか?

池浦:そうです。絶対ハッピーエンドで終わりたい。

高井:これは吉本新喜劇にも相通じますね。絶対に誰も死なない。

池浦:それまでボンガボンガ死ぬんですけど(笑)。最後はどんな形でもいいから大団円、ハッピーで終わりたい。ただ、僕らってふんわりとしたハッピーエンドで。新喜劇のラストってハッピーエンドになりつつも、小さな事件が起こってワチャワチャで終わるじゃないですか。そういう感じの終わり方もお見せできたらなと思います。




(2013年8月27日更新)


Check
写真左から、高井俊彦、池浦さだ夢。

『吉本新喜劇×男肉 du Soleil
~高井俊彦のミッション・
インポッシブル~』

発売中

Pコード:597-517

▼9月3日(火)・4日(水)19:00

道頓堀ZAZA HOUSE

一般-2500円(指定)

学生-2000円(指定、当日要学生証)

男肉飛び散る席-2000円(指定)

絶対安全席-3000円(指定)

[出演]高井俊彦/いちじまだいき/江坂一平/クリ太マメ男/高阪勝之/チェン/池浦さだ夢

[ゲスト]島田一の介

※未就学児童は入場不可。出演者は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。尚、変更に伴う払戻しは行いません。

[問]チケットよしもと予約問合せダイヤル
[TEL]0570-550-100

吉本興業株式会社
http://www.yoshimoto.co.jp/

男肉 du Soleil 公式WEBサイト
http://oniku-du-soleil.boy.jp/

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