ホーム > インタビュー&レポート > ミュージカル俳優たちが“今、歌いたい曲”を持ち寄り 歌いつなげていくミュージカルライブ『KAKAI 歌会』 舞台の魅力を構成・演出を手がける原田優一に聞いた
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(C)KAKAI チラシのイメージ。 |
まずは開催に至った経緯を、「いつもは作られた作品で演出家からの指示のもと演じるミュージカル俳優陣が、今歌いたい曲やこれまで歌ってきた大切な曲、代表する曲などを持ち寄り、自らの構成で歌い繋いだらどうだろうという、どちらかというと私自身が観てみたいショーを創りたいという想いがきっかけです」と原田。
“ミュージカルライブ”と銘打っており、そのコンセプトをさらに掘り下げて聞いてみると…。
「“コンサート”ではなく“ミュージカルライブ”としているところにもこだわりがあり、ただ曲を歌い繋いでいくだけでなく、“さぁ、聴こう”とかしこまるお客様のモードをジワジワと崩していく楽しみをキャスト側に与えるという、“なんか違う”が常につきまとうようなショーにしたいと思って作りました。チラシの写真をご覧になってもお分かりのように、対極を一度に楽しむ『ギャップショー』なのです」(原田)
初演の手ごたえを聞くと、「たくさんのお客様にご覧にいただけたことを本当に嬉しく思います。更に皆様が本当に盛り上げてくださり、ショーの途中から“?!これは笑っていいのか??”という皆様の“かしこまり感”が分かりやすく崩れていく様が大変わかりやすく(笑)、演出の立場でも出演者の立場でも快感にまみれておりました」(原田)と、“思惑”は大当たりだったようだ。
俳優自ら、歌いたい曲を持ち寄ってのステージ、いったいどのように作られているのだろう。
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(C)KAKAI |
「楽曲選びにあたり、まずキャストの皆さんに“今歌ってみたい”曲と“私といえばコレ”という曲をそれぞれ出していただきました。後者の楽曲はすぐに決まったのですが、チャレンジ曲というのがなかなか難しく、やはり皆さんは“コンサート”を意識したのかもしれませんが、どれも今後歌ってみたい挑戦の曲よりは、どこかで一度は歌ったことのある鉄板の曲を選ばれました。これではよそで行われるコンサートと同じような構成になると考え、どうしようか悩みながら集まった曲を並べてみてハッと思いついたのが、とある格好をしてネタを入れつつ、歌うメドレーでした。その格好は、観ていただければわかります(笑)。楽曲への挑戦だけでなく、更に笑いも追求するというハードルを全員に課したわけです(笑)。そこからは音楽監督のYUKAさんのお力をお借りし、あっという間に楽曲が決まりまして、初めての稽古の時に楽譜の束を皆さんにお配りしました。誰もが“?!”となっていましたが(笑)、皆さん面白がって全ての曲を覚えてくださいました」(原田)
そうして出来上がったステージ。チームワークも磐石だと語る。
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(C)KAKAI |
「ここまでそれぞれの役割りがしっかりしてるカンパニーが他にあるでしょうか。そう、舞台裏での話です(笑)。私がやりたいことを進める係、樹里さんがアイデア隊長、和音ちゃんが全体を冷静に見て判断する係、今井さんが黙ってついてくる係。素晴らしいチームワークです。それぞれの魅力を語り出したら本ができますが、あえて各係を言えばこんな感じ。秋の公演では、さらに進化した“チーム歌会”を皆様にお見せできればと思っています」(原田)
また、「どの曲もしっかりと聴かせることのできる名曲です。『KAKAI 歌会』では限られた上演時間に収めるためにサビ部分のみにカットしたり、メドレーにしてネタとして(笑)使わせていただいたりしてますが、そういうことができるのもやはり全ての曲がしっかりしたインパクトのある名曲揃いだからできることだと思っています」と、『KAKAI 歌会』を通じて改めて、楽曲の持つ力を感じ取ったようだ。
秋の公演では、「今後も大切に歌っていきたい大好きな曲になりました」という『KAKAI』のオリジナル曲も披露される。普段のステージではあまり観ることのできない俳優たちのおちゃめな姿も楽しみな『KAKAI 歌会』は10月25日(土)、26日(日)、兵庫・尼崎のあましんアルカイックホール・オクトにて開かれる。ミュージカルファンを虜にした話題の舞台をぜひ、楽しんでほしい。
(2013年8月14日更新)
発売中
Pコード:428-610
▼10月25日(金)・26日(土)
(金)19:00 (土)13:00/17:30
あましんアルカイックホール・オクト
全席指定-7000円
[出演][構成][演出]原田優一
[出演]今井清隆/樹里咲穂/和音美桜
※未就学児童は入場不可。
[問]ショウビズ公演事務局
[TEL]050-5532-9910
『KAKAI 歌会』公式サイト
http://www.show-biz.jp/news/
はらだゆういち●埼玉県出身。9歳よりTV、舞台、映画、ライブ、ダンス・イベントに多数出演。主な出演作に、舞台『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『ラ・カージュ・オ・フォール』『太平洋序曲』『ベガーズ・オペラ』『CLUB SEVEN vol.6』『道化の瞳』『TITANIC hte musical』等。その他に自身でも構成・演出・出演を行っている『ラ・イヨマンテ』や2013年3月公開の映画『劇場版しまじろうとフフのだいぼうけん~すくえ!七色の花~』等、さらに活躍の場を広げている。現在、『レ・ミゼラブル』にてマリウス役で出演中。ショウビズ作品には2011年『100年のI love you』に続いての出演。(公式サイトより)