ホーム > インタビュー&レポート > ライブパフォーマンス“劇団鹿殺しRJP”で準備は万端! 「カッコつける余裕がないくらい全力投球」の セルフリメイク作『BONE SONGS』大阪公演が間もなく!
泥臭くもがきながら、カッコ悪くても光を求めて必死に生きる人たちの姿にグッと胸を掴まれる。そんな痛々しさと愛おしさがあふれる物語に、歌やダンスを取り入れてエンタテインメント性の高い作品へと仕上げる劇団鹿殺し。彼らのパワフルな身体表現や歌は、観客をグイグイとその世界へと引き込む力がある。その小劇場界随一ともいえる力強くも繊細なパフォーマンスは、“鹿殺しRJP”として活動する、ライブハウスや路上パフォーマンスでの経験が大きく影響している。
今回、3月15日(金)より大阪・ABCホールで『BONE SONGS』を上演する劇団鹿殺し。開幕直前の12日(火)には、神戸のライブハウス、太陽と虎に約1年ぶりに登場。劇団鹿殺しRJPとしてライブパフォーマンスを敢行した。
座長・菜月チョビ率いる正装したメンバーによるパフォーマンスは、1曲目『燃えて鹿殺し』からフルスロットル。ライブといえど、楽器が弾けない彼らの表現手段はすべて身体だ。息を切らし、汗を飛び散らせてまさに“燃えて”見せる彼らに、観客もそのパワーに負けない熱さで呼応する。この日、丸尾丸一郎が体調不良のために欠席という予期せぬ事態が起きたが、彼らの勢いは落ちるどころか上がる一方だ。コール&レスポンスで盛り上げる『タオパイパイ』やストーリー仕立ての『田舎の侍』など、演劇を畑に活動している彼らならではの、バラエティ豊かな楽曲で楽しませてくれた。
間もなく開幕する本公演『BONE SONGS』は、2009年に上演された『赤とうがらし帝国』をセルフリメイクして生まれた音楽劇。「身体表現の強さ」「音楽の強さ」、そして「劇団の強さ」と、彼らのすべてが詰まった代表作であり、自身作だ。“RJP”としてパフォーマンスを重ねてきたからこその表現力が120%活かされた作品で、「カッコつける余裕がないくらいしんどい作品なので、それぞれの生き様そのままが出ていると思う」と菜月が言うほどに全力投球。不器用だけど懸命な生き様と、エネルギーにあふれた音楽とパフォーマンス、彼らの真骨頂が存分に味わえるはずだ!
(取材・文/黒石悦子 撮影/福家信哉)
【座長・菜月チョビ、俳優・山岸門人からメッセージ!】
自分もまだまだ闘える!って希望が持てる
「主役になれない定めに生まれた女の子・タエが、主役になることをあきらめないで生きる姿を描いています。雰囲気は映画『レスラー』の女版ですね(笑)。思い通りにならない中で、それでも自分で選択して生きていく女性の生き方は、20代後半~30代の女性にすごく響くと思います。父親や初恋相手、夫、息子など、タエの人生の中で通り過ぎて行ったさまざまな男の人の姿も描いているので、男性の方にも共感して頂けるものに仕上がっています。タエのお父さん役の松村(武)さんを観るだけで泣けると思いますよ。それぞれの人生に照らし合わせて“自分もまだまだ闘えるか!”って思えたり、どうにもならない人生を受け入れて闘う姿に何かを感じて頂けると嬉しいですね。きっと2回は観たくなると思いますので、早めのご観劇をオススメします!」(チョビ)
まさに、鹿殺しの真骨頂です!
「逆境の中で立ち上がっていく姿に、性別関係なくグッとくる作品です。オリジナルの音楽もライブパフォーマンスもたっぷりで、鹿殺しのスタイルがいちばん分かってもらえると思う。踊りも音楽もすごくカッコよくて、音楽が好きな人にも響くものになっています。初演の『赤とうがらし帝国』で出演したときは、まだ入団して1年半の頃。当時はとにかく一人前になることが目標でしたが、今は一劇団員として、覚悟を持ってやっているので、それが伝わればいいなと思います。僕は王将仮面というマスクマンレスラーを中心に、早替わりしながら色んな役で登場します。パフォーマンスは前へ前へ出ることを意識して、楽しみながらやっていきたいと思います。勇気とパワーをもらいに観にきてください!」(門人)
『BONE SONGS』PVも必見!
(2013年3月14日更新)
Pコード:425-621
▼3月15日(金)~18日(月)
(金)19:00 (土)(日)13:00/18:00 (月)15:00
ABCホール
前売・当日とも-4500円
[作]丸尾丸一郎
[演出]菜月チョビ
[音楽]入交星士/オレノグラフィティ
[出演]菜月チョビ/丸尾丸一郎/オレノグラフィティ/山岸門人/橘輝/傳田うに/円山チカ/坂本けこ美/山口加菜/鷺沼恵美子/浅野康之/近藤茶/峰ゆとり/佐竹リサ/有田杏子/姜暢雄/谷山知宏/森貞文則/松村武
※学生は取り扱いなし。未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
[TEL]06-7732-8888
★3/16(土)13:00公演終演後アフタートークイベント「劇団上京物語」あり。
★3/18(月)15:00公演終演後アフタートークイベント「演出裏話」あり。
劇団鹿殺し公式サイト
http://shika564.com/
スライドショーはこちら!
「どうせ生きるなら、何かの主役になりたい!」と夢中で生きた、骨太な女・辛島タエの波乱万丈伝。父は覆面プロレスラー『てんやもんウルフ』、母は生前宝塚娘役トップスター。
スターになる血統を持ちながらも、引っ込み思案なタエは、毎日ひとり父の前で歌っていた。しかし、たったひとりの肉親である父の死を境に、タエの中にあった主役遺伝子が目を覚ます……。