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ままごと『わが星』で見せたコラボがふたたび!
異ジャンルの3人が共同演出する
ファンタジックな音楽劇『ファンファーレ』が巡演中

劇団・ままごと主宰の柴幸男、音楽ユニット・ロロロの三浦康嗣、ダンス・パフォーマンスグループ、モモンガ・コンプレックス主宰の白神ももこ。柴が第54回岸田國士戯曲賞受賞作『わが星』でコラボレーションを見せたこの3人が再び集結し、新たな音楽劇『ファンファーレ』を上演中だ。東京、三重公演を盛況に終え、10月26日(金)・27日(土)には高知県立美術館、11月3日(土)・4日(日)には茨城・水戸芸術館で上演される。同じ3人でのコラボとはいえ、今回はそれぞれが演劇・音楽・ダンスの視点から演出を手掛け、その魅力を絡み合わせた今までに見たことがないような音楽劇を生み出している。

てんでバラバラでデタラメな世界に生きる、ファとレしか歌えない少女・ファーレが、親を探すために歌手になろうと旅に出る物語で、まるで童話のようなファンタジックな世界観。「旅立ち」「決意」「結婚」と、ファーレの旅が3幕仕立てで展開していく。ファーレを育て、熱心に音楽を教えるレッサーパンダ先生、「ン」しか話せない友達・ポリ夫、旅仲間のbableとあしのうらみょうが、まち奉行の人生……。ファーレの行く先には個性豊かな人たちが登場し、ときにファーレの道しるべとなり、影響を与える。

柴、三浦、白神、3人の遊び心が見事に調和したステージで、登場人物の言葉は音楽とダンスで彩られ、バンドによる生演奏も高揚感を誘う。ファーレは誰もが認める才能を持っていながらファとレしか歌えない。そんな自分にもどかしさを感じていたファーレが、さまざまな人と出会い、別れ、成長していく姿に、切なさや温かさ、さまざまな感情が湧いてくる。そして「てんでバラバラ」だったものが、ひとつになる瞬間には感動を覚える。

ファーレを演じるのは、名児耶ゆり、初夏、坂本美雨の3人。1幕ごとにファーレを演じ、繋いでいく。美しく透明感のある歌声はそれぞれに素晴らしく、聴く者の心をぐっと掴む。ファーレを支えるキャラクターに扮するキャストも歌唱力はもちろんだが、何より個性がバラバラで面白い。東京以外の3都市では、現地キャストも登場し、当地オリジナルバージョンとして上演。高知・水戸公演ではまたひと味違う『ファンファーレ』を見せてくれそうだ。
 

(取材・文/黒石悦子)




(2012年10月25日更新)


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撮影:石川純

●公演情報

音楽劇『ファンファーレ』

▼11月3日(土・祝)・4日(日)
(土)17:00 (日)14:00
水戸芸術館 ACM劇場

▼10月26日(金)・27日(土)
(金)19:00 (土)14:00/18:00
高知県立美術館

前売:一般自由席-2500円

[劇作・脚本][演出]柴幸男

[演出][音楽]三浦康嗣

[演出][振付]白神ももこ

『ファンファーレ』公式サイト
http://fanfare-mix.com/