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ホーム > インタビュー&レポート > 戦後、焼け野原の大阪から立ち上がった“お笑い人” たちのエネルギッシュな姿を描いた9月公演! 『吉本百年物語』では2度目の出演となるへびいちごが 物語の見どころや面白みを語る!

戦後、焼け野原の大阪から立ち上がった“お笑い人”
たちのエネルギッシュな姿を描いた9月公演!
『吉本百年物語』では2度目の出演となるへびいちごが
物語の見どころや面白みを語る!

なんばグランド花月で連日、開かれている『吉本百年物語』。9月公演は「焼け跡、青春手帳」と題し、戦争が終わった昭和20年からの10年間をお届けする。戦後の吉本興業は、その百年の歴史の中で唯一、演芸場を経営していなかった。所属タレントも花菱アチャコ(兵動大樹)一人。あたりは焼け野原。
そんな中でなんとか、人も国も復興してゆこう、立ち上がっていこうと奮起する姿をエネルギッシュに描いている。物語の軸となるのが、花菱アチャコ。彼のために作られたラジオドラマの相手役には浪花千栄子(黒谷友香)。この二人を中心に、舞台人、演芸人たちのお笑いに対する熱い思いが劇中には散りばめられている。
そして東京でのレビューの世界を描いた6月公演でも好演したへびいちごの二人が、9月公演でも出演する。そこで、『吉本百年物語』への思い入れや見どころについて、二人に聞いた。

--9月公演は吉本興業が唯一、演芸場を持たない時代ですね。

島川学(以下、島川):そうなんです。空襲で小屋が燃えてしまって、所属芸人も解散することになって、芸人も少ない。花菱アチャコさんが唯一、いらっしゃって。

--お二人が出演された6月公演の華やかなレビューの世界から、そういった9月公演の時代背景は、感じられますか?

島川:世の中は何もなくなりましたが、ラジオドラマがすごく楽しみです。ラジオドラマって台詞がすごく重要になってくるわけじゃないですか。

高橋智(以下、高橋):仕事で何回か経験したことがあるけど、それが舞台になるとなぁ。

島川:あれも時代ものやったなぁ。

高橋:イントネーションが難しかったんよな。何回も録り直して。

島川:6月公演もそうでしたけど、「御大(おんたい)」の発音が難しいですね。

高橋:林正之助さんのことを「御大」と呼ぶんですけど、その発音で結構、悩みましたね。難しいですね、時代の言葉は。

島川:特にラジオとなったら慎重に言わなあかんのかなって思いますね。

--制作発表会見では演出家の湊さんが「泥の中から這い上がるような、エネルギッシュな存在としてへびいちごさんを起用した」とおっしゃっていましたね

高橋:いやいやいやいや。嬉しいですね…(笑)。

--キャスティングはどうですか?

島川:楽しみですね~。

高橋:兵動くんは同期だし、うちの相方なんかは同級生なんでね。もう気心が知れているというか、いい意味での戦友なので。あと黒谷さんと共演できるのもいいし、おさむ師匠と1ヶ月舞台を踏めるのもありがたいですね。演芸場ではご一緒させていただくことはありますけど、お芝居は初めてなので。

--そして9月公演のお二人の役どころですが。

高橋:6月公演は「鹿之助、馬太郎」というコンビ役で“へびいちご”で出たんです。今回は漫才が好きな青年と、放送作家で演出もするという役で。僕は本当に漫才が大好きやったし、相方は作家的な作業も好きだったので、それぞれの役はすごく当たっているんですよ。僕、子どもの頃は人生幸朗師匠が大好きで、オール阪神・巨人師匠はスーパースターで。だから、もうこの役を頂いてありがたいですね。

--『吉本百年物語』では初の2回目のご出演ですね。

島川:僕らがこの大プロジェクトに入っているのも、間違いちゃいますかって思いますもん(笑)。

高橋:9月公演が決まった時も、「え!? ほんまですか!?」ってなりました。

--制作発表会見で兵動さんがへびいちごの二人に『吉本百年物語』のしきたりを教えてほしいとおっしゃっていましたが。

高橋:逆に俺らが教えてもらうことの方が多いかもな。

島川:それしかないですよ、本当に。6月公演ではコンビ合わせて台詞の量が7行ですからね(笑)。

高橋:それからは増えました(笑)。

--そうだったんですね。少ないようには見えませんでした。

島川:台本ではそうでしたけど、勝手に足していました(笑)。

高橋:まあ、兵動も会見で言っていましたが、アチャコさんという人物の資料がないと思うんです。

島川:どういう人やったわからへんから、演じるのが大変やと思うんですけど。

高橋:兵動独自のアチャコさんが出ればものすごく面白いと思いますね。

島川:じゃ、僕はちょっと“偽アチャコ”を意識して…。

高橋:相方は毎回、偽者をやりたいやりたい言うてるんですよ! もうそんなんばっかり。偽者がやりたいらしいです。9月公演ではアチャコさんと、正之助の偽者で偽之助をやりたいらしいです(笑)。

--では、『吉本百年物語』を通じて、お芝居の魅力を教えてください。

島川:責任感と緊張感がすごくありますね。6月公演ではコンビで台詞7行でしたけど、それでもやっぱり、言い方は試行錯誤してましたね。“あ~、3行でも覚えられへんわ”とか言って(笑)。

高橋:自分の中で役のキャラクターを設定して演じられたのは面白かったですね。あと、芝居となると、笑わせるのもアリですが、お客さんが感動して泣かれるというのもまた…。最終的にはお客さんの“泣き”が見れたらいいかなと思いますね。

島川:ただそれが本当に伝わるものでないと。ほんまもんでないと…。

高橋:この9月公演も絶対に素晴らしい舞台になると思うので、皆さんに素晴らしいものを観てもらって、次の日に元気なってもらえたらいいなと思います!

島川:見終わった後、“もう1回、観たいな”って思われるようなものを演じられたらいいなと思います。

高橋:6月公演は何人も皆勤賞がいましたからね。

島川:そうですね。9月公演も、1回足を運んでもらって“もう1回”みたいな。それで、“千秋楽? じゃあ、行こか!”という感じになればいいなと思います!




(2012年9月19日更新)


Check
へびいちご●左から島川学、高橋智。1990年にコンビ結成。1991年には同期のナインティナイン、チュパチャップスらと『吉本印天然素材』を結成した(1999年に解散)。現在はなんばグランド花月を中心に舞台はもちろん、テレビやラジオで活躍中。

●公演情報

吉本興業創業100周年記念公演
吉本百年物語
〈9月公演「焼け跡、青春手帖」〉

発売中

Pコード:597-154

▼9月9日(日)~30日(日)

(月)~(土)19:00

(日)16:00

※9/20(木)=19:00。

休演日=9/12(水)・13(木)・17(月・祝)・19(水)・21(金)・23(日)

なんばグランド花月

1階指定席-6000円

2階指定席-5000円

[出演]黒谷友香/兵動大樹/ぼんちおさむ/高川裕也/松澤一之/高橋智/島川学/西川かの子

※未就学児童は入場不可。大人・子供ともに一律料金。

[問]チケットよしもとお問合せ専用ダイヤル[TEL]0570-036-912

吉本百年物語公式サイト
http://www.yoshimoto.co.jp/100th/monogatari/

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