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ヨーロッパ企画の劇団内ユニット・イエティが
“パン”が主役の新作を上演!? 
京都・大阪公演のチケットプレゼントも!!

‘05年よりヨーロッパ企画に参加し、文芸助手を務めるほか、作家・構成作家としてラジオやテレビドラマの脚本などを手掛けてきた大歳倫弘。彼が‘09年に劇団内で立ち上げた演劇ユニット・イエティの5作目となる新作『ブラッド&バター』が2月23日(木)より上演される。これまで、タレントの自伝やドン・キホーテ、ヴィレッジヴァンガードなど、「身近にあって誰も手を出そうとしないもの」を題材にしてきた彼が、次に着目したのは“パン”。パンの発展をデタラメに、バカバカしく描き出すという。ヨーロッパ企画からは酒井善史、角田貴志、土佐和成、本多力が参加。京都の元・立誠小学校で幕を開け、東京公演を経て3月23日(金)からはin→dependent theatre 1stで初の大阪公演を敢行する。公演を前に、作・演出を手掛ける大歳に作品について訊いた。

―題材にパンを扱おうと思われたのは?

「悲劇をテーマにしたお芝居をしたいなと思って、いろんな悲劇作品をDVDで観てたんです。その中に『オリバーツイスト』があって、パンを盗むシーンから始まったのがすごく印象的に残ってて。それでパンのことが頭の片隅にあって、コンビニやいろんなところでパンをよく見るようになったんです。そうすると、コンビニのパンのバラエティ感が半端ないな、と。この異様さは何なんだろうって思ったんです。映画に出てきたのはすごく無骨なパンなんです。でも、現代の日本のパンはパンの上にソーセージが1本乗ってたりとか、マヨネーズがかかってたりとか……。なんとなく異様に感じて、このパンを主役にしてやってみようと思ったのが始まりですね。あと、誰もやってなさそうですしね」

―でもタイトルは“ブレッド”ではなく“ブラッド”なんですね。血が関係しているんですか?

「最初は『ブレッド&バター』と考えたんですが、まんまやなって思って(笑)。あと、ドラキュラを出そうかなと思っていたので、ブラッドに変えたんです。最終的にはそれも変わって、今は家系とか血とか、別の意味づけを考えていますが」

―悲劇をテーマにしたいと思われたのは?
「以前、別の方のコントを書いていて、オルゴールを鳴らすシーンがあったんです。で、本番で手違いがあって、別のタイミングでオルゴールを鳴らしたことがあって。そしたらそこが悲しいシーンになっちゃって、客席から鼻をすする音が聞こえたりして。全然意図してなかったから、驚いたんですよね。日本の悲劇ってこれでいいの?って思って。そこから、安っぽい悲劇をいっぱいやりたいなって思っていたんです」

―その最初の想像どおり、悲劇の設定はそのままに?

「結局のところ、悲劇という要素は主人公の性格に反映していますね。ほぼ主人公みたいな存在がふたりいて、ひとりは中世ヨーロッパの天才パン職人で、スランプに陥っていて全く認められていないっていう状況で、悩んでいるという感じで。あともうひとりは、現代の不良にパシリにされている少女。ふたりが時を越えて出会って展開していく、整合性を無視したタイムトラベルものです(笑)」

―キャラクターは役者さんに合わせて設定するんですか?

「最初になんとなくのプロットはあるんですが、人の配置が変わってくるので、役者さんと会ったときにガラッと変わることがありますね。今回も少女という設定の役柄があるんですけど、最初は、とある役者と夫婦にしていたんです。でも、夫婦には見えないなと思って、少女にして話を組み直しましたね。あと、今回はヨーロッパ企画の普段の役に寄せた感じはあります。たとえば、酒井君はヨーロッパ企画の作品では割とSFっぽい役をやるので、それに合わせた役をしていただいています。本多さんは中世のパン屋の格好がすごく似合いそうだなと思って、主人公になっていただきました」

―大歳さんはラジオのコントから脚本を書き始めたとのことですが、イエティの作品ではどんなことを描きたいと思われているのですか?

「身近で、しかも誰にも扱われていない安っぽい“ジャンクカルチャー”を扱えたらなっていうのはずっと思っていて。たとえば、愛とかアートをテーマにするとなったら結構頭の良さが必要でなんですが、そこまで考えられるパワーがあんまりないので(笑)。今までの作品みたいに、タレントの自伝本とかドン・キホーテとか、目の前にある安っぽいものを話の本筋にするのが結構好きです。いろいろ作ってきた中で、シリアスなものはひとつもなくて、結局バカバカしいものになっちゃいますね」

―映画を観たりして発想されることが多いんですか?

「映画や漫画も多いですね。今回だと『オリバーツイスト』もそうですが、『レオン』とか漫画の『仁』とか、『魔女の宅急便』もですね。中世のパンの価値観はあれだ!と思って(笑)。役者さんにも観てイメージしていただいたりします」

―では今回の作品で注目してほしいところは?

「パンですね。パンですごく遊んでいるので、役者さんが舞台上でパンを食べている姿を、どんだけ食べるん!?と思って観て頂けたらと思います(笑)」




公演ご招待あります!

京都、大阪の初日でそれぞれ2組4名様をご招待します!

京都:2月23日(木)19:00
(応募締め切り:2月21日(火)17:00、当選者には即日、当選メールを配信)

大阪:3月23日(金)19:00
(応募締め切り:3月15日(木)17:00。当選者には3月16日に当選メールを配信)

※いずれも当選メールの配信でもって、発表に代えさせていただきます。

ご応募はこちらのURLから、どうぞ!
https://kansai.pia.co.jp/invitation/europe/

(2012年2月16日更新)


Check

●公演情報

ヨーロッパ企画 イエティ
「ブラッド&バター」

〔京都公演〕

▼2月23日(木)・24(金)19:00

▼2月25日(土)・26日(日)13:00/ 18:00★

▼2月27日(月) 19:00

元・立誠小学校 

前売2000円

当日2500円
(いずれも整理番号付自由席)

チケットに関するお問い合わせはヨーロッパ企画まで。

★印の回は出演者による「おまけトークショー」あり。

〔大阪公演〕

発売中

Pコード:418-187

▼3月23日(金)19:00

▼3月24日(土)13:00/18:00

▼3月25日(日)13:00

in→dependent theatre 1st

前売2300円

当日2800円
(いずれも全席指定)

[劇作・脚本][演出]大歳倫弘

[出演]本多力/酒井善史/角田貴志/土佐和成/他

[問]サウンドクリエーター[TEL]06-6357-4400(大阪公演のみ)

※京都公演はチケットぴあでの取り扱いなし。未就学児入場不可。

ヨーロッパ企画公式サイト
http://www.europe-kikaku.com/

大阪公演は残りわずか、大至急!!
チケット情報はこちら

●プロフィール

イエティ

いえてぃ/ヨーロッパ企画で活動してきた作家・構成作家の大歳倫弘が、’09年に劇団内で立ち上げた演劇ユニット。作品ごとにキャストを集めて公演を行う。’09年に旗揚げ公演『コテンパンラリー』を上演し、以降、定期的に本公演を行い、今回が5作目。誰も注目しないものを取り上げたコメディ作品を作りだす。