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政治に憤りを感じる人は必見!? “お笑い政権”の
ザ・ニュースペーパーがニッポンの政治を一刀両断!

主に著名な政治家たちに扮し、政治はもちろん、経済、事件、芸能と旬のニュースや世相を笑いと毒でもってぶった斬る社会風刺コント集団、ザ・ニュースペーパー。彼らが1月7日(土)、大阪・サンケイホールブリーゼに登場する。そこで、福本ヒデ扮する野田佳彦総理と松下アキラ扮する菅直人元総理が来場、舞台に向けての意気込み等を語る会見を開いた。

もちろん動画もこのお二人です!

 

まずは野田総理の所信表明と菅直人の演説を聞いてほしい。

野田総理(福本ヒデ)
「どじょうがさ金魚のまねをすることねんだよな。誰かがやらなきゃいけないのが、ザ・ニュースペーパーですが、まさかノーマークだった野田さんが私にまわってまいりました。私、ノープランからのスタートとなりました。まだまだこれから発展途上ではありますが、がんばってまいりたいと思います。大阪に参ります。大阪では今、橋下市長、ダブル選挙の勝利。よかったと思いますよ。我々、民主党は負けはしましたけど、大阪で本当によかった。東京だったらぞっとしますね。府知事になった方は松井一郎さんという、名前だけはメジャー級。今後の展開として一番面白いことになりそうだなと私が思っていることは、急に権力を握った松井一郎さんが橋下さんに逆らう。そして橋下さんと分裂、橋下さんは市長を辞めて知事選に出る。そしてまた知事を辞めて市長選に出る。ぜひともそれを繰り返していただきたい、そのように思っています。しかし橋下さんの味方は多いです。東京の石原都知事は『彼は独裁じゃない、独断だ』と言っていましたが、石原さん自体が独裁者であることに本人は気づいていないようです。本人は東京オリンピック誘致のために税金を使い、オリンピックにはコリゴリん……え~、慣れないギャグは使わないほうがいい。気になることは山ほどあります。ただね、大阪にやってきて面白いな~と思うことはたくさんありますよ。吉本興業、『面白い恋人』、本当に面白いと思います。そして私は、TPP交渉参加とは申し上げておりません。参加に向けての協議に入ると言っただけです。ただ、これでは納得してもらえないと思うので柔軟に対応したいと思います。『TPP交渉参加に向けての協議に入ることを検討する』。もう一息ですか? 『TPP交渉参加に向けての協議に入ることを検討するかもしれないし、しないかもしれない協議に入ることを検討する!』。そういう問題じゃないですね。わかっています。まあ、TPPに関して、信念がないだの、二枚舌、三枚舌で恥ずかしくないのかと言われますが、はっきり言います。信念はありません。そうでしょう。消費税に関してもTPPに関しても、菅さんからバトンタッチされたんです。急には止められないんです。急ブレーキはできない。安全運転ですから。それぞれのやり方があるんです。私は鳩山さん、菅さんのおかげで世界的に評価されているんです。二人がいたからこそ、私が普通の人間と評価されるんです。そして妻の仁実もそうですよ。鳩山幸さんがいらっしゃったからこそ、浮世離れしていないというだけで信頼されているんです。仁実もきれいですよ、みなさん。つつましい、出しゃばらない、控えめで、大阪にはほとんどいない女性のタイプですよ。何よりいいのは、庶民的な体格でしょう。パートをやっていそうでしょう。スーパー玉出のレジにいそうでしょう。何よりも仁実をよろしくお願いします。申し上げなければならないことは、やはり内閣発足からすぐの鉢呂前内閣辞任。この件に関しては本当に申し訳なく思っています。たったの9日で辞めましたからね。本当に情けない出来事というのは多いです。田中沖縄防衛局長の失言もありました。ですから今日も気を付けなければいけないと思いました。田中さんも記事にはしないというから飲み会に行ってしゃべったんです。にも関わらず、これは記事にすべきだろうということで記事になったんです。ですから、今日も何を書かれるかわかりません。もしくは何も書かれない。それよりかは何でもいいから書いてください。最後に震災に関してです。発生から9か月になりますが、原発に関してはっきりしているのは、原子力保安院だった西山さんがかつらというだけです。まだまだはっきりしないことがたくさんあります。まあ、私はこの辺でノーサイドにさせていただきまして、菅前総理も来ているので、盛大な拍手でお迎えしたいと思います」

菅直人(松下アキラ)
「菅直人です。メルトダウンした菅直人です。でも私は断然、元気ですけどね。総理を辞めました、辞めましたよ。ええ辞めました。これで満足ですか、皆さん。喧嘩を売ろうという気はないんですけど、なぜ私はこんなに評価されなかったのか、わからない。私が何をやったというのですか。何もやっていないじゃないですか! 総理をやって1年半、私はなんにもやってない。リーダーシップがないと言われた。だけどね、私ほどリーダーシップを発揮した人はいない。ただ誰もついて来なかっただけなんです。それは皆さんが私の悪い面しか見なかった。いい面もいっぱいあったんですよ。確かに指導力はなかったかもしれない。だけどね、権力欲は誰よりもあったんですよ。志は低いですよ。でもプライドだけは高いんです。そうやってね、もっといい面も見て評価をしてほしかった。菅直人は信念がないと言われた。消費税もTPPも脱原発も、全部思いつきじゃないかと言われた。冗談じゃございませんよ。思いつきなんかじゃありませんよ。私は何も思いつかないんです。全部目先のものに飛びついていただけなんです。そういうところも皆さん、誤解しているんですよ。冷静に考えてみてください。国民も、野党も、そして民主党すらも、みんなが私に辞めてほしいと思った。日本が一つにまとまったんですよ! 今だかつてこれほどまでに日本を一つにまとめた総理大臣はいましたか? 皆さん方、心の中で思っているんじゃないんですか。今の民主党じゃ誰が総理になっても同じだと。だったら私でもよかったじゃないですか。変わる必要はなかったでしょう。まあ、野田さんが総理になったわけですが、私はね、野田さんに申し上げたいことがあります。消費税を上げようとしている。これはね、民主党は4年間は消費税を上げないと約束したんです。どういうことかと。そもそも消費税を上げるなんて言い出したのは誰だと。……私です。ただ、私は言うだけです。野田さんは行動に起こそうとしている。財務省のロボットですよ。私は財務省の腹話術人形です。言うだけですから。私が行動力を発揮するのはお遍路だけです。それともう一つ、言いたいことがあります。TPPです。これはね、もっともっと冷静に慎重にならないといけないと思います。これ、言い出したのは誰ですか? 私です。私ね、その頃TPPってよくわからなくて、TPPって何だろう? タンポポかなって思ってたんです。まさかTPPが『田んぼピンチピンチ』だとは思いませんでしたよ。私もね、一議員、一党員となったわけですが、まあ、見ていてください。私はね、やるときはやる男ですよ。ただ、やるときはありません。このままで終わる男です! 以上、菅直人でした。ありがとうございました」

そして記者からの質疑応答は以下の通り。

--1月7日はどういった内容で行うのか。

福本「話題になっていることは何でも入れようと。いろんな知事が出てきたらおもしろいんじゃないかと思います。今までなかなか、橋下さん単体では反応が薄かったんですけど、あの大阪W選を機に全国的でできるかなという感じですね」
 
--新知事に関してどう思っているか。
 
福本「いいですね。それこそ操り人形じゃないですけど。あの知事選も、誰も松井さんが勝ったとは思っていないでしょう。他人のふんどしで勝ってますからね。だって、負けた倉田さんも『橋下さんに負けた』と言っていて、誰も異論がないですからね。さっきも言ったんですけど、松井さんが徐々に勘違いしていったら面白いなと。『俺は知事だぞ! 人に言われる筋合いはない』と調子に乗ってきたら面白いですね。人間って権力を持ったら調子に乗るんですよ。菅さんもそうですよね。権力を握ると惑わされる人も多いみたいですね。松井さんもすぐだと思いますよ。そういうのも面白いですね」
 
--ザ・ニュースペーパーの中で松井一郎知事役をする候補はいるのか。
 
福本「竹内康明という小沢一郎さんをやっている、ちょっと手足の短い、ぽっちゃりした人が担当になるんじゃないかと。まあ、そうなったら小沢さんと同時に出られないですけどね」
 
--福本さんが扮する橋本市長、どう見せるのか?
 
福本「特徴としては怒ったり泣いたりする。言葉遣いも悪い。バカ○○とか。橋下さんはあいまいな発言をしないので、ちょっと難しいのは難しいですけどね。でも確かに、橋下さんの話を聞いていると思いますよね。上水道の隣に上水道があるとか。それはサンケイホールブリーゼの隣にまた、サンケイホールブリーゼがあるようなのものでしょ。1つでも要らないのに2つ!」
 
松下「いや、サンケイホールブリーゼは、1つは必ず要りますよ」
 
福本「橋下さんだったらそう言うだろうなと。まあ、二重行政の構造がいっぱい出てきて、なるほど!と思わることがいっぱい出てきたら、もっとネタになるかなと思いますね。大阪以外で大阪都のネタをしてもなかなか通じない。奈良あたりでも反応が薄かったですからね。奈良はもうね、遷都何年とか言って後ろしか見てないですからね」
 
--橋下市長では、菅さんのように自分で落とすという手法は取れないのではないのか
 
福本「菅さんは隙だらけですからね。ねぇ? 持ちネタもカイワレとかあって、どんどん増えていって。ただ、橋下さんは大阪公演の時期には市長に就任されて時間が経っているので、ちょうどやりやすいかなと思いますね」
 
--今、野田総理、菅さんを演じられたが、それぞれ特徴を見せやすい人物なのか。
 
松下「私の場合、菅さんはたまたま声を似せられたので、錯覚させやすかったですね(笑)。特徴はあまりない」
 
福本「野田さんはいい声の感じかなと思って、その辺を…。見かけはあんなですけど、声は結構二枚目なんで、そういうところを意識してますが、ハードルが低いからやりやすいですね。菅さんだとカイワレとか、お遍路というネタがあって、そのネタがある上で面白くしなくちゃいけない。麻生さんだと漫画が好きとか、上から目線とか、そういうことがいっぱいある上で考えなくちゃいけない。でも野田さんだったら小さいどじょうがちょろっといるだけで、誰も面白さを期待していないので、その辺のスタートする位置が低いですね」
 
--民主党に政権交代して、ザ・ニュースペーパーの仕事に変化はあったか。
 
福本「なんばグランド花月に初めて出させてもらったりとか、自民党時代にはなかったですね。ただ、自民党は誰もが叩いてもいい存在だったじゃないですか。だから割とテレビでコントをやらせてもらったりもしたんですけど、民主党になってから結構、規制がありましたね。始めはマスコミも民主党を叩かなかったので…。『国民の期待感があるから、鳩山さんへの期待感があるから、そういう発言は困ります』と。菅さんになっても、『まだ期待感があるから』と言われていましたね。今もまだあるんですね。それは感じますね」
 
--ふたりにとって、2011年はどんな年だったか。
 
福本「ふたりともニュースペーパーに入ったのが1997年で、阪神大震災は経験してなかったんですよ。先輩はしていましたけど。なので、どうなんだろうと考えていたんですが、よく見に来られる方やお世話になっている方に『震災後にニュースペーパーがどういうネタをするかで、一つのターニングポイントを迎えるのではないか』というぎ意見をいただいて、ネタ作りも気を付けましたね」
 
松下「3月11日はまだ菅政権の時だったので、ネタをするのもすごく気を遣いながら、ちょっと探りながらという感じでしたね。最初の挨拶でも言った『メルトダウン寸前の~』というくだりも、始めのうちは警戒してやっていましたね」
 
福本「やっぱり震災でそれまでのニュースが飛びましたからね。震災当日、翌日は『震災がありましたけど、せっかく来ていただいたので震災には触れないでやります』と言ってやってましたね。けど、ずっとそれをやっていられないのでね。ACのCMのパロディをやったり、東京電力の社長が一人5役をやるようなことをしていましたね。あと、縁があって福島県南相馬市に行って取材して、避難所を回ったり。2011年は本当に大変でしたけど、ザ・ニュースペーパーとしてのキーポイントになったというか、やり方とか、見せ方は探せばあるなと思いましたね」
 
--今回のステージは何シーンで構成されるのか。
 
福本「大体12、3シーンですかね。まあ、ニュースを斬るといっても人を傷つけるのではなく、皆さんのストレスの発散にできるようなステージを心掛けてやっていますので、お年寄りからお子様まで見に来ていただいて…」
 
松下「何シーンくらいですかね?というご質問でしたね」
 
福本「そうでした! 自分の都合のいいように話を持っていくのも政治家です!」
 
野田総理に菅元総理、橋下大阪市長はもちろんのこと、数々の著名人が出演し“自虐的”なネタを次々披露するザ・ニュースペーパー。国政に憤りを感じている人も、彼らのネタで笑い飛ばして、幸先良い一年にしていただきたい!
 



(2011年12月29日更新)


Check
左から菅元首相(松下アキラ)、野田総理(福本ヒデ)

●公演情報

ザ・ニュースペーパー

発売中

Pコード:416-226(1/4(水)まで販売)

▼2012年1月7日(土) 14:00/18:00

サンケイホールブリーゼ

全席指定-4500円

[問]ブリーゼチケットセンター[TEL]06-6341-8888

ザ・ニュースペーパー公式HP
http://www.t-np.jp/

前売りチケットは1/4(水)まで販売!
チケット情報はこちら

●プロフィール

ザ・ニュースペーパー

1988年、渡部又兵衛を中心にグループ創設。以来、日々刻々と変わるニュースを題材にコントを制作。政治、芸能、スポーツなど世間を揺るがす様々な社会現象を笑いに変えて、ユニークな舞台を届けている。全国ツアー中、大きな出来事があれば即座にネタに反映。そのスピードと柔軟性もお見事。ちなみに一人ひとりの持ちネタは、それぞれが考えているとのことで、メンバー間での助け舟は一切出ないとのこと。そういう風潮がグループ内に生まれたのはちょうど小泉政権のころ。小泉純一郎に扮する松下が一人でネタを作り上げたことで、小泉節の『自己責任』論が慣例づいたとのこと。なお、今回の“お笑い所信表明”を行ったのは、福本ヒデと松下アキラ。福本の持ちネタは野田総理のほかに鳩山由紀夫、麻生太郎、安倍晋三、橋下徹、石破茂がある。そして松下は前述の菅直人、小泉純一郎のほかに舛添要一、東国原英夫、バラク・オバマがある。メンバーはほかに、竹内康明(小沢一郎、枝野幸男他)、山本天心(田原総一郎、鳩山幸他)、浜田太一(田中真紀子、長妻昭他)、石坂タケシ(石原慎太郎、小泉進次郎他)、土谷ひろし(前原誠司、森田健作他)、谷本賢一郎。谷本は舞台ではネタをせず、歌を歌う。