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「涙もろい人はバスタオルをご用意してください(笑)」
涙なしには観られない、赤鬼流の青春群像サスペンス!

劇団赤鬼が12月23日(金・祝)~25日(日)にABCホールで「リトル・ウェンズデイ」を上演する。初演は2004年9月、再演を望む声が高かった作品だけに、幕開けを今か今かと待ち焦がれているファンも多いのでは?
時代背景は第二次世界大戦末期のドイツ。ベルリンから遠く離れた土地に佇むヒトラーユーゲント士官学校が物語の舞台だ。10代後半の少年たちの学生生活を軸に、あの時代ゆえの不穏な空気を描き出してゆく。
そこで、演出を手がける川浪ナミヲに「リトル・ウェンズデイ」について聞いた。

--再演となる 「リトル・ウェンズデイ」ですが、前回公演ではどんな反響があったのでしょうか? また、2011年のクリスマス公演に本作を選ばれた理由をお聞かせください。

川浪ナミヲ(以下、川浪)「前回はお客さんに軒並みヤバイぐらいに泣いていただきました(笑)。実は、劇団赤鬼の作品の中では究極の悲劇なんですけども、裏を返せば平和に平穏に暮らしていけることの幸せを感じていただける作品でもあるんです。そういう中で、今、世の中がギスギスしているので、この作品をやりたいなあと思ってました。クリスマスという時期はたまたまですね。サンタクロースも出て来ませんし」

--では、物語として初演との違いがあれば、教えてください。

川浪「物語の大筋は初演と大きくは変えていませんが、登場人物の個性や内面の掘り下げを深めることでより味わい深い、グッと効いてくる作品になっていると思います」

--なるほど。この作品で何を訴求されていますか?

川浪「主人公の青年・カミルの切なく、儚い人生に触れていただくことで、仲間を思う気持ち、平和に生きていることの素晴らしさを思い起こしていただけるんじゃないかと思っています」

--今作では、大塚宣幸さん(大阪バンガー帝国)、片岡百萬両さん(ミジンコターボ)、山田かつろうさん(売込隊ビーム)が客演として出演されます。このお三方を招いた理由と、彼らの魅力を教えてください。また、劇団赤鬼の舞台に出られることで、双方でどんな化学変化が見られると思われますか?

川浪「大塚さんは、今年の夏に劇団員のプロデュース公演に出演していただいたのを観て、なかなかの好青年だなあと(笑)。うちの役者はクールな役どころを涼やかに演じる役者が少ないので力を借りようと思いました。そして片岡さんですが、元気だけど切なさの部分も表現できる役者が一枚足りなかったので、片岡さんならぴったりだと思ってオファーしました。座長の行澤孝の大親友というのも正直あります(笑)。最後に山田さん。山田さんは売込隊ビームや他劇団での客演では飄々とした役柄を演じる事が多いのですが、本当はガンガン熱い演技も相当できます。そんな山田かつろうの魅力をこの作品で活かしたいと思いました。あと、本人から『出演させろ!』という売り込みが相当ありましたね(笑)。彼は赤鬼に客演する役者さんの中で一番多く、出ている人です。たしか6本目ですね」

--ありがとうございます。では、劇団赤鬼のコピーに“究極の赤鬼エンターテイメント”というものがありますが、この意味を教えてください。

川浪「スピーディーで飽きのこない展開。溢れ出す涙と感動。お客を選ばない間口の広さですね。そして、この3つを目標に、どの作品も創り上げています」

--最後に、お客様にはどんなふうに楽しんでもらいたいですか?

川浪「先にも述べたように、お客を選ばない作品作りが心情なので、何も考えずに客席に座っていただくだけでオッケーです。涙もろい方はバスタオル持って観に来てください(笑)」

--なるほど。ありがとうございました!




(2011年12月14日更新)


Check

●公演情報

劇団赤鬼 「リトル・ウェンズデイ」

発売中(12/22(木)まで販売)
Pコード:416-301
▼12月23日(金・祝)~25日(日)
(金)15:00/19:00
(土)14:00/18:00
(日)13:00
ABCホール
前売一般-3000円(指定)
前売学生-2500円(指定)
[劇作・脚本]劇団赤鬼
[出演][演出]川浪ナミヲ
[演出]高見健次
[出演]行澤孝/山口尋美/土性正照/岡本拓朗/下村和寿/原敏一/竹田聡支/田川徳子/橋爪未萠里/西国原菜々/大塚宣幸/片岡百萬両/山田かつろう
※未就学児童は入場不可。
[問]劇団赤鬼[TEL]078-222-3702

劇団赤鬼
http://www.akaoni.jp/

チケットは残りわずかです!
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●あらすじ

第二次世界大戦末期のドイツ。ベルリンから離れた土地にあるヒトラーユーゲント士官学校には優秀な人材としてドイツ中から10代後半の少年が集められていた。士官学校の入校式、スパイとして紛れ込んでいたレジスタンスが発見され、銃撃戦がは始まる。そのとき、入校したてのカミルがスパイを銃殺し、大手柄。彼は一気に士官学校中に知れ渡る存在となった。そんな学生生活の始まりを迎えたカミルは、機械いじりが好きなルルー、陽気なパルマー、血気さかんなヨハンと、そして上級生のリヒターとも出会い、天文グループを結成。夜にこっそり寮を抜けだし、手製の望遠鏡での天体観測と語らいの時間を大切にしていた。士官学校の少年たちは訓練を重ねながら生活を送り、それぞれの青春を過ごしていく。そうして時は過ぎ、季節も流れた。だが学校には、またレジスタンスのスパイがいるという噂が広がり出して…。

●プロフィール

劇団赤鬼

1995年に神戸で旗揚げし、結成後わずか3年目で当初250人の動員を3000人まで伸ばした実績を持ち、2002年冬ツアーでは8000人を突破した。同じく2002年、全国203団体から選ばれた「よしもとrise演劇祭」に出場し、スタッフワーク賞・脚本賞を受賞。「神戸から飛び出したホットぷれぜんたーず」をキャッチコピーに、ハイクオリティでスピーディーなエンターテインメント作品を生み出し、面白くなければ全額返金するというキャッシュバックシステムを独自に導入している。従来の演劇から発展したエンターテインメント・ジャンルと市場確立を目指し、ライブ(生)とシアター(劇場)を融合させた「ライブ・シアター」という言葉を打ち出して活動中。