ホーム > インタビュー&レポート > プロレスリング・ノアが大阪で2年ぶりのビッグマッチを開催! 新世代TOP3のひとり、Yoshiki Inamuraが 大阪大会、藤田和之への思いを語る

――ぴあ関西版WEB初登場になります。Yoshiki Inamura選手がどういう選手なのか、自己紹介して頂いてもいいですか?
「はい。プロレスリング・ノア育ち、プロレスリング・ノアで2018年にデビューして、いろいろ経験しながら、ヨーロッパに武者修行(2023年)に行き、その後、アメリカ のWWE NXT で武者修行(2024年)させて頂いて2025年10月に日本にカムバックしました。11月の後楽園ホール大会でデビュー7年目にしてGHCヘビー級のベルトを取ることができたんですけど、残念ながら王座から陥落してしまい大阪にベルトを持って来られませんでした。ですが、タイトルマッチ級の試合をするという意気込みで大阪に来ています。初めての方はびっくりされるかもしれませんが、海外修行があったので言葉の端々にイングリッシュが飛び出るかもしれませんのでご容赦ください」
――KENTA選手に「典型的な海外かぶれじゃないか」みたいなツッコミを受けていましたよね?
「はい(笑)。ミーより先にNXTの経験があって、アメリカに住んでいる人にアメリカにかぶれたやつが突っかかるっていう(笑)」
――面白い状況ですよね(笑)。そのKENTA選手からGHCヘビー級のベルトを獲り、初の栄冠に輝きました。
「いま振り返ると、ベルトをかけた最初の相手がミスターKENTAだったのはすごくラッキーだし、ハッピーだったと思います。ミスターKENTAとは3~4年前に1度、6人タッグマッチで試合をしていて、当時のミスターKENTAはNOAHを離れていてNOAHの所属ではなかったんですけど、そこでバチバチと熱いファイトをさせて頂いたこともあり、リベンジしなければいけない相手だと思っていたんですね。それプラス、ミスターKENTAはNOAHの生え抜きファイターだったじゃないですか。そういうNOAHの強さを知っている人が、ミーが日本に帰ってくるタイミングでNOAHに所属していてGHCヘビー級のベルトを持っている。それにミーが挑戦できるということがラッキーでハッピーでした。やっぱり昔のNOAHの強さを知っていて、いろいろな経験を経てNOAHにカムバックしてくれたミスターKENTAとベルトをかけてファイトできたことはすごくハッピーだったと思います」
――KENTA選手からベルトを獲れたことは大きかったですか?
「それはもうかなり大きいですね。ミーがファンの時代に彼のファイトはずっと見ていました。憧れですし、好きな選手だったので」
――今度こそベルトを獲るという思いは強かったのでしょうか?
「もちろん。イギリスから帰ってきた時にミスター清宮(海斗)と戦ってベルトを獲ることができなかったので。武者修行からカムバックしたタイミングっていうのは、勢い的にも、コンディション的にも、シチュエーション的にもパーフェクトなタイミングなんですけど、前回はベルトが獲れなかった。その悔しさもあったので。今回こそは――っていう気持ちで帰ってきました」

――なるほど。見事に初戴冠しましたが、ベルトを獲るうえでNXTでの経験は大きかったですか?
「本当にこれはよく聞いて頂くんですけど、一言では言い表せないことばかりで。そもそも NXTという場に武者修行という形で行けること自体がすごくレアなことなんですね。それプラス、試合に出場できる機会は限られているのでNXTで試合ができるなんて思っていなかったんですよ。だから、パフォーマンスセンターでトレーニングをしていろいろと学び、たまにテレビ中継のないハウスショーで試合ができたらいいなという気持ちで行ったんですけど、最終的にはNXTのタイトルにも挑戦することができたんですね。この経験で自信は強くなったし、自分が今までプロレスリング・ノアで学んできたスタイルは間違いではなかったこと、アメリカでも、世界的にも通用するものなんだということを知れたので、1つの大きな自信になりましたね」



――強くなったことをNOAHのファンにも見せています。
「そうですね。1回ベルトを獲って6回防衛したことで1つ示せたと思います。本音を言うと、このままベルトを持って一生誰にも獲られないまま引退してやろうという気持ち、一生GHCヘビー級王者という気持ちはあったんですけど、さすがにそれは叶わず。シェイン(ヘイスト)というすばらしい選手にロストしたわけですが、ミーのストロングな部分を見せるという意味で、今夏のインテックス大阪でビッグマッチ『SUMMER EPIC』はベリーインポータントなものになるのかなと思います」
――大阪でのビッグマッチ開催は約2年ぶりになります。大阪の思い出は何かありますか?
「大阪の1番の思い出で言うと、藤田和之に3分足らずでボコられた(2019年)っていうのがあります(苦笑)」
――Inamura選手がデビュー2年目で、藤田選手と初のシングルマッチで顔面にパンチを左右1発ずつ喰らった試合ですよね?
「そうです。大阪でパンチを2発喰らいましたからね。あれ、めちゃめちゃ反則ですからね(苦笑)」


――確かに! その藤田選手とは6月3日の保土ヶ谷大会のタッグリーグ戦後にやり合っていましたね。
「大阪だけじゃなくて、横浜でもシングルマッチで負けているし、ほかにもミスター藤田には何回も負けているのでリベンジしたい、いつかあの人は越えなければいけないという気持ちがあったので、保土ヶ谷大会で仕掛けたんですけど、なぜかあの日のミスター藤田はすごくミーに対してイライラしていたというか、フラストレーションが溜まっているような、すごい怖い藤田和之で。(試合後のリング上で)ミーはただリスペクトを持って、シェイクハンドしたかっただけなんですけど、めちゃめちゃ顔面にビンタされて、そこからちょっとごちゃごちゃっと乱闘ぽくなり感情的にもなりましたけど、この『SUMMER EPIC』で対戦できたらすごく嬉しいですね」

――やっぱり藤田選手は乗り越えなければいけない壁だと?
「本当にそう思います。ファンの人からするとミーとミスター藤田は要所、要所で試合をしているなっていう印象だけだと思うんですけど、ミーとしてはすごくいろいろ教わっている人なんです。ミスター藤田は会話で、言葉で何かを表してくれる選手じゃなくて、リング上のぶつかり合いで彼の持っている強さだったり、経験値の高さなどを体に教え込まれている意識があるので、NOAHのファンの人にミーが強くなったことを示すためにも、強い自分を見せるためにもミスター藤田に勝つ。ミスター藤田を越えるということは、いつかやらなければいけないと思っていました」
――藤田選手は対峙した時の圧はすごいですか?
「野獣というキャッチコピーが(藤田選手に)ぴったりなのはみなさんもわかると思いますけど、ファンのみなさんはリング外、いわば檻の外から藤田和之を見ているわけじゃないですか? 表現が合っているのかはわからないですけど、ミーは動物園が好きでよく動物園にも行くんですけど、いくら怖い動物が檻の中にいても『大きいな』『強そうだな』って思うくらいで肌で感じることはないじゃないですか? 僕らはそういうビーストと檻というリングの中で1対1で対峙しているわけです。たとえそれがシングルマッチじゃなく8人タッグマッチとかだったとしても藤田和之が持つ殺気、オーラは常に変わらないものがありますね。その中でも特に保土ヶ谷大会の試合後はいつにも増して殺気が強かった。リング上でも『生ぬるいんだよ』みたいなことを言われましたけど、『お前、闘争心を掻き立てろよ!』というような圧も感じました。ただ、ミーはミスター藤田の怖さに触れるとなぜか『前に出なければ!向かっていかなければ』って思っちゃうんですよ。そういう意味でも本能を掻き立たせてくれるいいファイターだと思います」
――保土ヶ谷大会で向かっていかれましたが、Inamura選手が張り返した後の藤田選手の表情がちょっと嬉しそうに見えたのですが。
「怖くないですか? 顔面をビンタされて嬉しそうにしているのって。いつもそうなんですけど、ミスター藤田は常人では理解できないリミットを持っている人だと思うので、全てのリミットを僕が解除させたいと思います。この大阪の大きな場所で試合ができるならば、必ず藤田和之のリミットを解除させて、ミーも自分の限界を超えて藤田和之を倒したいですね」
――やはり自身の限界を超えないと藤田選手は倒せない?
「倒せないですね。人間じゃないです。本当に獣、ビースト。目が肉食獣の目ですもん。戦っている時、感情が出ている時の目が生き生きしているところを見ると、やっぱり野生のものを持っている人なんだなっていうのを対峙した時に思います。ファンの人は直接は見られない部分だと思いますけど、保土ヶ谷大会は会場が比較的コンパクトだったので、最前列のお客さんとかは完全に引いていました(苦笑)。会場のコンパクトさもあって、すごく伝わったんだと思います」
――バチバチしたやり合い、感情のぶつけあいというのはプロレスの魅力の1つですよね。
「そうだと思います。あの時はミーもリング上でちょっとエキサイトしていたんで全部は覚えていないんですけど、ミスター藤田がすごくいいこと言っていて。ミーはいま常にスマイルを意識してハッピーなムードを出すためにファイトしているんですけど、『そんなもん、薄っぺらいんだよ。憎さとか怒りとか、そういうものを全てさらけ出すのがプロレスなんだよ』みたいなことをミスター藤田が言っていて、それはすごくメイクセンスだなと。今のミーにはない部分かもしれないですし、そこに合わせるつもりはないですけど、そういう原動力があっての藤田和之なのかなと思いました」
――キャラは真逆ですからね。
「真逆になりましたね。常に怖いミスター藤田と常にハッピーなYoshiki Inamuraっていう。自分でいうのもあれですけど、そのコントラストもすごく出る注目のファイトにはなるんじゃないかなと思います」

――実現したら藤田選手とは3度目のシングルマッチになります。今度はどんな試合を見せてくれるのか期待は高まるばかりです。
「いろいろミーも成長して、技術もあって体力もついたとはいえ、前回の大阪みたいにパンチが来るとなると1発で試合が終わってしまうことも考えられますし、かといってトゥーマッチにシンキングしてミスター藤田と対峙するのも危ないかなと思うので、ちょっと対策は考えないといけないと思います。ただ、ミーのベースにはプロレスリング・ノアで学んだプロレス、ミーがリスペクトするプロレスリング・ノアの先輩方もそうですし、創設者の三沢(光晴)さんだったり、小橋(建太)さんだったり、かつてNOAHでファイトしていたレスラーたちの強さを持ったファイトを見せたい気持ちは変わらないし、それを見せるんだという強いマインドを持ってやっているので、ミスター藤田には負けたくないですね」
――藤田さんは元々新日本プロレス出身なので、ある意味、スタイルの違いも見どころになりそうです。
「そうですね。ミーたちの世代だと多分、格闘技の藤田和之、PRIDEの藤田和之の印象が強くて。ヒョードルをぐらつかせた男ですからね、本当にすごいですよね。だから生半可なパワー、フィジカルじゃ打ち砕けないですし、彼の怖さに打ち勝つメンタルがないといけないと思っています。そこは付け焼刃で鍛えたところで意味はないので、いままで経験したもの全ての限界を超えて臨むしかないです。しっかりコンディションとパワーを整えて、メンタルは常に落ち着かせて臨みたいと思います」
――対藤田選手における秘策みたいなのはありますか?
「秘策はないですね。秘策が通じる相手ではないですし、秘策が出せるようなシチュエーションになるのかも彼の場合はわからないので。それに正々堂々、真正面から倒さなければ意味がないと思っています。ミーがミスター藤田の試合ですごく印象に残っているのが、博多で田中将斗選手とやった試合があって、その試合が本当にお互いに正面から、言葉を選ばずに言うなら殺し合うような試合だったんですね。だから、そういう試合、本当にお互いが自分の命を削りつつも相手を倒すようなミートを切らせてボーンを断つような、そんなファイトで勝ちたいと思います。本当に秘策を出すような付け焼刃が通じるような相手ではないので、いままで練ってきたDIS CHARGEと無双、どっちかで倒したいと思います」
――NOAHのキャプテンとしても倒さないといけませんね?
「そうですね。でも、最近、ベルトを落としてからミスター奥田がコールの時にキャプテンって言ってくれなくて、キャプテンを降ろされている可能性が(苦笑)。ベルトを持っていたからキャプテンっていう意識ではなく、"ミーが先頭に立ってNOAHを引っ張ってくぞ"っていう気持ちからキャプテンだって言っていたのに、ベルトを落としたらキャプテンってコールされなくなったんですけど、気持ちはキャプテンです(笑)。いまのNOAHはいろいろな選手がいて、ミスター丸藤(正道)はもちろん、新世代で人気のあるOZAWA、実力者のミスター清宮、いろいろとNOAHのために尽力して人気もあるミスター拳王とかもそうですけど、いろいろな人がキャプテンになり得る中で、やっぱり自分が先頭に立って『プロレスリング・ノアといえばYoshiki Inamuraだ』って言えるようなキャプテンになりたいという気持ちはあります」

Ⓒプロレスリング・ノア(試合写真)
取材・文:金子裕希
撮影:滝野利喜雄
(2026年6月26日更新)
Yoshiki Inamura……1992年11月18日生まれ。栃木県大田原市出身
柔道、相撲で鍛え、2017年9月にプロレスリング・ノアに入門。2018年9月2日に熊野準戦で正式デビューを果たす。2019年に「稲村愛輝猛進七番勝負」で杉浦貴、潮崎豪、拳王、清宮海斗、齋藤彰俊、マイバッハ谷口とシングルで対戦。デビュー2年にしてシングルリーグ戦(N-1 VICTORY)に初エントリーするなど新人らしからぬ活躍ぶりを見せた。その後、2023年9月に無期限海外遠征へ出発。2024年6月に帰国し、7月13日の日本武道館大会で清宮の持つGHCヘビー級タイトルマッチに挑戦するも敗北。同年秋に再び海外修行へと旅立ち、アメリカのプロレス団体WWEの傘下で世界中からプロレス界のトップを目指す若手が集うNXTに参戦。NXT王座に挑戦するなど活躍を見せ、2025年10月に帰国。11月8日の後楽園ホール大会で当時の王者・KENTAからGHCヘビー級王座を奪取し、2026年5月の両国大会でシェイン・ヘイスト相手に王座陥落するまで、清宮、杉浦、OZAWA、マサ北宮、拳王、アルファ・ウルフを倒しV6を達成した。アメリカ帰りのため、ルー大柴ばりの独自のイングリッシュ『Yoshiki語』を話す。
https://www.noah.co.jp/profile/36/
チケット発売中 Pコード:594-150
▼7月18日(土) 15:00
インテックス大阪 5号館
アリーナSS席-30000円 アリーナS席-20000円 アリーナA席-10000円 アリーナB席-6000円 アリーナ正面ひな壇席-10000円
※アリーナSS席は1人8枚まで。
※未就学児は保護者の膝上にてご観戦の場合のみ、大人1名につきお子様1名まで無料。高校生シートは当日のみ(要学生証提示、2000円)。車椅子でのご観戦につきましては、事前にプロレスリング・ノア事務所までお問合せください。
お問合せ:プロレスリング・ノア https://www.noah.co.jp/contactform/
(月曜~金曜 10:00~18:00/土日祝祭日は除く)