セレッソ大阪の守護神キム ジンヒョンが
ガンバ大阪との大阪ダービーについて語る
選手、サポーターがより熱くなるセレッソ大阪とガンバ大阪による“大阪ダービー”。刻一刻と開催日の9月28日(土)が近づく中、今回はセレッソ大阪の守護神としてゴールマウスを守り、堅守に貢献しているGKキム ジンヒョンに大阪ダービーについて話を聞いた。
――大阪ダービーの日が近づいています。
「僕もけっこうダービー戦を長く経験しているんですけど、いつも、どの試合より楽しみだなっていうのはありますね」
――やっぱり意識はしますか?
「意識はあまりしないようにしています。いつもの試合と同じくらいの気持ちで戦いたいと思いますけど、あのピッチの中に入るとモチベーションもそうですし、体の動きもすごく変わることもあります」
――他の試合とはちょっと違う?
「そこまで違うことはないです。ダービー以外の試合でも、100%以上の力で戦わないといけないので。ただ、いつもの試合と同じくらいの気持ちで入らないと、チョンボとかをするんで(苦笑)。やっぱり気持ちが入りすぎて、魅せないといけないっていう気持ちが出てしまうとミスが出たりするので、ただの1試合として、いつもの気持ちでやりたいです。キーパーは冷静に判断よくしないといけないし、一番ぶれたらいけないポジションなので、1試合1試合全力で戦いたいなと思います」
――ジンヒョン選手はセレッソに入ってから、ガンバ大阪というライバルを知ったと思います。いつから大阪ダービーを意識し始めました?
「韓国のKリーグでいうと、同じ地域にチームが2つあるっていうことはあまりないんです。だから、そういうダービーを見たことがなくて、Jリーグに来て、そういうのもあるんだって知って。(入団)1年目の2009年はセレッソがJ2だったので戦うことはなくて、2年目も多分、僕は累積でホームのガンバ戦に出られなかったんですけど、サポーターの応援とかダービーの雰囲気、戦い方や球際のところとかを上(スタンド)から見た時にすごい雰囲気だなって思いました。ピッチに立ってこういう雰囲気を楽しみたいなっていうことを感じましたし、やっぱりいつもの試合よりも、サポーター、選手の気持ちも入っていたので、そこからずっとダービー戦はすごいなって思っていました」
――やはりガンバに負けたくない気持ちは強いですか?
「サッカーは負ける時もあれば勝つ時もあって、どうなるのか分からないけど、ダービー戦だから特に、絶対に勝ちたいっていう気持ちはあります」
――大阪ダービーにおいて、セレッソはなぜか調子が良くても負けたりと、対戦成績でも分が悪いのですが、これについてはどう考えていますか?
「さっきも言ったとおり、サッカーは負けることもあれば勝つこともあります。やっぱり調子がいいから絶対に勝てるっていうことはないと思うので。でも、なんでダービー戦は勝てないか。その理由を挙げるとしたら、ガンバのほうが遠藤(保仁)さんとか、移籍しましたが今野(泰幸)さんとか、そういう中心選手がしっかり周りの選手を、気持ちを含めて、しっかり戦える準備をさせたんじゃないかと思います。そういう中心選手がいればもっとチームが強くなると思いますけど、うちは中心になった選手が抜けたりとか、そういうのが結構多かった。それでも試合になったら、気持ちの面でもしっかり準備をして臨んでいましたし、いい戦いをしていたと思うんですけど、勝てないということは、ガンバの方が僕ら以上にいい準備をしていたんじゃないかなと思います。それから、ガンバはセレッソより勝利が多いので(セレッソに対して)相性がいいという持ちで戦える部分もあるので、多分、ちょっと余裕があるんじゃないかなと思います。そういう相手から勝利を挙げるためには、僕らはやっぱり必死で戦わないといけない。そういう気持ちが、勝敗の差になるんじゃないかなと思いますね」
――ちなみに、ダービーで勝った時のことは覚えていますか?
「2011年のACL(ラウンド16)もそうですし、2012年にホームでケンペスが決めて、っていうのは覚えています。ホームでは、だいたい引き分けが多かったっていうイメージですね。2014年はホームで(ディエゴ)フォルランが決めましたけど、2-2で引き分けでしたよね。ホームでもけっこう勝てるチャンスはあったんですけど、引き分けがあったりとかしたんで……まぁ、勝てるイメージは全然あります」
――よく覚えていますね。やっぱりそれだけ印象に残っている?
「そうですね。やっぱりガンバ戦は特別に覚えやすいっちゃ覚えやすいですね」
――リーグ戦では2012年以来のダービー勝利がかかる今回、どういう試合になりそうですか?
「今の僕らは上の行くチャンスがあると思うので、順位を1つでも上げるために、残りの試合を全部勝つという気持ちでいきたいと思います。目の前の1試合、1試合を全力で戦って、なるべく多くの勝利につなげたいなと思っていますし、ガンバ戦も残り8試合の中の1つなので、勝つために全力で戦いたいなと思います」
――ロティーナ監督がセレッソの指揮を執って1年目ですが、開幕から積み重ねてきたものがあるだけに、前回より成長したチームの姿を見せられるのでは?
「成長はしましたね。最初のリーグ戦では、何試合か点も取れなかったし、負けている試合がけっこう多かったので。それを考えたら、今は順位的にももっと上を狙えるので、最初より悪くないと思っています」
――後ろからの繋ぎもスムーズになりましたよね?
「やっぱり、ブレずにやることが今のチームの強さじゃないかなと思いますね。ミスしてもお互いにカバーしたりとか、みんなが周りをサポートするっていう気持ちが今のチームの強さだと思うので、どこの相手にもそんなに簡単にはやられないっていうのが今のセレッソの強さじゃないかと思います」
――対するガンバは前回と大きくメンバーが代わっています。現状、把握しているガンバのイメージや注意したいところはありますか?
「(ガンバは)結果は出ていないですけど、去年とかもそんな感じやったと思います。ただ、そういう状況でも1試合、1試合しっかり戦えるし、そんなに簡単にやられないチームだと思う。最近はけっこう新しい選手も増えていて、今のところは合ってないかもしれないですけど、そこが合ってきたら怖いなとは思います」
――警戒する選手はいますか?
「僕は特別にそういう選手をあげることはあまりないです。キーパーは一人だけ指名しても、他の選手がシュート打ってくることもあるので、一人だけじゃなくて、試合の全体を見て、流れとかもそうですけど、全員に気を付けたいと思います」
――では、逆に活躍を期待するセレッソの選手は?
「僕は本当に自分のことしか考えてないので……(笑)。期待するっていうか、必死に戦うことしか考えてないです」
――このプレーを見ておいたほうがいいよ、っていうのは?
「セレッソ全体のサッカーを見て欲しいなって思いますね。ミスもありますが、プレースタイルが、子供たちにも指導者にもいいサッカーになっていると思うので、戦術的な部分、みんなの立ち位置とかボールの回し方とか、そういうのを見て欲しいなっていうのはあります。(ロティーナ監督は)戦術的な監督で、すごい戦術のサッカーのやり方を持っているので、そういう全体、セレッソのプレースタイルを見て欲しいです」
――ダービー全体の見どころも教えてください。
「見どころは、やっぱりサポーターの雰囲気じゃないですかね。選手が必死に戦うところは間違いなく毎試合同じだと思いますが、ダービーはサポーターの人数や雰囲気がまったく違うので、今までサッカーに興味がなかった人だけでなく、ファンだった人もダービーを観て本当にサッカーを好きになると思います。だから、サポーターの応援のすごさを感じて、サッカーのファンになってくれれば」
――それでは、最後にダービーに向けた意気込みをお願いします。
「前回はアウェイで負けましたし、サポーターのみなさんも本当に悔しかったと思います。今、けっこういい順位にいる中で、やっぱり1つでも上に行きたいので、毎試合勝ちにこだわっていきたいと思います。その中で、ガンバとのダービー戦は絶対に勝ちたいので、みんなでいい準備をして、いつもよりハードワークして戦っていきたいと思います」
(2019年9月27日更新)
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