ホーム > インタビュー&レポート > カラフルなナンバーを武器に一歩ずつマカオから世界へ SCAMPER(跳躍號) from Macau インタビュー&ライブレポート
――10月10日の大阪、9日の京都、7日の東京と、今回の来日で3公演を開催されたそうですが、ライブはいかがでしたか?
Jun「みんな音楽が大好きですね。ただ東京と大阪ではちょっと違う感覚でした。東京はポジティブなミュージックが好きそう。大阪のみなさんは熱くてエネルギーがすごい(笑)」
Angus「どんな地域のファンでも、僕らの言語が通じなくても、ボディランゲージやコール&レスポンスでお互いのやり取りができて、すごく盛り上がりました」

――今日のライブも"イエイエオ!"のコールがありましたね。
Angus「イエイエオ♪」
Jun「コール&レスポンスはいつもライブでやります。ライブはバンドが音楽をやるだけのものじゃなく、やっぱりオーディエンスと一体になる大事な場だと思っているので」
Angus「ライブの時はみんなと目を合わせるのが好きです。目を合わせて伝わるメッセージはすごく誠実だと思うので。あと、拳を合わせたりとか。すごく感情が伝わってくるので、そういうのが好きですね」
――先ほどのライブでも立ち去る時にそんな姿を見ました(笑)。
Angus「そうそう(笑)」
Jun「作曲する時も、わざと歌詞のない"イエイエオ"のようなコーラス部分とかを作ったりして、どんな言語でも歌えるように考えていますね。それを曲に入れることで全世界の人と交流したいです。とくに僕らは小さいころから日本の文化......アニメや音楽がめっちゃ好きなので、今回日本に来て日本のみんなに会えて、日本のバンドのみなさんと友達になれたのは、夢が実現したみたいですごくうれしいです」

――そういえば、10月3日発表の新曲「離地練習(Never Stall Out)」のMVには日本の映像が入ってました。
Angus「今年6月に日本でツアーを行った時の映像を組み込みました。あの映像は一つの足跡なので、記憶にとどめたくてVlogのような形でMVにして保存したんです。僕は歌詞を書く時に自分たちが一歩ずつ前に進むのをイメージしていて、どんな困難があっても乗り越えられるような、そういう精神を表現するようにしているんですが、6月のライブ映像を入れることは、そういう自分の歌詞によく合う感じがしたんです」
――なるほど。さて、みなさんの曲はバラエティ豊かです。ただし、曲ごとに雰囲気がまったく異なっても、メロディアスでエモーショナルな部分など、ちゃんと通底するものがありますね。
Jun「僕自身、RADWIMPSやヨルシカとかの日本のバンドや、欧米のバンドなど、多くの異なるジャンルの音楽を聴いてきて、好きなバンドがたくさんいるからですね。自分たちの共通の考えとしても、同じようなスタイルの音楽ばかりを聴き続けたり、同じような曲ばかりを作ったりしないようにしようというのがあるので、それは心がけています。あと、僕らはすごく長い付き合いなんですけど、最初のころはお互いの共通点を探しながらだったんです。でもそれをずっと続けるなかで、今は全員に共通するコアが見つかり、バラエティ豊かな曲の中でもそれが伝わるような作曲も続けています。「離地練習(Never Stall Out)」については、日本の音楽みたいなメロディになっているんですが、さっき話した僕が影響を受けているRADWIMPSやヨルシカのイメージを思い浮かべて......(作曲した)。日本で歌うことをイメージしながら作ったので、こういう曲になりました。ただ、日本の音楽だけじゃなく、メタルコアとかの欧米の音楽もよく聴くので、いろんな要素を取り入れて自分の音楽を作り出すという感じです」

――作詞はどのように?
Angus「みんなに力を与えられるように!というのを大事にしています。だれの生活にも困難は必ずあるけど、それを過度に大きくとらえないように、たとえば"悲しいことはあるけど、必ず乗り越えられる"という信念を込めているので、勇気を感じてもらって前向きに楽しんでもらえたらなと思います」
――前述の"困難を乗り越え、一歩ずつ前進"ですね。バンドがそれを体現してきたんですよね。
Angus「日本以外の国の人からすると、外国のバンドが日本でライブするのは夢みたいなもの。でもその夢を実現していくことを表現したくて、今、日本でのライブをMV、歌詞、曲として一体化する作品を作っています。All in oneです(笑)」
Jun「そしてAll for one(笑)」

――では最後に今後の目標や展開を。まだ声を聞けていないELさん、お願いします(笑)。
EL「まずは「離地練習(Never Stall Out)」以外の新曲も収めたニューアルバムをリリースする予定があります。その新曲たちは、まだライブで披露したことのない曲ばかりなので、それを楽しみにしてほしいですね。そして、もっとたくさんの人にSCAMPER(跳躍號)の音楽を聴いてもらいたいです」
Angus「たぶん、みんなマカオという地域は知ってるけどマカオの音楽は聴いたことがないと思うんです。だから今回をきっかけにマカオという所、そしてマカオの音楽を知ってもらいたいですね。11月にはマカオでフェスを主催するので、みなさんにも来ていただけたらうれしいです」
Text by 服田昌子
写真提供:FM802、撮影:桃子
【LIVE REPORT】
2026.10.10. Sat. at CONPASS
Angus(Vo)の「こんにちは、みなさん!」という日本語の呼びかけで親近感を高め、「刺蝟(hedgehog)」の耳に残るエキゾチックな旋律でスタート。口ずさみたくなるようなサビでは早々に観客がハンズアップし、メランコリックなギターも経て、最終の絶叫でボルテージも急上昇する。また続く「猿似人(awake the silence)」では自然と多くの拳が上がり、Angusがマイクを掲げ、Jun(G)が髪を振り乱してプレイ。その気迫が外へ伝わったのか、続々と人が集まりフロアが埋まる。すると「Let's dance!」(Angus)と、ムードを変えて軽快に「牛馬假期(busy man holiday)」。ご機嫌なメロディとビートに跳ねたら、「次は僕らの愛がつまった曲を」(Angus)と「i love you so」へ。ワイパーが発生し、やわらかな調べにAngusがやさしい歌声をのせ、ハートのハンドサインも送れば、心地よく揺れる人が続出。Junのギターも清らかで、曲後にはAngusの「(愛を)Take it?」の問いに「かわいい!」の声も上がる。そして終盤戦はEL(D)のカウントからクラップをともなって「永生樹(tree)」のポップから。曲中、Junが「人と人の出会いは一瞬ですが、みなさんと出会えたこの瞬間は私たちにとって永遠の思い出です!」と口にして心をわしづかみにし、ラストは祝祭感あふれる最新曲「離地練習(never stall out)」の「イエイエオ!」のコールで会場を一つに。「Wonderful!」(Angus)、「めっちゃうれしい!」(Jun)の声ももれ、観客の歌声が終演後も続く晴れやかなラストシーンとなった。

Text by 服田昌子
写真提供:FM802、撮影:桃子
(2026年11月 4日更新)
スキャンパー…多ジャンルをクロスオーバーさせたエネルギッシュな3人組ハイブリッドロックバンド。マカオを拠点に、香港・中国・日本・台湾などで活動。マカオ代表として中国の人気バンド番組「楽隊風暴」に出演し、高得点を連発。2019年には同じく中国の音楽番組「これぞオリジナル(這!就是原創)」でもトップ10入りを果たす。また、LINKIN PARKのワールドツアー・マカオ公演ではオープニングアクトを務めたほか、これまでに3度の来日ツアーも成功させている。
[10日(土)出演]
●Dabda from Seoul
●INIS from Jakarta
●SCAMPER(跳躍號) from Macau
●SIMILE LAND(Korea Spotlight)
[11(日)出演]
●DVY from Makassar
●JŪJI from Chaingma
●Jungwoo(Korea Spotlight)
●Kyoyoko from Beijing
[12(月・祝)出演]
●Characterless from Zhejiang
●Echo of Your Soul
●Meaningful Stone(Korea Spotlight)
MINAMI WHEEL HP
https://minamiwheel.jp/