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Ms.OOJAの目に映った満員の大阪城ホール
「“O”がいっぱいになる、見たことのない新しい景色」

シンガーソングライターのMs.OOJAによるメジャーデビュー15周年を記念したワンマンライブ『Ms.OOJA 15th Anniversary Live「Ms.OOOOOJA! 〜あたらしい景色をみにいこう〜」』が10月18日、大阪城ホールで開催された。

Ms.OOJAや彼女を支えるチームにとって大きな挑戦となった今回の大阪城ホールでの公演。タイトルに“O”が多いのは、ファンを含むたくさんの仲間の存在を表しており、メジャーデビューから15年間で出会ってきた人々への思いが込められているという。そんな仲間たちが集まった大阪城ホールは満員となり、記念すべき公演を盛り上げた。

開演を迎え、スクリーンに映し出されたのは「立ち上がって」「歌おう」の文字。「響けOSAKA」の文字と共に、デビューした2011年2月から公演当日までの時間を示すカウンターが刻まれていく。やがてMs.OOJAのシルエットが浮かび上がり、オープニング曲「Anthem」が鳴り響く。スパンコールが散りばめられた真っ赤な衣装は、Ms.OOJAの気合いの表れか。そして<響け大阪、響け大阪、響け大阪>とサビで連呼される同曲は、デビューから15年の歳月を経て、この場所にたどり着いたMs.OOJAの思いを象徴するかのようだ。<あれからいくつも涙を超えて 今この場所で待っている>という歌詞も、冒頭のカウンター演出と重なり、一つひとつの言葉をより深く噛み締めながら聴くことができる。1曲目からクライマックスのような雰囲気が漂い、あらためて15周年の集大成であることを強く印象付ける。

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さらに「Life」「My Way」を立て続けに披露。<どんな時だって 向き合いたい 私らしくいたいから>(「My Way」)などのポジティブなメッセージが、力強い歌声で届けられる。また、その伸びやかな歌声からは、Ms.OOJAが大阪城ホール公演に向けて、いかにコンディションを高めてきたかがうかがえる。

この日、最初のMCコーナーの第一声は「ヤバイ!」。さらに「みんなと最高の景色を見て、新しい景色を作って、最高の思い出の時間を作っていきたいと思います。よろしくお願いします......泣かなかった!」と笑顔。今回の公演前に行ったインタビューでも、「武道館(2022年)のときはライブ冒頭で感極まって泣いちゃったので、今回は泣かないようにしなきゃ」と話していたが、大阪城ホールのステージに立った喜びが、こみ上げる涙をも凌いだのかもしれない。

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DJのスクラッチがスタートの合図となったノンストップメドレーでは「Shout out!!」「Eye to Eye」など6曲が演奏された。BPMの異なる楽曲が見事につながり、リズムやグルーヴを変化させながら、会場をひとつのダンスフロアへと変えていく。特にメジャーデビュー曲「It's OK」の<新しい事始めようとする時は 怖くなるもの でも今だけは 信じてみるのも悪くないかもね>は、大阪城ホール公演という新たな挑戦を実現させた今だからこそ、ひときわ感慨深く響いてくる。

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続いて「海を見てる」「また恋をすることなど」などをじっくり聴かせた後、ステージはVTRへ。映像では、2022年の日本武道館公演を振り返り、「今まで見たことのない景色を見させてもらって、こんなに支えてくれる人がいるんだって、こんなにMs.OOJAのライブを見に来てくれる人がいるんだっていうのを目視できたというところは、印象に残っている」「15周年というタイミングで大阪城ホールをやってみようってなったときに、武道館があったからできるよなって」と、"おじゃファミ"と称されるファンの存在の大きさを実感したことが語られた。

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会場中にペンライトの光が広がり、ここからはMs.OOJAが新境地を開拓したカバー曲のコーナー。44年前、生後間もないお宮参りの際に着ていた着物をアレンジしたという衣装をまとい、「愛燦燦」が披露される。歌っているというより、息遣いの延長で歌が生まれているようなナチュラルな歌唱に聴き惚れる。歌詞の一つひとつの言葉にメロディが丁寧に乗せられ、自然と耳に届いてくる。

マイクにそっと手を添えて、ゆっくりと離す情感たっぷりの仕草で歌われた「冬隣」、客席との<いろいろ>というコールアンドレスポンスで一体感を生んだ「人生いろいろ」もそれぞれに聴きどころがあったが、圧巻だったのは「真夜中のドア〜stay with me」。曲中には早替えで、腕を大胆に露出したシルバーのスパンコール衣装に変身。あっという間の出来事に客席からどよめきが起こる。リズミカルなキーボードがどこかフューチャーレトロな雰囲気を醸し出すなか、Ms.OOJAの透明感ある歌声が響き渡る。サビでは観客も<Stay with me>と口ずさみ、座ったまま心地よさそうに体を揺らしていた。

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「ここからは歌って踊って楽しむ時間」とMs.OOJAの呼びかけ、再び観客総立ちの中で歌われた「六本木純情派」で"踊るムード"が広がり、「勝手にしやがれ」では客席がペンライトを振りながら盛り上がった。「みずいろの雨」ではミラーボールも登場して会場を<大阪城ホールDisco>に変え、その後も「ダンシング・オールナイト」「フライディ・チャイナタウン」といった曲調の異なる楽曲で、変幻自在なボーカルを聴かせた。

白いドレスに薄紫色のレースをあしらった衣装で登場したMs.OOJAは、ウェーブのかかった髪を下ろし、これまでとはまた違った柔らかな雰囲気をまとっている。「30」では繊細なアコースティックギターやストリングスの音色に乗せて、失恋の切なさや哀愁を表現。飾らない素直な歌声が、楽曲の世界観をいっそう際立たせていた。

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続く「40」では、<いつのまにかあの傷跡は 私の一部になっていたの>と歌われた。「30」と「40」を続けて聴くことで浮かび上がってくるのは、10年という歳月がもたらす心境の変化だ。かつての悲しみや傷が消えるわけではない。それでも時間を重ねることで、それらを自分の一部として受け入れられるようになる2曲に描かれた10年間からは、Ms.OOJA自身の歩みが浮かび上がると同時に、聴き手もまた、自分が歩んできた人生を振り返ることになったのではないか。

ここまで完成度の高い歌唱を披露してきたMs.OOJAだが、「翼」ではテクニックだけでは語れない、むき出しの感情が歌声から伝わってくる。<大切なもの>と歌いながら右手を胸に当て、遠くを見つめるような表情を浮かべる。その姿からは、歌手としての巧みさだけでなく、一人の人間としてのMs.OOJAが垣間見えた。

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その人間味は続く「HIKARI」にも表れていた。深海を思わせる青い照明のなか、重厚なドラムとシンバルの響きに乗せて、荘厳な歌声を聴かせる。息継ぎを感じさせないほど長く続くフレーズを、ファルセットと力強い発声を織り交ぜながら歌い上げるMs.OOJA。サビでは全身に力がみなぎり、その表情にも感情があふれ出す。まさに「熱唱」という言葉がふさわしいパフォーマンスだった。

Ms.OOJAは「1月25日に大阪の(梅田)クラブクアトロで(大阪城ホール公演の開催を)発表してから、約9か月間、"オジャファミ"と一緒に駆け抜けてきました。さらにその数か月前から、スタッフ一同、毎週定例会議をして、毎週集まって、今日という日を作り上げてきました。その中に"オジャファミ"が入って、バンドメンバーが入って。今回"O"が増えているんですけど、タイトルの一つひとつの"O"はみなさんです。みんながいて、Ms.OOJAは成り立っているんですよ。"O"がいっぱいになる景色を思い浮かべながら、今日この大阪城ホールを迎えて、みんなと一緒に見たことのない新しい景色を見られたことを、本当に嬉しく思っています。15年という月日の中で、こんなにたくさんの宝物を私は見てきたんだなと、今日本当に実感しています」と改めて感謝を伝えた。

そして歌われたのが「最終回」。しかし、そのパフォーマンスには、間もなく終幕する公演への名残惜しさや感傷的な雰囲気がない。むしろ、この曲は終わりであると同時に、新たな始まりを描いているようにも受け取れる。切ない曲の世界観を前向きに歌い上げるその姿こそ、Ms.OOJAらしさと言えるのではないか。15周年公演の終盤にふさわしい一曲となった。

「最終回」で描いた終わりと始まりは、代表曲「Be...」へ引き継がれる。"最終回"で物語がストップするわけではない。必ず"その後"がある。そんなメッセージが2曲を通して浮かび上がってくる。サビを歌い終えると、まだ曲中でありながら客席から自然と拍手が沸き起こった。そして、最後の一音まで歌い切ったMs.OOJAは、ひと息ついて会場を見渡し、笑顔を浮かべる。喜びや安堵、さまざまな思いが入り交じったような笑顔だった。

エンディング曲は「Dear」。「(1曲目の)『Anthem』はみなさんの声が入って完成しました。この曲(『Dear』)では、みなさんの声で締めくくるんです。(曲を)知らない人もいると思いますが、とにかく声を出してください」と客席にマイクを向ける。大阪城ホールにいる全員が<ありがとう>というフレーズを歌ったその瞬間、この公演がMs.OOJAだけではなく、観客全員にとっての到達点でもあったことを物語っていた。

最後の「信じられない、もう終わっちゃったんだけど!」という一言さえも、寂しさより、これから先への希望に満ちて聞こえた。

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Text by 田辺ユウキ
Photo by 平野タカシ、浜村晴奈、キラ




(2026年11月 5日更新)


Set List

『Ms.OOJA 15th Anniversary Live「Ms.OOOOOJA! 〜あたらしい景色をみにいこう〜」』
2026.10.18 Sun at 大阪城ホール

01. Anthem
02. Life
03. My Way
04. You are Beautiful
05. Shout out!!
06. Eye to Eye
07. We are Stars
08. Iʼm Alive
09. One Way Drive
10. Itʼs OK
11. 海を見てる
12. また恋をすることなど
13. はじまりの時
14. 愛燦燦
15. 冬隣
16. 人生いろいろ
17. 真夜中のドア〜Stay With Me〜
18. 六本⽊純情派
19. 勝⼿にしやがれ
20. みずいろの雨
21. 飾りじゃないのよ涙は
22. ダンシング・オールナイト
23. フライディ・チャイナタウン
24. さよならの向こう側
25. 30
26. 40
27. 翼
28. HIKARI
29. Hidamari
30. 最終回
31. Be…
32. Dear

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