ホーム > インタビュー&レポート > 城田優が14年ぶりにオリジナルアルバムを発表 「挑戦することの意味」を問いかける意欲作 「向かうべき道を明確に感じながら生きていく」
――今作は14年ぶりのオリジナルアルバムのリリースとなります。その間、ミュージカルアルバムなどは制作されてきましたが、なぜ今回、オリジナルアルバムという形になったのでしょうか。
「芸能活動を始めた25年以上前から、音楽に対して強い思いがありました。10代の頃から曲を作ったり、歌うことや音楽活動に対して強い憧れがあったりしました。そして20代の頃に約1年間、俳優業と並行しながら音楽活動をやらせていただきました。音楽と向き合う楽しさや難しさなど、いろんなことを知りました。ただ、俳優活動と両立させる大変さもあり、そのまま音楽活動を続ける選択肢が自分の中で見いだせませんでした」
――城田さんは特に、舞台、映画、ドラマなど様々なフィールドで活動されていますもんね。
「いつかまた音楽活動を絶対に再開したい」という気持ちはずっとありました。だけど、「いつかまた」と言っている限り、その「いつか」はなかなか訪れないもの。その「いつか」を実現させるために、自分の中でしっかりホップ、ステップを作っていきました。そのためにミュージカルやJ-POPのカバーアルバムを制作していきました。いいタイミングが来たらジャンプしたい、と考えていたんです。もちろんその間も、音楽の世界に生きる友人や先輩、自分が一ファンとして追っているミュージシャンが大舞台に立っている様子を見て、実際にそこへ行き着くまでの道のりの話も聞いていました。そこで改めて、夢を追うことの素晴らしさと難しさを感じながら、40歳という節目を迎えたことで、「いつか」を実現させるのは今じゃないかと思ったんです」
――様々な方から刺激を受けたわけですね。
「ありがたいことに、僕は幼少期から夢に見ていたことがほぼ現実になっているんです。様々な仕事をいただくことができ、一握りの人しか経験できないこともやらせてもらっています。だからこそ、そこで歩みを止めてはならないと考えました。夢を叶えたからこそ、そこで終わらせるのではなく、もっともっと大きな夢を抱く。それが成功しようが失敗しようが、そんなことはそれほど重要ではない。夢を追い続けること、向かうべき道を明確に感じながら生きていくことに意味があると感じたんです。もちろん、安定という道を選択することもできる。音楽に限らずどんな分野もビジネス的に成功するのは決して簡単ではありません。そもそも僕は、音楽で評価されてきた人間でもありません。これまで通り、俳優という部分だけにフォーカスしていけば、安定があるかもしれない」
――なるほど。
「さらに深いお話をさせていただくと、今回は僕が経営している会社で自主レーベルを立ち上げ、音楽制作を行いました。そこまで強い気持ちで行動しても、今回のアルバムが音楽チャートの1位になるとか、ストリーミングで何億も再生されるとか、そういう未来が訪れる確率は「かなり低い」というのが現実です。もちろん関わってくれた人たちのためにも結果を残したいですが、あらかじめ受け入れておくべき事実を認識する必要もあります」
――確かに、現実的なリスクも大いにはらんでいますよね。
「それでもなぜやるのか? それは"挑戦することの意味"なんです。僕の曲が、誰かの心に深く刺さるかもしれない。そういう奇跡が次の何かにつながる可能性がある。そういう夢を持っておかなければならないと思うんです。それに、夢を持つことに年齢なんて関係ない。40歳になった今、エンタメに限らずいろんな夢が世の中にはあって、何歳になってもそれを追いかけていい。僕の今回のチャレンジを見て、「私も何かやってみよう」「僕もがんばってみよう」という感情につながればいいなと思うんです。僕らは生身の人間なので、そういう熱意が必ず誰かに届くと信じています。「僕はこういうことをやってみました、あなたはどうですか?」って。また、今回のプロジェクトに際して多くの制作費を費やしているので、行き当たりばったりで賭けに出ているところもありますが、アルバムタイトルのようにそこは"ケ・セラ・セラ"のマインドでもあるんです」
――気になったのはそこなんです。というのも、2012年発表のアルバム『UNO』の収録曲「U」で<死にものぐるいで未来を変えてやる>と歌っていた城田さんが、「ケ・セラ・セラ」と言えるようになった変化の背景には何があったんだろうって。
「『¡Que será será!』は前作から14年という"空白の時間"が生み出した曲が詰まっています。収録曲では、自分の弱い部分や社会に対して今感じている感情・感覚をさらけ出しています。「どう思われるか」を細かく考えて描いた絵ではなくて、「今の僕はこんな感じです」というもの。14年前には書けなかった歌詞です。一方で「まだ」「ひだまりの色」といった曲は、もともとの僕が持っている感性がストレートに表れています。いろんな過去の自分と、「こうなっていたい」と思っていた自分、もしくは全然想像していなかった自分が混在しています。今だからこそ「ケ・セラ・セラ」と言えるようになったこの年月が曲になっています」
――前向きな楽曲が並んでいる印象です。
「希望を持って生きることが、特に今の時代は大事。ネガティブな話題ばかりが目立ちます。昔からそうだったとは思うんです。そういったことを週刊誌や新聞が取り上げていました。今は、SNSがネガティブを吸い寄せている。その状況が変えられないのであれば、「ハッピーなネガティブ」や「夢に向かってバカやっています」みたいな気持ちでもいいかなって。それも、「自分もがんばってみようかな」という感情につながるかもしれない」
――『¡Que será será!』は歌詞だけではなく、多彩な音楽性が感じられ、メロディーメイカーとしての城田さんを評価するべき作品でもあると思います。
「そうおっしゃっていただけるのは、本当に嬉しいです。自分も実は、メロディーを作るという部分に自信があるんです。客観的に自分を見て「城田優の才能って何だろう」と考えたとき、演出やお芝居をすることでもなく、歌うことでもなく、メロディーを作ることが僕の才能だと考えています。専門的な知識があるわけでも、音楽を学んだわけでもありません。独学でギターを弾き始めて、作曲を始めました。そういう点では、自分が信じている感覚を頼りにここまでやってきました。ありがたいことに、音楽仲間からも「いい曲だね」と言っていただけるので、そこは自信を持ってやっています」
――12月23日にフェスティバルホールで開催される『YU SHIROTA LIVE 2026「¡Que será será!」』では、城田さんの音楽を堪能できる良い機会になりそうですね。
「もともと僕のことを知ってくださっている方に、自分の音楽をまず、しっかりと届けたいです。でも同時に、城田優にまったく興味がなかったけど「友だちに誘われて来てみた」という人たちもきっといるでしょうし、そういう方に僕の曲が刺さることがあれば、それ以上の幸せはないです。いろんなきっかけで、作った曲が自由に羽ばたいてほしい。それが、自分が思い描く素敵な未来です。当日は何かしら、"おもろい感情"を楽しんでいただけると思います」
Text by 田辺ユウキ
(2026年10月22日更新)
2026年11月18日(水)発売
【東京公演】
▼11月23日(月・祝) 昭和女子大学 人見記念講堂
▼12月23日(水) 18:30
フェスティバルホール
S席-11000円
A席-8800円
B席-5500円
※未就学児童は入場不可。
※公演中止、または延期の場合を除き、ご購入後のチケットの変更や払い戻しはできません。
※チケットはお一人様につき1枚必要です。
※車いすをご利用の方はS席チケットをご購入の上、キョードーインフォメーションまでご連絡ください。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888