ホーム > インタビュー&レポート > KREVAはどんな意識で楽曲を制作しているのか? 「今の自分に合った言葉を探し、学んでいく必要がある」 “授業型エンターテインメント” 『KREVA CLASS 2026 -新しいラップの教室-』開催
――KREVAさんの近況で、7月14日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた北海道日本ハムファイターズと福岡ソフトバンクホークスの一戦でファーストピッチを務めた出来事が印象に残っています。ファイターズの達孝太投手がKREVAさんの大ファンで、Instagramに「KREVAさんにいつか会うために野球をがんばってきた」と綴っていらっしゃいました。
「嬉しさ以上に「俺のことをこんなに好きでいてくれるんだったら、もっとがんばらなきゃいけないな」という気持ちが強くなりました。ちなみに達君は、この『KREVA CLASS 2026』のイメージビジュアルで俺が着用しているスーツと同じものをオーダーして、着ていらっしゃると聞きました。達投手は体が大きいから、俺が着ているものよりきっと高いはず(笑)」
――ハハハ(笑)。『KREVA CLASS』もそうですが、KREVAさんは様々なアプローチでラップを広げてきたから、その楽曲がいろんな方の支えになっていると思うんです。
「ただ『KREVA CLASS』もそうなのですが、俺自身は「ラップの良さを伝えよう」というより、「自分もがんばろう」と思ってもらえる働きかけを意識していますね。「俺はラップのことをこれだけ追求しているけど、みなさんはどんなものを追いかけていますか?」という問いかけというか」
――KREVAさんはその中で、ラップの中で使う日本語への興味を深め、学びを重ねている印象です。2024年には、学び続けることの大切さを伝える曲「Forever Student」(2024.11.4)もリリースされましたが。
「学ぶこと自体が好きですね。学生時代、なんでもっと勉強に興味を持たなかったんだろうって。しかも、大学は年齢を重ねても行こうと思えば行けるじゃないですか。もう一度、勉強をして、受験をして合格したら勉強し直せる。書道や茶道など"道"と付くものは特にそうなんですけど、50歳になっても始められることっていくつかあるんですよね。結局、学びにはゴールがない。だからこそおもしろいし、ゴールが見えない怖さもあるかもしれない」
――なるほど。
「日本語を探求している」という部分では、小林賢太郎さんは相当高いレベルの日本語を使い、作品を作っていらっしゃると思っています。賢太郎さんの舞台を見ていると、「俺ももっと勉強しなきゃな」と感じます。賢太郎さんの舞台は、行けるものは全部行っていますし、自分にとってそういう存在は唯一。憧れの人です。「考えさせる要素が多いけど、笑って泣けて、そしておもしろい」を実践されているし、作品から得られるものがたくさんあるんです」
――小林賢太郎さんの舞台作品は、台詞の妙味もかなり感じます。
「賢太郎さんは特に韻への理解が深いんです。ラーメンズ時代のコントでも、すごくいい韻を踏んでいるセリフがあって。正確な台詞じゃないかもしれないけど、「帰省したけど、ここはもう、超ド田舎だ。だけど好きだったあの子は、丁度いなかった」(第12回公演『ATOM』の「採集」(2002.12 - 2003.1))という風な台詞があって。韻の仕組みを理解していらっしゃるなと思いました」
――ちなみにラップはそうやって言葉を操るものですが、年齢の影響は出るものですか? スポーツの世界は、30代、40代になると体力面の衰えなどから引退することが多いですが。
「影響はあると僕は思います。逆の例えになるけど、めちゃくちゃブランド物の服を着ている子どもを見ると、ちょっと違和感があるじゃないですか。それを50代の自分に置き換えると「今、こういうラップが流行っています」というものをそのままやっても、無理やり感が出るはず。年齢と共に「言えることも少なくなってくる」というのはある気がします。だからこそ、今の自分に合った言葉を探し、学んでいく必要があるんです」
――それこそKREVAさんの楽曲は、その時々のトレンドの言葉があまり使われませんよね。リスナーとしては何年、何十年と聴き続けられるような普遍性を感じますし、ラッパーとしても何歳になっても口にして違和感がない言葉が使用されている印象です。
「賢太郎さんも昔から「今の言葉をできるだけ入れない」とおっしゃっていました。俺もその影響を受けているかもしれません。曲を作るときは確かに"耐久性"を意識しています。もちろん、「この言葉、口が気持ちいいから本当は言いたい!」というものもあるんですけど」
――えっ、そうなんですか! 言いたいけど、言えない...みたいな?
「商品名とかめちゃくちゃラップで歌いたいですよ(笑)。これ言いたいな、いろいろ遊べるだろうなって想像する。でもそれってなかなかできないし、耐久性の部分でも難しくなるかな」
――『KREVA CLASS』では、あらためて日本語ラップにはどういうおもしろさがあるのか、知ることができそうですね。
「かなり深いレベルで「韻」というものを捉えている舞台だと思います。一つ一つの言葉や韻の構造を見ていって、「そういうことか」と気づけるようになっています。あと今回は、2024年の舞台の再演とは言いつつ、まったく同じではないんです。俺は純然たる再演を希望していたんだけど...」
――異なるんですね!
「小林賢太郎さんと話をしたら、どアタマからちょっと変えてきていたんですよ。「ちょっと待ってください、純然たる再演じゃないんだ」という気持ちで(苦笑)。もちろん、それはよりおもしろくするため、より伝わりやすくするためのアレンジ。だから2024年の舞台を見ている人も、新作のような感覚で楽しめると思います。あと、前回を経てGABEZと熊井吾郎、そして賢太郎さんも含めたチームワークもでき上がっているから、さらにいいパフォーマンスが見せられるはず」
――中でも注目は?
「やっぱり「声の出演・小林賢太郎」ですね。脚本・演出じゃないところで賢太郎さんの名前が載るのは、そんなに多くないことだと思います。ただそうなると、賢太郎さんやラーメンズのファンもさらにたくさん来られる気がする。そうなると舞台としてより厳しい目で見られる。「嬉しいじゃん」にプラスして、「プレッシャーだよ」っていう(笑)」
――最後に改めて、『KREVA CLASS 2026』を楽しみにしていらっしゃる方にメッセージをお願いします。
「賢太郎さんと今回の再演について話をしたときに、「よりKREVAらしい言葉遣い、KREVAのリズムのような台詞を書くよ」とおっしゃっていました。自分的には、「小林賢太郎作品だから、小林賢太郎の台詞でいいですよ」と思ったのですが、賢太郎さんは「その方がきっと笑いも起こるし、より伝わると思う」って。だから前回以上に、ご覧になる皆さんの心に響くものになる気がします。いや、「しなきゃいけない」と思っています」
Text by 田辺ユウキ
(2026年10月19日更新)
【神奈川公演】
▼11月5日(木)・6日(金)・7日(土)・8日(日)
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
[出演]KREVA/GABEZ/熊井吾郎/小林賢太郎
[演出]小林賢太郎
▼11月13日(金)・14日(土)・15日(日)
サンケイホールブリーゼ
指定席-10908円
[出演]KREVA/GABEZ/熊井吾郎/小林賢太郎
[演出]小林賢太郎
※未就学児童入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888
公式サイト
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公式Instagram
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