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デビュー10周年を迎えた林部智史が贈る
過去と現在を感じられる10年の集大成ツアー

2016年のデビュー以降、コンサートアーティストとして精力的に活動を行っている林部智史が今年デビュー10周年を迎えた。この節目を彩るように、未音源化楽曲などが収録された通算8枚目のオリジナルアルバム『Myself』を9月30日にリリース。10月からは全国ツアー『This is Myself!! ~コンサートアーティストとして10年~』がスタートする。そこで今回、最新アルバムや秋の全国ツアーのことなどについて話を聞いた。

――デビュー10周年おめでとうございます。ここまでの道のりはいかがでしたか?

「1番大変だった時期は確実にコロナ禍ですね。その時期はコンサートが軒並み中止になりましたので、コンサートアーティストと言わせてもらっている自分としては、先が見えずに辛かったですね。コロナ禍で命も危険だってなると、歌のプライオリティって一般的には低いんだなって感じましたし、衣食住が整った上で歌が聴ける状況にあるという現実を知れたのは、なかなかしがたい経験をできたなって思っています」

――大変な時期もプラスに捉えていらっしゃるんですね。

「やっぱり歌い手であり、作り手でもあるので、そうした経験はこれからプラスになっていくんじゃないかなとは思います。そのコロナ禍でやった配信コンサートは『おうちでコンサート』という名前をつけて今もなおやらせてもらっています。どうしても遠方に来られないお客様がいたり、僕があまり訪れない土地があったりするので、今後も絶対にやっていこうと思える配信というものに出会えたのは大きかったことですね。コンサートのありがたみを知りながら、今があります」

――さて、9月30日にオリジナルアルバム『Myself』がリリースされます。今回は12曲中4曲が作家さんたちの提供楽曲で、7曲が未音源化曲を初収録した作品になっています。この構成にされたのは?

「オリジナルアルバムとしては今年2枚目になるんですけども、まずは前作の加藤登紀子さんプロデュースの『Koibumi』とは違う作り方をするというところがひとつありました。それに加えて、コンサートで披露してきたけど収録できていない楽曲というのがこの10年間でだんだんと溜まっていまして。僕は、コンサートで披露しているけど収録しない曲もあっていいと思っていたんですけど、その中でもCDに残したい歌も数曲あったので、それを選んでCDにしています。1番古い楽曲だとデビュー年に作った楽曲になるので、10周年という期間だからこそ出せる1つの集大成としてのアルバムだなと思っています」

――ということは、10周年でなければ、その楽曲たちはCDとして出ていない可能性もあったのでしょうか?

「そうですね。やっぱり振り返られるきっかけがなければ、このアルバムは成立していないと思います。今作はこの10年を振り返られるアルバムになっていますが、そのうちの4曲は作って頂いていて、それらの楽曲には"今の林部智史に歌わせたい"という作家の方々の思いもあります。その点では、未来を見据えているような楽曲たちも収録されていると言えます。平井夏美さんと中村由利子さんは初めてになりますが、今回の作家の方々、アレンジャーの方も含めて、基本的にはこの10年の中で関わりのあった方がタッグを組んでいるので、この方々にお願いすることで10年間を振り返るきっかけにもなりますし、自分では出せない新たな一面も感じられる楽曲が今回頂けたと思っています」

――新たな一面に出会えるところが楽曲を提供して頂く醍醐味になりますか?

「そう思います。自分で作るときはなんとなくのイメージを持って作りますが、作り手の方はまた違った目線で僕のイメージを持たれていたり、逆にイメージせずに作ることもあるので、作って頂くことで出会えなかった楽曲に出会えることは魅力的な部分だと思います」

――ちなみに、作家さんからは林部さんはどういうイメージを持たれているのでしょうか?

「作って頂く時期にもよるんですけど、特に最初の頃はデビュー曲の『あいたい』を聴いて頂いて、悲しいメロディーが似合う人なんだろうな、みたいな感じで悲しい楽曲が届くことはよくあったと思います。でも、この10年間という月日の中でいろいろな楽曲を歌うようになって、『こういう曲を歌うんだ』なんていう発見をしてくださる先生方もいて、『悲しい曲ではなく、もっとこういう曲が合うのではないだろうか』なんていう発想を持ってくださる方もこの10年で増えた印象ですね」

――頂ける曲の幅もどんどんどんどん広がっているんですね。

「そうですね。広がってきていますね。それに付随して僕もタンゴの曲を作ってみようとか、ジャズっぽい曲を作ってみようというような発想も持てるようになるなど、自分自身で作る楽曲に影響を受けているので、すごくいい相乗効果になっているなと感じています」

――楽曲といえば、今作には林部さん作詞作曲の書下ろし新曲『I do me.』も収録されています。この曲の歌詞を読んで、どう受け取ればいいのかという印象を受けまして......。

「これはお客様もそう思うだろうなと思っています。10周年だからこそ、今の気持ちを何にも捕らわれることなく書きたいなと思って書いた曲なんですね。歌との向き合い方、歌とのあり方、歌と共に――という生き方がこの10年で身についたと言いますか、身につけなければいけなかったとも言えますけども、その中で『この10年を振り返って幸せですか?』なんて聞かれると、幸せなんだけれども、『幸せです』と一言で片付けていいのかなと思う瞬間がたくさんあって。例えば、『人生どうですか? 幸せですか?』って聞かれたときに、まだこれからも続いて行く中で『幸せですよ』って言い切っちゃうのはどうなのかなと思っているんですね。最後に振り返ったときに幸せだと感じられるように生きていたい、ということを『I do me.』で書きたかったんです。だから、歌詞の最後は『しあわせは後から感じられますか』で終わっているんですけど、これは、幸せだと感じていないとかそういうことではなく、歌が人生になりかけているからこそ出てきた歌詞で、より歌と共に生きている証なんだと思っています」

――現在進行形だからこその歌詞ということなんですね。10周年の節目の書下ろしとなると、次に向けたポジティブな内容を勝手に想像していたので、歌詞を読んでどう捉えたらいいのかなと思っていました(笑)。

「どこか斜に構えているというか、めちゃくちゃポジティブなものを書きたくなくて(笑)。もちろん、ネガティブに捉える方もいると思うんですけど、これからも続けていくモチベーションに1番近い歌を書きたいなと思ったので、僕自身としては振り返った時にこの歌を見て『背伸びしていないな』って思えたらいいなと思っています」

――そんないろいろな楽曲が収録された今作のタイトルを『Myself』にした理由についても教えてください。

「今回、スタジオライブという形で5 曲録ることができたんですね。バンドメンバーの皆さんも一発録りで録ったんですけども、コンサートで披露して仕上げていった楽曲だからこそ、コンサートアーティストだからこそできる録り方、みんながあまりやらないMyselfな録り方をしたいということで、そういうレコーディングをして。あとは、楽曲を書いて頂くし、自分でも書くというスタンスでしたり、秋ツアーのタイトルが『This is Myself!!』でコンサートアーティストとしての自分自身を意味しているところがあるので、そんな連動性も含めながらアルバムのタイトル名を『Myself』にさせてもらいました」

――連動性を含めということで、秋ツアーはこのアルバムを引っ提げたものになりますか?

「『Myself』を携えながらなんですけども、全曲を歌うわけではなくて、コンサートアーティストとして10年ということで、集大成のコンサートにできたらと思って作っている最中です。コンサートを中心に活動してきたからこそ、いろいろなコンセプトのもと、いろいろな演出で歌ってきたんですね。歌以外にも楽器を弾いたり、吹いたり、時には踊ったりするような演出もあったので、今回はその10年分を1つのコンサートにまとめたいなと思っています」

――踊られていたんですね!?

「踊っていました(笑)。デビュー初期の頃にダンスをしたこともあったし、4年前とかにも踊っていましたね。毎回踊っているわけではないので、観たことがない方もいると思います」

――そうだったのですね!? 今回のコンサートの注目ポイントはありますか?

「今までで 1番詰め込んだコンサートだと思っていて、10年だからこそできるコンサートだと思っています。今回は過去の映像とリンクさせるなど、映像も使った演出をできたらいいなと思っているので、同じ曲、同じ演出の中で過去との違いを見て頂けたらいいなと考えています。過去のツアーを観ていた方はあの時の演出だなと思えるでしょうし、逆に初めての方にも当時を感じてもらえるので、この10年見てこられなかった方もこの10年を感じて欲しいな、なんて思っています」

――楽しみですね! では、これを見てくれている方へのメッセージもお願いします。

「新しいアルバム『Myself』を携えながら、この10年の集大成をお見せできるコンサートを開催します。初めましての方も、改めましての方も、この10年を感じて頂けるコンサートにしたいと思いますので、ぜひお越しください」

――ありがとうございます。最後に1つお伺いしたいのですが、林部さんから見て、この10年で自分自身はどんなアーティストである、というのは見えましたか?

「目指している姿でもあるんですけど、いい意味で"普通の人"です。"寄り添える歌を歌えるように"というところは僕の中で芯になるようなマインドなんですけど、そのためにも、やっぱり普通の感覚を持っていなければいけないと思っているんですね。だから、歌の主役が僕であってはいけないので、見せすぎないことも必要だと思っていて、少し神秘的な、謎な部分も持っておきたいというところはこの10年でけっこう意識してきたことですね。なので、普通さを持ちながら、どこかつかめないようなところにいるアーティストだと感じています。......こういう答えで大丈夫ですか?(笑)」

――大丈夫です(笑)。歌われている方が主役というイメージがあるので、歌の主役が自身であってはいけないという話は目からうろこでした。聴く人が歌の主役というような感覚ですか?

「そうですね。もちろん、自分が主体の歌もあってもいいと思うんですけど、『寄り添うって何だろう?』ってことを考えると、そうなるのかなと。でも、お客様は僕の人間的なバックボーンに惹かれて来て頂いたりもすると思いますし、歌を好きな気持ちが薄れないように自分が主体の瞬間もないといけないので、そのあたりのバランス感覚は必要なんじゃないかなと思っています」

――いろいろと深いですね。

「はい(笑)。何が正解なのかは振り返った時にしかわからないので、いい感じに、いい塩梅で、っていつも思っています」

Text by 金子裕希




(2026年10月 7日更新)


Release

8th Album『Myself』

発売&配信中

【CD+DVD】
AVCD-63916/4950円(税込)

[DVD内容]
「林部智史 10th Anniversary Concert」
01. 恋衣
02. 晴れた日に、空を見上げて
03. 忘却のタンゴ
04. あなたのペースで
05. 人生で一番幸せな日
06. ラピスラズリの涙 (with 小椋 佳)
07. 希望
08. オレンジ
09. 風車
10. 時には昔の話を (with 加藤登紀子)
11. 望郷のワルツ
12. 愛に愛されて
13. 追伸 (with 南こうせつ)
14. 見えないね
15. ひまわり
16. あいたい
17. ここで咲くために
※全17曲収録 約90分予定
※今年2月~4⽉に東京、大阪、山形で⾏われた「10th Anniversary Concert」3公演からセレクト。

【CD only】
AVCD-63917/3400円(税込)

[CD収録曲]※【CD+DVD】と同内容
01. 風が生まれる場所
02. たそがれ
03. 舟になりたい
04. ひと雫
05. 君に贈る歌
06. ∞(インフィニティ)
07. 小さくて大きな希望
08. prisoner
09. 愛に踊らされて
10. カタチ
11. 結晶
12. I do me.
※全12曲収録

Profile

林部智史(はやしべ・さとし)…2016年2月にシングル『あいたい』でデビュー。“今、もっとも泣ける歌”として口コミで広がり、発売後4か月で有線全国ランキング1位を獲得し、同年『第58回輝く!レコード大賞』『第49回日本有線大賞』で新人賞を受賞した。2018年秋からは“はやしべさとし”として、日本の唱歌や童謡、美しい調べを歌い継ぐ叙情歌コンサートも行うなど、“コンサートアーティスト”として精力的に活動中。今年デビュー10周年を迎え、加藤登紀子プロデュースによるアルバム『Koibumi』に続くアニバーサリーイヤー第2弾となるオリジナルアルバム『Myself』を9月30日にリリースし、10月からは全国ツアー『This is Myself!! ~コンサートアーティストとして10年~』を行う。

Live

「林部智史 CONCERT TOUR 2026・秋 This is Myself !!~ コンサートアーティストとして10年 ~」

【栃木公演】
▼10月9日(金) 栃木県総合文化センター メインホール
【宮城公演】
▼10月12日(月・祝) 東京エレクトロンホール宮城
【神奈川公演】
▼10月17日(土) 鎌倉芸術館 大ホール

PICK UP!!

【大阪公演】

▼10月20日(火) 17:00
フェスティバルホール
全席指定-8800円
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【福島公演】
▼10月23日(金) けんしん郡山文化センター 大ホール
【愛知公演】
▼10月28日(水) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【長野公演】
▼10月31日(土) 長野市芸術館 メインホール
【東京公演】
▼11月5日(木)・6日(金) 東京国際フォーラム ホールC
【北海道公演】
▼11月13日(金) 札幌市教育文化会館 大ホール
【福岡公演】
▼11月18日(水) 福岡市民ホール 大ホール
【大分公演】
▼11月20日(金) J:COM ホルトホール大分 大ホール
【埼玉公演】
▼11月25日(水) 大宮ソニックシティ 大ホール
【山形公演】
▼11月29日(日) やまぎん県民ホール

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